放射線・放射能・原子力

2011年3月28日 (月)

放射線関連用語若干

このブログに掲載のファイルが正確で分かりやすいので冒頭に追加します。

team nakagawa
http://tnakagawa.exblog.jp/

これを読んだら以下は不要か・・・。

ニュースでも解説番組でも専門用語が飛び交って、何が問題なのか、が結局私たち素人には分からない「放射線」。
そのうちにテレビも見なくなってしまいました。

ですが、長丁場と化している福島第1原子力発電所事故の処理は、長丁場を迎えるほど正念場となり、うまく沈静化したとして、そのあとどうなるか・・・福島第1原子力発電所の周囲ではまた農作物が作れるのか、それよりもまず人が住めるのか、あるいは、福島第1原子力発電所からどれくらい離れたところにまでどのような影響があるのか、を理解するためには、テレビで飛び交っている専門用語について、厳密にではなくても目安となる程度の知識を持っておくことが必要かと思います。
まあ、いまさら、の気もするのですが。

「専門的な」説明は私も分かりませんので、いくつかの入門的な書籍にある説明(これはこれで、ものによっては「?」が頭の中に点灯するのですけれど)を抜き出せるものは、それを抜き出してみます。

単位関係を少し多くし、あとは手短にしておきます。


たとえばこういう記事を読むときに参照して頂けるのではないかと存じます。

「魚食べて心配ない」 原子力安全委、海水汚染巡り見解 
2011年3月26日22時22分asahi.com
http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260409.html?ref=reca
・・・これには「ベクレル」が登場します。

 

<単位関係>

書籍で見たものには、言い回しに「知らない奴はバカ」みたいな軽侮を感じるものもありますが、そのまま掲げます。【シーベルト】がテレビや新聞で飛び交った単位ですが、先に難しい方の定義を参照しておきましょう。

【シーベルト】
wikipediaではこちら。生体への被曝の量を表わす単位。放射線(後述)の種類によって係数が異なる。この係数を「グレイ」に掛け合わせて求める数値。係数の違いについてはとりあえずWikipedia記事上の表を参照下さい。1シーベルト=1000ミリシーベルト。1時間にどれくらい被曝 するかはsv/hで表わす。シーベルト自体は量的なものを表わしていて、報道発表を読むときにはその量がどれくらいの時間で、という点が抜け落ちているこ とが多く、注意が必要かと思われます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88

【グレイ】
wikipediaではこちら。
1グレイ=放射線によって1キログラムの物質に1ジュールの放射エネルギーが吸収されたときの吸収線量(1ジュールは、ちょっと不正確な言い方ですが、およそ100gのものを1メートル動かす仕事量です・・・中学理科で出て来ます)。「吸収線量、って、なんだろ?」ってのは、聞かんといて下さい (滝汗)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4_%28%E5%8D%98%E4%BD%8D%29

【ベクレル】
wikipediaではこちら。放射能(後述)の量を表わす単位。1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレル。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%AB

で、以上を、K・T・Aお3人の対談形式での説明したものに、こんなのがあります。はじめにAさんがフランス原子力安全・放射線防護総局のメンバーから受けた、分かりやすい説明だとして語っています。

A:(前半略)Kチームが1秒間に石を10個投げる能力があるときは、10ベクレル。Tチームのどこかに当たったときのエネルギーがグレイ。(中略)そして、当たった石の大きさや重さや形などの性質、どこに当たったかなど、人に対するダメージを換算して、表したのがシーベルト。(後略)
K:もうひとつ、あえて再処理工場や原子力発電所に関していえば、投げる石はコントロールされているということ。むやみやたらにバンバン出してい るわけじゃなくて、規制されたスイッチで、周りの人に影響を与えない。(Aさんのコメント一つを含め中略)グレイは、そこに当てるという目的をもって出す ときの数値ですよね。
A:そう。人間がレントゲン検査を受ける。これはミリシーベルトであらわすんですよ。ところが放射線治療を受ける、がんに放射線を照射する。その場合はグレイで説明されるんです。ちなみに、人間のがんの治療は50から60グレイくらい。
K:それは当てる対象と、目的があるから。
・・・4ページと7行分省略・・・
T:(前半部略)原子力の平和利用にさえも反対している人たちは、そもそも自然界に放射線はゼロで、お魚や食べ物に放射性物質が入っていないと信じている面がある。(引用者補:この件は別建てで見たいと思っております。)【ある放射性物質処理施設の海洋放出口から7km離れたところでは通年で放射 性物質が13万分の1に薄められるのだが、その時点での放射性物質の含有量が】出した(放出した)量の13万分の1と少なくても、「お魚は食べたくない」 とか「影響がある」と信じてしまう。
K:お勉強していない人は、おいしいお魚を召し上がれない(笑)。
(ワック株式会社刊『私たちは、なぜ放射線の話をするのか』2008年8月 p.99-106)

ちなみに、この本には100ミリシーベルトまでの被曝のうちの主なものについて掲載した図があります。
いくつか拾っておきます。
    0.001 原子力発電所からの放出実績(年間)
    0.05   胸のエックス線集団検診(1回)
    0.2     東京~ニューヨーク航空機旅行(往復)
    0.6     胃のエックス線集団検診(1回)
    1.0     一般公衆の線量限度(年間)~じつは、自然放射線に上積みされてよい人工放射線被曝量です。
    2.4     1人当たりの自然放射線(年間)~世界平均値です。
  10        ブラジル・ガラパリ市の放射線~年間の、ということが落ちています。
100        全身被曝 これより低い線量では臨床症状が確認されていません~って、どういうことなの?
ちなみに、100ミリシーベルトという数値は、Wikipediaでは「電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く) が法定の5年間にさらされてよい放射線の限度。電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1回の緊急作業でさらされてよい放射線の限度。」と記載されています。
また、報道でも言及されていますが、いちどきの放射線被曝での致死量は7000-10000ミリシーベルトとされています。

数値の例はともかく、引用した部分で、なにか盲点になっていることは見当たりませんか?

<被曝>とは?
人体が放射線にさらされること。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

<放射線>とは?
単位名称ともなった科学者ベクレルが、ウランを研究していて偶然に気付いたものだったのですが、それを暗がりに置いても、物質から弱まらずに放射され続ける線(当初、不可視燐光、と称されました)があって、さまざまな金属の中に密閉してもそれを突き抜けることを知り、究明したものです。紫外線も似 た性質を持ちますが放射線に含めては考えません。放射線は、単純に言ってしまえば原子核が崩壊して発生するものなのですが、原子核が崩壊するときには大きなエネルギーが発生するのですから、高エネルギーだとされています(例外があるようです)。
α(アルファ)線=原子量が4で、電荷がプラスの2のヘリウム原子核。紙で遮蔽出来る。
β(ベータ)線=電子。1mm厚のアルミニウム板で遮蔽出来る。
γ(ガンマ)線=電磁波。150mm厚の鉛の板で透過が減衰する。
以上は、PHPサイエンス・ワールド新書『原発とプルトニウム』(2010)による。
他にも種類があります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A
なお、同じエネルギーで物質を突き進むスピードを対比すると、α線で光速の数%、β線でその数十倍となるそうです。(次の本によります。)

以下は、『ビックリするほど素粒子がわかる本』(ソフトバンク サイエンス・アイ新書 2009)を参照しながら。

<放射能>とは?
放射線を出す能力。あるいは、その性質をもつ物質。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E8%83%BD

<放射性元素>とは?
その原子核が放射線を放出して別の原子核に変わるようなもの。
放射性物質 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%94%BE%E5%B0%84%E6%80%A7%E7%89%A9%E8%B3%AA

<半減期>とは?
放射性元素のかたまりが発する放射線量が半分(2分の1)になるまでにかかる時間で、放射性物質の平均寿命(放射線を出さない安定した物質に変わりきってしまう)の70%。

・・・とまあ、こんなところで。

| | コメント (0) | トラックバック (1)