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2018年11月20日 (火)

『楽しく学ぶラテン語』読解~第15課


別にどんどんやるつもりではなく、やれるときにやりたければやる感じで読んでいきます。明日も明後日も、今度の連休中も、たぶんやれませんし、やりませんから。

15課の例文は、14課が理解できると、p.66の指示代名詞・形容詞の変化表を参照すれば、わりとすんなり分かるかな、と思います。


第15課 指示代名詞・形容詞(p.64)

1. Erant in eā legiōne fortēs virī, Pullō et Vorēnus.
    Hī perpetuās inter sē contrōversiās habēbant.  (CaGal. 5.44)

【ポイント】
* 最初の文は、Pullō et Vorēnusが主語ですが、英語だとThere were strong men in the army, Pullo and Vorenus. みたいな感じになるのだろうと思います。でも、逐語訳は「翻訳」ではなくて文の言っていることが分かるのが目的なので、主語述語の関係は素直に読み取ってみるのがいいんだろうな、と思っています。それでも英語のThere were文を訳すのと変わらない感じにはなるのですが・・・
* perpetuāsはcontrōversiāsと性、数、格が一致していることに着目します。

【逐語訳】
その(eā、奪格)軍団(legiōne、奪格)には(in、奪格支配前置詞)強い(fortēs、第3変化形容詞男性複数主格)男たち(virī)、プッロー(Pullō)と(et)ウォレーヌス(Vorēnus)がいた(Erant、不規則動詞sumの直説法能動態未完了過去3人称複数。sumの未完了過去の変化の表は、すでに第2課のp.13にあります)。
この者たちは(Hī、指示代名詞男性複数主格) お互いに(inter sē、熟語と見る。interは「〜の間」をあらわす対格支配前置詞、sēは再帰代名詞suīの単数複数共通の対格)途切れない(perpetuās、第1第2変化形容詞 女性複数対格)反目を(contrōversiās、第1変化女性名詞複数対格、「反目」の訳は辞書によります)抱いていた(habēbant、第2変化動詞habeōの直説法能動態未完了過去3人称複数)。

【テキストの和訳】
その軍団にPullōとVorēnusの勇者がいた。この者たちはお互いで常に競争をしていた。


2. Hae nūgae sēria dūcent in mala.  (HorArs. 451)

【ポイント】
* sēriaとmalaの性、数、格が一致していることに着目。従って前置詞inよりも前にあるにもかかわらず、sēriaにも前置詞inが係る。

【逐語訳】
このような(Hae、指示代名詞女性複数主格)冗談は(nūgae、第1変化女性名詞複数主格)重大な(sēria、第1第2変化形容詞中性複数対格)不幸(mala、第2変化中性名詞複数主格)を(in、対格支配前置詞)導くだろう(dūcent、第3変化動詞直説法能動態未来3人称複数)。

【テキストの和訳】
こんな戯れは、深刻な禍いにおちいるだろう。


3. Hōc tempore obsequium amicōs, vēritās odium parit.  (TeAnd.  67-)

【ポイント】
* 並立する二つの主格の名詞がparitを単数形で共有し、動詞それぞれに続く対格の名詞を目的語にしている。子供のときの理科を思い出せば、電池の並列接続のような構造になっているのが面白く感じます。
図の格好が悪いですけれど、こんな感じ。

                        |—obsequium—amicōs —|
Hōc tempore— |                                     |——parit.
                | vēritās      — odium    —|

* Hōc temporeは時の奪格ですが、第34課§193(p.164)でないと説明のない用法です。まあ、感じで分かっちゃうのかな。

【逐語訳】
この(Hōc指示代名詞中性単数奪格)ご時勢では(tempore、第3変化中性名詞tempusの単数奪格。)お世辞が(obsequium、第2変化中性名詞単数主格)友たちを(amicōs、第2変化男性名詞複数対格)、真実が(vēritās、第3変化女性名詞単数主格)憎しみを(odium、第2変化中性名詞単数対格)産む(parit)。

【テキストの和訳】
現今にあっては、追従が友を、真実は憎しみを生む。

【蛇足】
テキストの訳だと、ほんとうは少なくとも「真実《が》憎しみを」としたほうがいいんだけどな、などと思いました。元のラテン語は「友」が複数で「憎しみ」が単数なのも、もし翻訳のつもりでやるなら、活かしたら面白いんだけどな、とも感じています。さもない話ですが。


4. Quid istuc est?

【ポイント】
〜とくになし。

【逐語訳】
それって(istuc、指示代名詞中性単数主格)何(Quid、疑問代名詞中性単数主格)ですの(est)?

【テキストの和訳】
何をおっしゃっているのですか(=どういう意味ですか)。

【蛇足】
テキスト和訳のようになるのは文脈由来なのかと思うのですが、出典の明示なく、分かりません。探してみます。


5. Illud amīcitiae sanctum ac venerāvile nōmen
   nunc sub pedibus jacet?   (OvTris.  1.8)

【ポイント】
* Illud(指示形容詞中性単数)とnōmen(第3変化中性名詞単数)が主格。
* amīcitiaeは第1変化女性名詞の属格で、nōmenに係る。「amīcitiaというnōmenは」と採る。
* sanctumとvenerāvileは形容詞で中性単数主格、nōmenを形容する。

【逐語訳】

【ポイント】
友情という(amīcitiae)あの(Illud)神聖な(sanctum)そして(ac)敬うべき(venerāvile)名は(nōmen)
いまや(nunc)足の(pedibus、複数奪格)下に(sub、奪格支配前置詞)横たわるのか(jacet)?

【テキストの和訳】
友情という彼の神聖にして尊き言葉は、今や足下で踏みにじられているのですか。


6. Sic venit ille puer, puer ille manet.  (OvRem.  168)

【ポイント】
* ぞれぞれ二度出てくるille(指示形容詞男性単数)もpuerも主格形で、前後で位置が逆転している(最初はille puer、次がpuer ille)のが何故かな、と考えると深刻に悩んでしまいます。詩の中の行なので、韻律の関係で逆転させたのだろう、と、あっさり捉えることにしました。間違いでしたらご指摘頂けると嬉しいです!

【逐語訳】
こうして(Sic、副詞)かの(ille)少年は(puer)やって来て(venit) かの(ille)少年は(puer)とどまるのです(manet、辞典による訳語)。

【テキストの和訳】
彼の少年かく来たり、かく留まりぬ。


7. Hīc jacet immītī cunsumptus morte Tibullus.  (Tib.  1.3)

【ポイント】
* immītīは課の語注にしたがって第3変化形容詞として捉えますと、p.62の変化表により単数奪格だと分かります。男性女性中性で共通の形ですが、奪格であることがmorteと一致しますので、女性単数奪格ということになります。
* cunsumptusはcōnsūmōの完了分詞(→第29課。前の課第14課の例文5参照)で、受動的に「破滅させられた」と読んでおきます。morteを形容します。
* morteは第3変化女性名詞mors(死)の単数奪格。

【逐語訳】
ここに(Hīc、指示代名詞男性単数主格と形は同じですが、副詞と捉えます)過酷な(immītī 、奪格)死によって(morte、奪格)破滅させられた(cunsumptus)ティブッルスが(Tibullus)横たわっている(jacet)。

【テキストの和訳】
容赦なき死にて滅びたるティブッルスここに横たわれり。

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