メンデルスゾーン

2009年4月 3日 (金)

メンデルスゾーン:初期の弦楽交響曲群(2)

大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演しています!



齋藤友美賀ヴァイオリンリサイタル(2009年4月28日、市ヶ谷にて)、是非お出掛け下さい。

大井浩明さんの新譜「フーガの技法」(クラヴィコードによる演奏)が出ました。お聴き頂くと同時に、秀逸なリーフレットを是非お読み頂きたく存じます。私がつまらん感想を述べなくても、このリーフレットですべてが分かる!

Ooibach記事本文とは関係ありませんが、上述の大井さんの新譜の表の絵を載せておきます。
「この顔、何?」
とお思いになったら現物をてになさって下さいね。「クラシック」の壁が、ここから破れているのが私は好きです。

本題。

1番から6番に触れたあと、間がだいぶ空いてしまいました。
これら6曲は1-4番と5・6番の2グループに分かれていましたが、今日触れる第7-9-番、1-12番と、1楽章だけの第10番、第13番(これは私が初めて聴いた頃は番号が付されていませんでした。いつごろ付いたのでしょう?)についてはひとまとまりと捉えることもできますし、それぞれが個性的な存在だと見なすこともできます。

ひとまとまりで捉えられる側面は、
・前半6作同様、短調指向(長調作品では序奏が短調、短調作品ではこの関係が逆転)であり、かつプロイセン系の作風であること
・随所にフーガを取り入れていること
・第7番を除き、遅い(重い)テンポの序奏が付いていること
・緩徐楽章に民謡調の要素が取り入れられる傾向にあること(1822年7月にスイスへ家族旅行をした影響のようです)
といったあたりです。調性においても、楽章数が増えた分、ヘ長調を基調とする第11番の第2楽章は変ホ長調(下属調のそのまた下属調)、ト短調を基調とする第12番の第2楽章(3楽章構成の中間楽章)も変ホ長調(平行調の下属調)と、前6作よりやや野心的な性格付けを行なっています。

前半6作に比べるとモーツァルトに似ているなあ、という部分に出会うことがあり、作品規模が大きくなっていることを考慮すると、これらは前半6曲よりはあとの作品で、その分、これまではあまり感じられなかったウィーン古典派的なものも学び取った上での創作になっているのではないか、と思われるのですが、ベルリンという土地柄でしょうか、後半7作では大バッハを意識したのではないか、と考えられる性格の方が、いっそう強く前面に現れています(耳での聴き取りですので、錯誤あればご指摘下さい)。
また、第8番は古典的な二管編成で「弦楽交響曲」ではなく、第9番も第2楽章に打楽器が入ります。
第11番は5楽章、第12番は3楽章構成であるのも面白いところで、それらを耳にした上で7番以降を聴き直してみますと、これらは私たちの既成概念上の「交響曲」と「合奏協奏曲」の中間的な性格をもっていることをお感じになられるのではないかと思います。

フーガの現れる箇所は、下記のとおりです。
・第7番終楽章
・第8番終楽章
・第12番第1および第3(最終)楽章
そのほかの作品も、ポリフォニックなキャラクターがあらわであり、どちらかというとそれを「オブラートで覆い隠している」ウィーン古典派とは一線を画しています。
この性質は、メンデルスゾーン作品を貫く特徴ともなって行くものです。・・・第7番以降は、すぐあとの八重奏曲・「真夏の夜の夢」序曲や、ずっと後年の「イタリア」交響曲を彷彿とさせてくれます。

後半作品群でもう一点、明記すべき特徴は、メヌエット楽章のテンポです。
これらはハイドンやモーツァルトのメヌエットとは似ても似つかず、有名な例ではベートーヴェンの交響曲第2番・第4番のメヌエット楽章のように、1拍子的なのです。
演奏によっても違うのでしょうが、"MENDELSSOHN THE COMPLETE MASTERPIECES"中のハノーヴァーバンドでは第8番第3楽章が少しゆっくり目ですが、これでさえもベートーヴェンの第4交響曲のメヌエットの遅めの演奏と同じくらいの早さで演奏されています。他に同様のメヌエット楽章があるのは第7番第3楽章、第11番第4楽章(第11番は5楽章構成)です。



個々に見られる特徴は、個々の構成の中で述べましょう。(大文字は長調、小文字は短調)

第7番 ニ短調
I. Allegro 細かな分散和音を主動機とし、ラメントの要素を持つレガート動機を付随させている。ピチカート伴奏の効果的な使用が見られる。
II. Andante (D) 二声でありながら豊かな歌謡性をもって開始。変ホ長調の中間部はさらに豊満。
III. Menuetto 前述
IV.Allegro molto 短調開始に見せながらニ長調〜むしろ前古典派と括られるシンフォニーを彷彿とさせる

第8番 ニ長調(二管編成の管弦楽)
I. Adagio(d)-Allegro (D) 伸び伸びした、輝かしい明るさ
II. Andante (h) 半音階的な幻想風序奏に続き、ヴィオラによる民謡調のメロディ(有名です)。
III. Menuetto 主部はややゆっくり目、トリオは第7番に準ずる。
IV.Allegro molto (d-D) 6連符の上で2拍子の主題が鳴るのは「イタリア」のフィナーレを連想させる。

この8番の第2楽章をお聴き頂きましょう。

ハノーヴァー・バンド、1992-1993収録、オリジナル楽器使用

第9番 ハ長調
I. Grave(c)-Allegro(C) 細かい動機によるが、民謡調
II. Andante (h) ソロカルテットに始まる美しい楽章
III. Scherzo 速いテンポのスケルツォはこの作品群では特殊。ベートーヴェンを意識したか?
       トリオにはヨーデルを取り入れている。
IV.Allegro molto 短調で幕を開ける。ポリフォニック。

第10番 ロ短調(単一楽章):Adagio-Allegro

第11番 ヘ長調(スイス民謡を取り入れている由)
I. Adagio(F)-Allegro (f-F)  長調の序奏は、すでに「古典派」の域を出ている。
II. Scherzo, Comodo schiwelzerlied (d) :スケルツォは元来「舞曲」ではないのです。(過去記事をご覧下さい。)
III. Adagio(ES) 下属調の下属調をとることで、前楽章からのつながりを神秘的なものにしている
IV. Menuetto  : Allegro Moderato  急速なテンポのメヌエット
V. Allegro molto これもまた「イタリア」の終楽章を思わせる

第12番 ト短調
I. Fuga : Grave(g)-Allegro(g) 大バッハを明確に意識していると思われる、二部構成のフーガの積み重ね
II. Andante (ES) 変ロ長調との間を揺れ動く、対位法的なファンタジア
III. Allegro molto  これもまた大バッハの協奏曲を感じさせるが、全体は一般的な合奏協奏曲の終楽章風

第13番 ハ短調(単一楽章) : Grave(c)-Allegro(c)


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2009年3月11日 (水)

メンデルスゾーン:初期の弦楽交響曲群(1)

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・・・是非、お目通し下さい。


大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演しています!


齋藤友美賀ヴァイオリンリサイタル(2009年4月28日、市ヶ谷にて)、是非お出掛け下さい。


9544e075aaa0c2a4今年はフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディの生誕200年でしたね!

書籍の方は、残念ながら日本語のものはまだあまり店頭に並んでいませんが、これはモーツァルト生誕250年であった2006年も書籍が出そろったのはその年の後半からでしたから、期待したいと思います。
他の店舗は覗くチャンスがないので、ヤマハ池袋店だけ確認したのですが、2階の楽譜コーナーで、珍しい作品のスコアを含め、メンデルスゾーンコーナーが設けられていました。
また、日本語で読める伝記としては、「作曲家○人と作品」シリーズでの刊行が間に合っていない音楽之友社が、以前の「大作曲家・人と作品」シリーズと新シリーズのつなぎとして販売していた「<大作曲家>シリーズ」(著者はすべて海外の人、取り上げた作曲者は18人)の中の「メンデルスゾーン」を一時的に復刊でもしたのでしょうか、ヤマハ池袋店の店頭には置いてありました。

CDでは、確認出来たショップでは特設コーナーはありませんでした(Tower Records新宿店、HMV池袋店他数店)。が、商品としては以前ご紹介しました通り、SONY Musicから、SONY、RCA、ARTE NOVA、eurodiscの合同企画で、30枚セットの"THE COMPLETE MASTERPIECES"が発売されています。。
「全作品」ではないのですが、彼の主要な作品は、日本では馴染みの薄いものも含まれています。
なおかつ、どれも演奏者が魅力的であることは、特筆に値すると思います。

その他、書籍・楽譜やCD・DVDの検索には、いつもリンクを貼らさせて頂いている「Look4Wieck.com」が便利です(タイトルだけでなく、内容に検索ワードが含まれているものまで探し出してくれます)。
お世話になりっぱなしですので、クラシック関係の商品検索では類を見ない便利なこのサイトについて、今回から、少しずつ、使い方をご紹介して行きたいとも思っております。


さて、私もせっかく"MENDELSSOHN THE COMPLETE MASTERPIECES"を入手しましたので、その収録曲について、ちょっとはきちんと見ていきたいと考えておりました。

今回は、最初期の名作である「弦楽交響曲」群(序奏付きの単一楽章だけが残っている第10番、第13番を含め13作)のうちの、前半6曲について、簡単に述べます。

この弦楽交響曲群はCD1からCD3にかけて収録されていますが、作品の性質は、まず1-6番と7-13番で明確に二分されています。

前者が3楽章構成であるのに対し、後者は(第10番と第13番、再び3楽章構成をとる第12番を除き)4楽章構成を基本としています。


前半グループはCD1にすべておさまっており、これもまた1-4番と5-6番の2グループに分け得ることが容易に耳にできます。

すなわち、第1番から第4番までは、両端にAllegro楽章を、中間にAndante楽章を置いており、中間楽章は平行調(たとえば第1楽章と第3楽章がハ長調ならばイ短調)で書かれています。
これが、第5番と第6番は第1楽章Allegro vivace、第2楽章Andane、第3楽章Prestoという構成になり、第2楽章については第5番では下属調、第6番では3つの楽章とも同じ調、というつくりに変化しています。

また、伝記類では大バッハの他にハイドン、モーツァルトの影響が見られる、としているのですけれど、私の耳にはむしろ、ハイドンやモーツァルトではなく、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハと同じ系統の書法がとられているように感じられます。すなわち、速い楽章では、主題がまずユニゾンまたはそれに近いかたちで呈示されること(これだけならハイドンやモーツァルトにも作例がないわけではありませんが、次の点で決定的に異なります)、その主題が「細かくて活発に動く」分散和音を基調にしていること(この点がエマヌエル・バッハに似ています)、呈示の後、即座に対位法的に展開すること・・・そこで用いられている対位法が、ハイドンやモーツァルトのフックス(=パレストリ−ナ)的なものではなく、北ドイツ系統のものであることにより、「前古典派」と呼ばれるものにより近い雰囲気を醸し出しているのです。

・第1番ハ長調 第1楽章の例

ハノーヴァー・バンド、1992-1993収録、オリジナル楽器使用(以下、引用例は同じ演奏による。全てモノラル化)

また、1-4番を通して、短調への指向が強いのも、同様に、音楽のベースが北ドイツ系であることを示しています。
第1番ハ長調の第2楽章はイ短調であり、第2番ニ長調の第2楽章はロ短調です。第3番はホ短調の、第4番はハ短調の作品で、中間楽章に平行調の長調を置いています。

・第4番第1楽章は、Graveの序奏をもつ点で、この群の中では特徴的です。

このあと序奏を持つものは、後半の群である第8番以降のすべての作品となります。
第4番は、大バッハを意識したと思われる最初の作品です。

前半群の第2グループに、後年のメンデルスゾーンらしい特徴がやっと現れますが、代表的なのはこのAndanteでしょう。

・第5番 第2楽章

ざっとした把握で恐縮ですが、以上のことから、メンデルスゾーンの作曲のスタートはウィーン古典派からではなく、ライプツィヒ-ベルリンといったプロイセン系の音楽から衣鉢を継いだことがうかがわれます。・・・これらを作ったときのメンデルスゾーンは12歳から14歳という年齢でしたが、同じく初期作品が判明・演奏されているモーツァルトとは傾向が異なっていることには留意しておかなければならないでしょう。第1-6番は3楽章であるとはいえ、モーツァルトほどには「イタリア風」ではないのです。

なお、弦楽のための交響曲(シンフォニア)は1950年にベルリン国立図書館で再発見されるまで忘却の彼方にあった作品であることは、ご存知の通りかと思います。
"MENDELSSOHN THE COMPLETE MASTERPIECES"に収録されたハノーヴァーバンドの演奏では、通奏低音にピアノフォルテを用いていますが、残念ながら楽譜を見ることが出来ずにいるため、この通奏低音がメンデルスゾーン自身の手によるものかどうかは、私は把握をしておりません。通奏低音があると、とくに3楽章の前半作品群は、シンフォニア、というよりはコンチェルト・グロッソ風に聞こえるのも、面白いところです。


さて、お世話になっている「Look4Wieck.com」ですが、今回はいちばんシンプルな使い方(ただし、箱の中に単純に検索語を入れる、というのとは違う方法)をご紹介致します。

メンデルスゾーンの書籍(洋書)を探したい場合は、下図のようにします。(図があまり鮮明でなくてすみません。)

1)検索対象から「洋書」を選び、検索用語リストをクリックする。
Seek1

2)現れたリストの「作曲家名を探す」で、「ま」をクリックする。
Seek2

3)「メンデルスゾーン、フェリックス」を見つけ、原語の方のみにチェックを入れ、「検索ワードに追加」をクリックする。
Seek3

4)リストを右下の「閉じる」で閉じると、検索ワードに「Mendelssohn」と入力されている(綴りを調べたり間違えたりしないので便利)。この状態で「検索する」ボタンをクリックすると、検索結果が表示されると共に、その合計数、結果表示ページ数が画面左上に現れるので、分かり易い
Seek4

という感じです。

より便利に使う方法は、また徐々にご紹介します。

・・・ということで、上のリンクで実際にお試し頂ければ幸いです。

(私とこの検索サイトには特段の利害関係はございませんので、念のため申し添えておきます。)


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2009年1月26日 (月)

メンデルスゾーン:THE COMPLETE MASTERPIECES

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大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演しています!

sergejOさんがブログで採り上げていらしたのですが、それを拝見する前に予約してしまいました!

で、手元に届きましたので、内容をご紹介しておきます。
生誕200年を迎えるこの作曲家の、ほぼ全貌を知ることの出来る貴重なセットで、しかもかなりの廉価です。この機会に、一人でも多くのかたに、モーツァルトにまさるとも劣らない神童にして、「自己に厳しい」ロマン派の風潮の先駆けとなったフェリックス・メンデルスゾーンの、精緻に組み立てられながらも豊かな叙情に事欠かない音楽に、よりたくさん、接して頂ければと存じます。



24230枚からなるこのセット、手元に届いた時にはセットそのものの6倍も容積があるような箱に入って来て、まずそれがびっくり仰天でしたが、パッケージそのものも開けてビックリでした。
一辺13センチのボックスなのですが、中を開けると左右それぞれに2.5センチの厚みのある空箱が入っていて、またビックリです。すなわち、CDと解説書を全部併せた厚みは、実際には8センチなのです。・・・最初は、正直言って呆れ返ってしまいました。

ですが、このセット、SONY、RCA、ARTE NOVA、eurodiscの共同プロジェクトですから、演奏の中身は期待できるかも、と、そちらに望みをかけました。

・・・この望みは、図星でした。

収録曲を全部上げると私もくたびれますので、適当に手抜きしますが、収録作品の内訳と演奏者をご紹介しておきましょう。それをご覧の上、ご購入を検討なさってはいかがでしょうか?



Disc1-3:弦楽のためのシンフォニー全13曲(ロイ・グッドマン指揮ハノーヴァーバンド 1992-93)
Disc4-6:交響曲第1番〜第5番(クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス 1971-72)
Disc7:序曲集 全7曲(バーンスタイン指揮ニューヨークフィルハーモニック 1967、フロー指揮バンベルク交響楽団1987-88)
Disc8:ヴァイオリン協奏曲2曲(ホ短調=スターン【1958】、ニ短調=竹沢恭子【1994】)
Disc9:二台のピアノのための協奏曲(ホ長調&変イ長調、ゴールド、フィツダーレ【1967】)
Disc10:ピアノ協奏曲(第1番・第2番=ペライア【1974】、カプリツィオ・ブリラント&ロンド・ブリラント=ピサレフ【1996】)
Disc11:『真夏の夜の夢』(ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団及び合唱団)
Disc12-13:オラトリオ『パウル』(ダウス指揮SWR交響楽団【1997、ライヴ】)
Disc14-15:オラトリオ『エリヤ』(ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス【2003、メンデルスゾーン記念祭日のライヴレコーディング】)
Disc16:『最初のワルプルギスの夜』(フロー指揮バンベルク交響楽団 1995)
Disc17:合唱曲集(詩篇作品42、歌曲集作品59-1844年)
Disc18:室内楽集(八重奏曲、クラリネットとピアノのためのソナタ、「歌の翼に」ヴァイオリン版【ハイフェッツ】、無言歌集作品19から第6番「ヴェネツィアの舟歌」・弦楽四重奏曲作品12からカンツォネッタ【以上2曲、ギター演奏)
Disc19:弦楽五重奏曲第1番、第2番(1999年録音)
Disc20-22:弦楽四重奏曲集(全7作 他4曲 ヘンシェル四重奏団 2003-4)
Disc23:ピアノ三重奏曲第1番・第2番(スターン、ローズ、イシュトミン 1966、1979)
Disc24:チェロとピアノのための作品集(変奏曲1、ソナタ2 1994)
Disc25-26:ピアノ作品集(ソナタ2曲、無言歌集抜粋【グールド、デ=ラローチャ、ゼルキン、ホロヴィッツ】 他6曲)
Disc27-29:オルガン作品集(ソナタ6曲、前奏曲とフーガ3曲、変奏曲2曲、その他18曲)
Disc30:歌曲及び二重唱曲(全24曲)

全部の演奏者名を記しませんでしたが、貴重な録音も多く含まれているのがお分かり頂けると思います。
最初のグループの「弦楽のためのシンフォニー」集が、意外に面白い演奏です。通奏低音としてピアノフォルテが使われているのですが、その音色が、まるでハープのように聴こえるのです。・・・オリジナルに果たして通奏低音が指定されてるのかどうかは、楽譜を捜して確認してみたいところです。

当然、まだ殆ど聴けていませんので、順次作品紹介もしていきたいと思っております。

「最初のワルプルギスの夜」は日本語にしてしまうと座りが悪いせいか、日本ではまだあまり聴かれていない気がします。が、メンデルスゾーンの音楽を堪能する上では欠かせない名作です。
弦楽四重奏曲、五重奏曲も、八重奏曲の陰に隠れがちですが、円熟度の高いもので、・・・理屈っぽいドイツ音楽嫌いのかたはどう思われるか知れませんが、彼の構築力を存分に発揮している点、聞き逃すべき作品ではありません。
オルガン作品がこんなにあることには・・・作品表を見れば分かっていたはずのことではあったものの、さすがに圧倒される思いでした。

ひとつ惜しいのは、『無言歌集』は全部は収録されていないのですよね。全貌を知りたければ、これはまた別調達が必要です。

メンデルゾーン作品は、それでも、ロマン派(前期)のドイツにしては「聴きやすい」・「情緒豊かな」ものですから、案外親しみやすく感じて頂けるものと思います。



私はHMVで調達しましたが、輸入盤マルチバイ割引が適用になるように仕入れました。
マルチバイでない場合、4,109円でした。TowerRecordsでは4,390円、AMAZONなら3,990円です。(sergejOさんの記事を参照して下さい。

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2009年1月 2日 (金)

もっと広く! 祝メンデルスゾーン生誕200年

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・・・是非、お目通し下さい。



大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演しています!
http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/sony-play-youcm.html

2009年が記念年のクラシック作曲家の中で、生誕200年とキリのいい有名作曲家は、唯一

メンデルスゾーン

です。

9544e075aaa0c2a4が・・・しかし!
私たちは、彼の作品にどれだけ親しんでいるでしょうか?
彼の人となりを、どこまで知っているでしょうか?

日本語で読める彼の伝記は、幸いにして昨年、
舩木 元「メンデルスゾーンの世界」(文芸社)
が発刊されたようですが(私は未読)、音楽之友社<作曲家○人と作品>シリーズでも予定されていますから、そちらも早く発刊されればいいな、と思っています。

・・・で、それらの書籍に記載されている彼の作品表を見たとき、私たちは、いかにメンデルスゾーンの音楽世界についてはホンの一部しか知らないかを、強く思い知らされることになるはずです。



音楽之友社が上記シリーズを発刊したことで入手できなくなった、1999年同社刊行の翻訳書「大作曲家」シリーズ中の『メンデルスゾーン』(ハンス・クリストフ・ヴォルプス著 尾山真弓訳)を、私は所持しています。それによって、1809年から1847年(38歳)までの生涯に彼が残した主要作品の概要をまとめますと、

・弦楽のためのシンフォニア:12曲
・交響曲:5曲(2番はちょっと特別です。最終楽章がその前の器楽楽章を合わせたよりも長いカンタータになっているからで、私は初めて聴いたとき、仰天してのけぞってしまいました。)
・序曲等の管弦楽曲:9曲
・ピアノ協奏曲類(2台のためのもの、管弦楽伴奏による自由な作品を含む)8曲
・ヴァイオリン協奏曲:2曲
・ヴァイオリンとピアノのための協奏曲:1曲
・重奏曲:弦楽四重奏9、弦楽五重奏2、弦楽八重奏1、ピアノ重奏曲7
・独奏楽器のためのソナタ:ピアノ3、ヴァイオリン・ヴィオラ・クラリネット各1、チェロ2
・ピアノ伴奏の器楽独奏曲:5曲(チェロ2、クラリネット2、バセットホルン1、ハープ1)
・ピアノ曲:無言歌集8巻、その他28作品
・オルガン曲:10作
・オラトリオ:3作(「パウロ」・「エリヤ」・「キリスト(断片)」
・オペラおよびジングシュピール:7作(最後の「ローレライ」は未完)
・付随音楽:4作

・・・その他多数の声楽曲を作っているのですね。声楽曲については、正直言って、私など全く無縁でした(合唱をおやりになるかたはご存知のものも多いかもしれません)ので、数えませんでした。

自分自身が、では、これらのうちのどれだけに接したことがあるかというと、弦楽のためのシンフォニアから数曲(試演のみ。全曲は高校時代には既に聴いたはずですが、全く記憶していません)、交響曲(演奏は3番以降の試演)、ヴァイオリン協奏曲はホ短調の1曲のみ、管弦楽曲6曲(演奏で接したので、アマチュアにしては多い方かと思います)、弦楽四重奏曲は学生時代に試奏を試み、難しくて挫折の経験あり、八重奏曲は同じ頃仲間でお祭りのように何度も遊びでパートを入れ替えたち変え弾いた、無言歌は「春の歌」以外はほとんど知らず・・・という、底の浅さです。ピアノ協奏曲はチラッと聴いたかもしれませんが、印象に残っていません。
・・・この、印象に残っていない、というのが、彼の作品の質の高さに対して、まず「失礼」でありました。

完成したオラトリオの「聖パウロ」と「エリア」はいずれも傑作です。特に、「エリヤ」については、日本人がそれほど、というより全く知らなかった、と言ってもいい時期にサヴァリッシュ氏がN響の記念公演で採り上げ、周りの心配をよそに大成功をおさめたのでしたが(前にも綴ったことがあったと思います)、それももう、忘れられているかなあ・・・



で、私自身がそういう状況であるのも反省し、なおかつ、演奏に加わって来た限りにおいて、彼の
「比類のない透明感」
を感じて来たことを振り返りつつ、今年はこのブログを読んで下さる(数少ないかもしれない)かたとメンデルスゾーンの魅力を、聴く方でも家計の許す限り聴きながら、新鮮な思いで共有できたらいいな、と考えているところです。

生前の彼をいちはやく有名にしたのは、この曲です。

・「真夏の夜の夢」序曲(約12分)
6281ac42d78a44ee
小沢征爾/ボストン交響楽団(1992) ドイツグラモフォン国内盤 UCCG-3516

1826年、17歳にしてこの序曲を(最初はピアノ連弾用に・・・そしてすぐにオーケストレーションしたようですが)作曲したフェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディの名は、1830年にはイギリスを含むヨーロッパ中に知れ渡った、ということです。
シェークスピアの名作戯曲のためのこの序曲は、当初は戯曲全体をイメージして作曲されたのでしょうね。
いま、劇の付随音楽として序曲とセットで演奏される曲の数々は、1843年、34歳のときににプロイセン王(フリードリヒ・ヴィルヘルム4世)の誕生日の祝賀用として付け加えられたものです(全曲の初演は10月14日、ポツダム宮殿にて。このときメンデルスゾーンは王が無神経にカタカタと紅茶の茶碗の音をたてるのに腹が立ったのですが、やっとのことで我慢した、という逸話があります。また、演出者が5幕あるこの戯曲を3幕に短縮する案を出して来たり、当日も時代錯誤のバロック的な舞台衣装を用いたり、音楽が演出に比べて長過ぎるとパントマイムでごまかしたり、と、そのことも不愉快のタネだったようです)。上の序曲を含むアルバムは、吉永小百合さんのナレーションが加わっていることで、私たち日本人がこの一連の作品をよく理解しながら楽しめるようになっています。

生前のメンデルスゾーンにこんなことを言ったら気に入られないでしょうが、この序曲、「フィンガルの洞窟(正式名称はヘブリディーズ諸島)」と共に、交響詩の先駆けとなるような、絵にならない情景の巧みな心象描写となっています。途中に聞こえる「メえー、メえー」という音型は、妖精パックに頭をロバに変えられてしまったボトムという登場人物を象徴しています。

他の作品にも、折りをみて接していきたいと考えております。
とくに、室内楽は自分でもじっくり聴き直したい、もしくは新たに聴きたいものが豊富にあります。
名盤等あれば、是非、ご紹介下さいね。


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