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2017年6月 3日 (土)

【古文】『古本説話集』上 十三 撫子(ど素人古典答案)

(こんなことをやるにあたっての「能書き」は、こちらです。)
(それをお読みの上、間違いをお見つけの際はご指導下さい!)


 今は昔、四条大納言、前栽(せんざい)つくろはせさせ給ひけるに、心もなき者、撫子を引き捨てたるを見給ひて、
  好き者を花のあたりに寄せざらばこの常夏に根絶えましやは


【現代語訳】
 以前のこと、大納言公任さまが、前庭の草木を手入れさせていらっしゃったとき、無粋な者が未だ花の咲いていない撫子を引き抜いて捨ててしまったのをご覧になってお詠みになった。
  鋤などというものを花のちかくに寄せなければ、
  このナデシコの根が切れることもなかったろうに・・・
  恋人に好色者を近づけて私と恋人の共寝の床が絶えてしまったような気持ちだ


【語彙】
四条大納言=藤原公任(ただし和歌は本当は近侍していた平仲文が詠んだものとのこと)
前栽(せんざい):名詞。せざい 庭前に植えた草木、草木を植え込んだ庭園
つくろ・ふ(繕ふ):他動詞ハ行四段活用 「手入れをする」 未然形
す:(四段・ナ変・ラ変動詞の未然形に付く)助動詞下二段活用型 使役。ある動作をさせる 連用形
さす:助動詞下二段活用型 尊敬の補助動詞 連用形
給ふ(たま・ふ):他動詞ハ行四段活用 動詞・助動詞のの連用形に付いて尊敬の意を添える
〜させたまふ、で、「・・・させなさる」連用形
けり:助動詞ラ変型 ①伝聞回想 ②詠嘆・感動 ③過去から現在まで続いていること ④(中世以降の用法)単に過去にあったこと〜ここでは①か④ 連体形
に:格助詞(体言) 動作・状態の存在する場所、時、帰着点。
心も無し〜こころなし:形容詞 ク活用 思いやりがない、思慮分別がない、情趣を解しない、風流心がない 連体形
たり:助動詞ラ変型 動作・作用の完了(その結果が継続している) 連体形
好き(すき)=鋤をかけている
花=撫子の花を自分の恋人(喩え)にかけている
常夏〜常(とこ)に床をかけている。撫子は八・九月(秋)に花を咲かせるが、野生の撫子には常夏の異称がある。
根=寝をかけている
絶ゆ:切れる、絶える 未然形
まし:活用語の未然形に付く 反実仮想 事実と異なる状態を想像して「そうあったらいいのに」


【テキスト】新日本古典文学大系42 ふりがなを補ったところがあります。
【辞典】佐藤謙三・山田俊雄編『角川最新古語辞典』1995年増補版60版

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コメント

前栽…表記:せさい・せむさい・せんさい

読みは「センザイ」ですネ❗️

投稿: Maza | 2017年6月 3日 (土) 12時08分

「ぜんざい」! あはは〜 (^o^;
こっそり直します〜。
ありがとうございます。

投稿: ken | 2017年6月 3日 (土) 12時49分

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