コンサート

2018年2月19日 (月)

楽しかった『初恋』フェスティバル

Hatsukoi 10月にお話しした、素敵なカンツォーネをお歌いになる青木純さん(http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/103bar-9422.html)、じつは日本歌曲を代表する作曲家、越谷達之助の直弟子です。
その作品を紹介する「越谷達之助記念会」主催の演奏会が今年2月18日に4回目を迎える、ということで、拝聴のご縁を得ました。

「『初恋』フェスティバル」と銘打ったこの会、青木さんを中心に、やはり越谷さんの薫陶をお受けになったという山季布枝さんがピアノをお弾きになって、豊富なキャリアを持つ素晴らしいお声のソプラノの新南田(しなだ)ゆりさん、高音域ばかりでなく低い声まで豊かなテノールの今福充さんが、後半に越谷歌曲の見事な歌唱を聴かせて下さる、充実したものでした。

そしてまた、『初恋」で埋められた前半が、また面白く楽しいものでした。
一般オーディションによって参加した3人が、それぞれご自分の初恋を打ち明けさせられたあとで、それぞれの思いを込めて『初恋』を歌ったのでした。
が、実はプログラムに『初恋』の楽譜が挟み込まれていて、個々のかたが歌う前に、お客全員で『初恋」を歌う、というビックリが、開幕早々用意されていたのでした。
素人であるお客向けに、ということではありましたが、全員で斉唱する準備として、越谷さんの直弟子である青木さんが、「越谷さんは、こう思って・考えて・歌う人に感じて欲しくて『初恋』の楽譜を書いたのだ」と、みんなに練習させる合間合間に曲のレクチャーをして下さったのでした。

これが、目から鱗でした!

その話を、少し綴ります。自分の言葉になっているのはお許し下さい。
間違いは多分あとからちゃんと指摘して頂けます。

『初恋』は、ご存知のように、石川啄木の短歌

  砂山の砂に腹這い初恋のいたみを遠く思い出づる日
  (仮名遣いと行替えがオリジナルでなくてすみません)

に付けられた歌曲です。

冒頭のピアノは、まず3小節が4分の5拍子で書かれています。
「これは、波が浜に寄せて来て、くだけるのを表わしている」
のだ、とのご説明。なので、記譜を正直に5拍子等拍で弾くのではないそうなのです。各小節の最後の付点四分音符は、波がくだけてひろがっていく余韻にならなければならない、という寸法。・・・でもまだここは歌ではありません。

歌にはいくつも四分休符がありますが、これがまた西洋的なものではない。
等拍の息継ぎ箇所ではなくて、言葉と言葉の間(あいだ)の、ちょっと観想的な「間(ま)」なのだ、とのこと。ですので、次の言葉の歌い出しまで、歌う人自身にとっては思いを溜めるだけ若干長い感触があることになります。

中間の部分は、これまた叙唱とも言うべきもので、表記は3拍子ですが、お話を受けて歌ってみると、やや自由に、ゆったり歌う感じです。
そして、これがいちばんのポイントでした。
「おもいいづるひ」は普通、ブレスなく一気に歌う方が多く、そういう録音も少なくないようです。
ところが、楽譜には「おもい」と「いづるひ」の間に、はっきり、息継ぎのマークが書かれています。
すなわち、「おもい」でブレスして、「いづるひ」は回想をこめて静かにゆるゆると消えていく歌い方になる、とのことなのです。これは越谷先生が名言なさっていた由。

歌の音型のここかしこに、なにを込めつつ歌うかのヒントがきちんとあって、そこは音型からハッキリわかる、そのままの自然さで歌えば良いことも、青木さんのお話からよくわかりました。

後半最初に、即興の巧みな作曲家、安藤由布樹さんのピアノで、今福さんはイタリア民謡〜オペラ風に、新南田さんはウィーン〜パリ風に、と、『初恋」を愉快なスタイルでお歌いになったのでしたが、しめくくりの青木さんは謡曲〜長唄〜演歌スタイルで面白可笑しくお歌いになりました。面白可笑しい中にも、この日最初にみんなにレクチャーなさったことが、さりげなく盛り込まれていて、笑いながらも納得しました。

前半も青木さんご指導の練習をしたあと会場全員で「初恋』を歌い、会の終わりにもまた全員で『初恋』を歌い、会場引き揚げギリギリまで時間を割いた最後にあがったアンコールになんとか答えて安藤さんと青木さんがまた『初恋』の締めくくりをお歌いになる、『初恋』づくしの充実した会でした。

駄文失礼。

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2018年1月15日 (月)

(ルーナ・キアーラ オペラ公演)プッチーニ三部作

Trittico_2 昨日(2018年1月14日)、誘われて、日暮里サニーホールへプッチーニ三部作の公演を観劇に伺いました。

喜劇の『ジャンニ・スキッキ』以外は、プッチーニならではの、どろどろの悲劇で、プッチーニ苦手な私は
「席についたらずっと目をつぶってるぞ」
と心に決めていたのでしたが・・・
ホールに入って、まあそうだろうとは予想していたものの、シンプルな舞台装置に思いがけず惹かれました。
上手に縄一本の洗濯干し場、下手に背もたれのないベンチ、そして手前にささやかな花壇がしつらえてあって、奥は三段ばかりの簡素なひな壇・・・客席が暗転してからは、このシンプルな装置で、あのどろどろ劇がどう演じられるのか、夢中で見ることになりました。
最初はこの装置で『外套』。
次に物干し場が消え、中央に十字架が浮き上がり、花が増えて『修道女アンジェリカ』。
最後が手前にベッド(ご存知の死体が横たわる)、奥中央に祭壇で『ジャンニ・スキッキ』。
最初の二つは、お芝居としてはインパクトが全般に薄かったけれど、装置が活きる良い演出でした。『ジャンニ・スキッキ』ご出演のかたたちが、演技はいちばんこなれていて、プッチーニ唯一のドタバタ喜劇を見事に演じていらっしゃいました。

主役級をなさった方々は専門家さんでしたが、ご出演の皆さんのプロフィールを見て驚いたのは、この公演をまとめた古河範子さん(『外套』と『アンジェリカ』でプリマドンナもなさいました)が立ち上げた団体「ルーナ・キアーラ」や、指揮をなさった澤木和彦さんのもとで、おそらくはプライヴェートに声楽を勉強なさっている、これまたおそらくは非専門の人たちが出演者の半分弱を占めていらして、しかも皆さんたいへん堂々とした歌いぶりだったことです。

出演者が40+2(指揮者とピアノのかた)名、それにスタッフさん(10人前後?)での運営なのでしょうね。おそらくは限られた予算のなかで、皆さんで力を合わせて作り上げた舞台、500名程度収容のホールを8割は埋めた集客は見事でしたが、1日きりの公演なのがもったいないなあ、仕方ないことなのかなあ、と思いながら時を過ごすこととなりました。

オペラは外国語で上演されるハンデもあり、いわゆる定小屋もなく、上演意欲があっても、この2つが主な理由で、継続上演は難しいものなのかも知れません。
伴奏もピアノ1台。今回の上演でのピアノはたいへんにダイナミックで技術も素晴らしかったのですけれど、せめてこれに弦楽五重奏くらいが加わったら、それだけで彩りが増すだろうになあ、とも思いました。ただしプッチーニの三部作は元のオーケストレーションが基本の二管編成にトロンボーンはバスまで含め4本、5種類の打楽器にハープ他5種の特殊楽器。これをピアノと弦楽五重奏にアレンジするのは至難の業です。

ひとつには、大編成ではない、たとえば『アルルの女』が舞台で演じられたときのビゼーがとった編成くらい(*)が、オーケストラとはいわないまでも、バンドで入るようだったら、音響面での舞台装置が出来るようにも思うのです。ますはそういう小編成で済む作品が、近代以降のものにはない。せめて歌舞伎のような題材でないとお客の関心も引きにくいでしょうから、これがまずネックかな。

そしてもうひとつには言葉。聴くときに耳を惹き付けて離さない響きを、となると、やはり翻訳ではダメだと思うのです。ベアトリ姐ちゃん(*)では続かない。

なにか、オペラも連続興行としてやれる背景作りというものを、作曲家さんでも舞台屋さん(変な言いかた!)でも、やってみられるくらいの面白い人が出て来ないかしら。。。

・・・と、拝聴しつつ頭を駆け巡った夢想はひたすら脱線方向に走ったのでした。

そうだ、私は後ろの方の席にいたのでしたが、右前方に映写されていた字幕が、殆ど読み取れませんでした。4行ずつにまとめられていて、ああ、とても気を使って作り上げたのだなあ、と思いはしたのでしたが、2行くらいの大きな字にして下さったら嬉しかったかも知れません。でも制作のお手間とコストがかなり大きくなるかもなあ。

なんかなんか、いろいろいろいろ胸が膨らんでしまったので、駄弁が長くなりました。

各作品で心に残った歌手の皆さん。
『外套』〜ミケーレをなさったイタリア人のカリオラ・グイードさんは、イタリア人ってやっぱりイタリアンよね、を存分に味合わせてくれました。親方を歌った横山広泰さん、最後は凄みが利いていました。
『修道女アンジェリカ』〜公爵夫人をなさった高橋未来子(みきこ)さん、立ち居振る舞いも歌も堂々となさっていて、あとでロビーで「あの人ホントは若いのよ」「えぇ? そうなの?」と喋り合ってるおばちゃんたちがいたのが愉快でした。
『ジャンニ・スキッキ』は、まずシモーネの藤原啓さんが「老人になった(水戸黄門の家来の)格さん」みたいで好きでした(どういう喩え?)。女性陣も素晴らしかったですが、ツィータをなさった米谷朋子さんの活動的な歌と動きがとりわけ印象深く思いました。
ジャンニ・スキッキをなさった別府真也さんの貫禄が圧倒的でした。
どういうかたなんだろう、と、帰宅してから思わず調べてしまいました。
こちらでページを作られていました。

https://beppushinya.jimdo.com/

ご活躍が楽しみなかたのおひとりになりました。

私が印象に残ったかたは他にも何人もいらっしゃるのですが、ますます駄弁が尽きなくなりますので、これくらいにします。

ご出演・一緒に舞台を作られた皆様が、これからますます豊かな活動を繰り広げて下さることを祈念しております。

*ドーデの戯曲『アルルの女』の舞台音楽でビゼーのとった編成は、フルート1、オーボエ1、クラリネット1、サキソフォーン1、ファゴット1、ホルン1、トランペット1、トロンボーン1、ティンパニ、打楽器持ち替え、弦五部にハープ。最小人数で16人だから・・・ちょっと人数が多いかなあ。

*ベアトリ姐ちゃん関連
https://youtu.be/jJwc2pWOn9w (日本語)
https://youtu.be/uIcpDyqPQgQ  (ドイツ語)

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2017年10月 7日 (土)

歌の本懐〜青木純さんのカンツォーネ(ライヴ 10月3日 青山 Barにて)

歌の本懐は、心の垣根を越え、崩すことではないでしょうか?

人は好むと好まざると、生まれてから死ぬまで社会的な何かを抱え、簡単なことを難しく考え、難しいことを簡単にやりすごしながら暮らします。

歌に心をかたむけることは、そんな暮らしを、ことばの豊かな流れに、ゆうゆうと浮かべる時間を得ることである気がします。
しかもそれは、ひとりひとりが「何を思い、どう考えているか」を超えるのです。

歌うこの人・歌を聴くその人・向こうでリズムを取り出すあの人、それぞれにそれぞれの違った暮らしがあり、どの暮らしも、互いに別々です。なのに、本当の豊かな歌の前では、別々の暮らしが、ただひとつの歌のことばの中に吸い込まれていくのです。不思議さを覚えずにいられません。・・・してみると、究極の歌はブラックホールなんではないかい?

ブラックとは真逆なのが、ラテン系の歌ですね。
蛇足ながら、ブラックホールの色はブラック、というわけではありませんけれどね。(光が無いんだから、無色なんでしょうね。)

極めつけに燦々と輝くカンツォーネを、表参道のバー R40 で聴いて参りました。

ギター片手にお歌いになったのは、イタリア連帯の星騎士勲章の受勲者である名テノールの青木純さん(http://www5f.biglobe.ne.jp/~jun204/stay.html ブラジル移民100周年行事にもご出演なさっていたのですね!)。
家内を亡くして途方に暮れていた頃の僕が、「お寿司屋さんで歌う」とのご案内に魅せられて、子連れで台東区のお寿司屋さんで拝聴してから、確かめましたら7年経っていました。当時高校生だった娘も、中学生だった息子も、お寿司がどんなだったかは忘れてしまっていますが、青木さんのお声はずっと忘れずにいて、ときどき家族で、あのときの楽しくて素晴らしかった時間が会話になっていたのでしたが、世のしがらみを泳ぐ方が先で、青木さんのお歌をもういちど、の機会を見つけかねていました。

最近、ひょんなことで、ようやくチャンスを手にしました。

ワクワクしながら出掛けまして、ほのぼのをかみしめつつ帰宅しました。
男前さはもちろん、とても伸びやかな美声も、調べに悠々と乗る豊かな抑揚も、まったくお変わりのないのには、ただ脱帽でした。

青木さんのご工夫は、主にナポリのカンツォーネ(カンツォーネ・ナポレターナというのだそうです。講座に出てくる普通のイタリア語とは違うのですね)を、日本でなさるときには、ご自身も工夫なさった日本語でワンクール歌って、それからナポリ語で歌って、で、歌の内容が分かるようにして下さるところにあります。意味も分かるけれど、言葉の音が歌に対して持つ響きの違いもはっきり分かる(日本語は高い音に対しては喉声を要求するところがあるのかな、とは、前から漠然と感じていたのではありましたが、高音でも日本語を巧みに処理なさる青木さんの歌唱を拝聴していて、より明瞭に理解できたように思います)。

でも結局、おいしいお酒で酔っぱらっているうちに、ことばがどうの、ということなんか、なんにも考えないで聴いている自分に、ふと気付くのでした。
でもって、分かっていないはずのナポリ語の歌のところで、ついホロッとしてしまっていたのでした。
席をすっかり埋め尽くしていたお客さんも、ノリノリになったり、しんみりしたりしながら、どなたも目をキラキラさせて・・・って、私はいちばん後ろにいたので想像ですが! しかしあの力の入った前のめり体勢では間違いないでしょう・・・聴いていらっしゃいました。

青木さんは6月にナポリで本場もんの人たちを前にしてカンツォーネのリサイタルをなさってこられて、私家盤でいらっしゃるのでしょうか、ネットには出ていなかったのですが、そのときの映像をDVDにしたものをご持参でしたので、それを求めさせて頂きました。そのカヴァー裏には、当のナポリの、ばりばりナポリ人のご夫人が感涙にむせんでいる姿が写っていました。
彼女のそのときの気持ちが手にとるようにわかります。
同じ思いでした。

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2017年9月30日 (土)

素晴らしかった「プラハ」〜紀尾井ホール室内管弦楽団を聴いて

オーケストラが好きで良かったなあ、と思う演奏会を拝聴しました。

環境が必ずしも許さないので、たくさん聴きに行くことは出来ません。たまに、誰かが行けなくなったのを代わりに聴きに行けるようになりましたので、そうしたチャンスに伺うのです。
それが大抵大当たりなので、まあ、幸せです。
紀尾井ホール室内管弦楽団(旧称:紀尾井シンフォニエッタ)も、ときどきそんなチャンスに恵まれて、何度か聴くことが出来ています。
ライナー・ホーネックさんが指揮なさったりヴァイオリンを団員さんといっしょに弾いたりなさるのを聴けたのは、3回目でした。

まさに、三度目の正直でした。

モーツァルト3曲プロの真ん中に置かれた「プラハ」での一体感には、心底埋もれました。
久々に、
「ああ、初めてオーケストラを目の前にしたとき、こんなだったなあ」
との気持ちがよみがえりました。
「プラハ」交響曲は、硬く厳しい序奏で、
「さあ、これから私が歌うのを、心して聴けよ!」
と私たちに向かって気難しく語りかけるところから始まります。
ああ、序奏が終わった、ここからか、と身構えている私たちを、けれども、かっくりコケさせるように、歌はサラサラと柔らかに歌い始められます。
歌はしかも、こちらを正面から見ることなく、エンジン音のしない、軽い二人乗りの乗り物に乗って、ふうわりと浮かび上がるように始まり、そのまま疾駆して行ってしまいます。聴き手は音楽の景色の移り変わりから置いていかれてしまうのです。

「ああ、やられたぁ・・・」
と思っていると、後ろの席に座った老年男子が、連れて来た女性に向かってひそひそ声で、
「これはモーツァルトの仕掛けでね、こういうふうに書かれていてね」
と話しています。
いいから今は黙ってろよ、知ったかぶりをしているあんただって、もうしっかり置いてけぼりを食らってるんだよ、と、ちょっと怒鳴りたい気分でした。
でも自分がこれ以上音楽に置いていかれたくはなかったので、ひそひそ声には耳を塞ぐことにしました。

私自身が、これまでさんざん、この音楽はどういう仕掛けで、ということを追いかけてきました。これからも折に触れてそれをするでしょう。
でも、まさか「いまここで音楽が歌っている・語っている」ときにまで仕掛けがどうのと捕われようとは思いません。そんなことをするのは、自分が進んで音楽の「今」から外れることなのだから、と、今回ばかりは痛切に感じました。

音楽は、鳴っているそのとき、実は必ずしも聴き手を向いてくれてはいません。
演じ手も「お客様に喜んでいただく」ことは大事ですが、もしお客がちゃんと喜ぶとすれば、それは演じ手がむしろご自身のすべてを音楽に向けているから、それをお客である私たちが心底感じられるから、なのではないかな。

「プラハ」のAllegroに入ってからの「お客には目線を向けず一直線」の仕掛けは、楽譜を見れば誰にでもすぐ分かります。ヴァイオリンのテーマがニ長調の主音から始まるにもかかわらず、背景の弦楽の和声が下属和音である(ト長調)ために、五度上に向かっての浮遊感を生み出しているのです。それが序奏部の謹厳なニ長調〜ニ短調と鮮やかな対照をなす、という理屈です。
しかし、理屈は理屈であって、お芝居の脚本だ、という以上のことはありません。
序奏だけを見ればまた、内部では別にひとつの調にとどまっているのではなく、ああだこうだともんどりうっている。さすが「プラハ」と縁があるだけあって、『ドン・ジョヴァンニ』のクライマックスシーンそのものです。オペラ好きでなくてもモーツァルト好きなら、「おお、あそこの『地獄行き』場面が鮮やかに見えるわぃ!」と大喜びしてしまいます。ほんとうはそこで、作曲者の罠にすっかりはめられて、こちらが地獄に落されて、すぐあと、音楽だけが勝手に天に向かって行くのを指をくわえて見せつけられるのですけれど。

そんな「プラハ」に誰がした?

ホーネックさんと紀尾井のみなさんが、でした。

芝居に思い入れるように、交響曲に思い入れが出来たのが、ほんとうに幸いでした。

過去、紀尾井のアンサンブルは必ずしもホーネックさんと一体ではなく、不自然さにくすぶる思いで終演後の席を立っていたものでしたが、それがまったくありませんでした。いま、それ以上のことをうまく言えません。途中、セカンドヴァイオリンがおそらく自主的意図的に「古楽」的な色合いを挟んだようでしたが、古楽的ではないストーリー造りのなかでは果してどうかな、と首を傾げたくらいでした。それもしかし、芝居の色づけとして楽しめた気がしております。

後半にホーネックさんがヴァイオリンでリードをとった「ロドロン第1」ディヴェルティメントでも、紀尾井の皆さんが彼の演奏技術にピッタリ寄り添っていて、味わい深く聴かせてくれました。
最初の「ファゴット協奏曲」は紀尾井にも御所属の福士さんのソロも巧みで名演でした。ただ、これは聴き手の私の好みの問題で、この日に限らず、いま演奏される協奏曲って、なんだか遊びが無くって硬い気がしてなりません。たくさんお出かけのかたは、そうではないものも目の当たりになさっているようで、それは羨ましい限りです。

2017.9.22-23(私は22日を拝聴)
紀尾井ホール室内管弦楽団 第108回定期演奏会
指揮・ヴァイオリン:ライナー・ホーネック
ファゴット独奏:福士マリ子
コンサートマスター:アントン・バラホフスキー

モーツァルト
ファゴット協奏曲 KV.191
交響曲第38番 KV.504(「プラハ」)
ディヴェルティメント第10番KV.247(第1ロドロン・ナハトムジーク)

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2016年12月13日 (火)

【12/23(金・祝)】大井浩明さん〜 バルトーク主要ピアノ曲集+東野珠実新作

んで、やっと記事がアップされました!
待ってました!

大井さんのバルトーク!

バルトークについての詳しい話は、大井さんブログ中の、野々村さんのいつもの名調子で読みましょう。

http://ooipiano.exblog.jp/26223127/

私にとって一番の楽しみは、ピアノ編曲の魔術師、米沢典剛さんによる、バルトークの弦楽四重奏曲編曲です!

米沢さんの編曲は、弦楽やオーケストラの音色・音配置のせいで聴き落としてしまいがちな作品の響きの点・線・面を鮮やかに、しかし驚異的なバランスの良さで、豊かに浮き上がらせます。ぜひたくさんの人に、その素晴らしさを知って頂ければ、と願っております。

東野珠実さん作品には、私は新しく出会うことになります。
上記リンク先のブログを拝読し、こちらもワクワクしています!

日時:2016年12月23日(金・祝日)18時開演
場所:松涛サロン(東京都渋谷区松濤1-26-4)
   JR渋谷駅徒歩8分、井の頭線神泉駅徒歩3分

Takagi 料金:3000円(全自由席) 
   [三公演パスポート8000円]
   12/23(バルトーク)+1/22(ストラヴィンスキー)+2/19(ソラブジ)

お問合せ:合同会社opus55 Tel 050(5849)0302 (10~18時/水木休) Fax 03 (3377)4170 (24時間受付)

ベラ・バルトーク(1881-1945):
ラプソディ Op.1 Sz.26 (1904) 
  Mesto/Adagio - Più vivo - Presto
14のバガテル Op.6 Sz.38 (1908) 

東野珠実:
《星筐(ほしがたみ) IV》(2016)(委嘱新作・世界初演)

ベラ・バルトーク:
アレグロ・バルバロ Sz.49 (1911) 
3つの練習曲 Op.18 Sz.72 (1918) 
ピアノ・ソナタ Sz.80 (1926) 
戸外にて Sz.81 (1926) 
弦楽四重奏曲第4番 Sz.91 〔全5楽章〕
(1928/2016、米沢典剛によるピアノ独奏版・世界初演)
 [Péter Bartók(1924- )による最終校訂エディション(1991/2009)使用]

より詳しくは大井さんブログ記事をぜひご一読下さい。
(再掲)http://ooipiano.exblog.jp/26223127/

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2016年12月11日 (日)

【12月24日14時〜】東京ムジークフロー無料演奏会!

えっと。まだ他にもあるんですけど・・・
自前の宣伝をまだしていませんでした。

所属アマチュアオーケストラ、東京ムジークフローの演奏会、無料です!
12月24日であります!
こちらも是非いらして下さいね〜無料ですからね〜(くどい)

耳になじみのある古典曲ばかりですが、現代音楽好き好きな人にもきっと面白い、ベートーヴェンの第8もやりますから〜。

Tmf161224
日時:2016年12月24日(土)14時開演
料金:無料! タダ! タダほど高いものはない!!
場所:江東区文化センターホール
   東京メトロ東西線「東陽町」1番出口より徒歩5分
   (東京都江東区東陽4-11-3)
曲目:ウェーバー「魔弾の射手」序曲
   ベートーヴェン 交響曲第8番
   ビゼー「アルルの女」〜組曲を劇場版配列に並び替えて
       (ストーリー字幕付き)

Koutoukubunka



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2016年12月 7日 (水)

【12月25日】「クリスマスの日に」コンサート(Vn. Sax, Pf.)

で、もうひとつ。

私の大好きなヴァイオリニスト、齋藤友美賀さんとそのお友達による、楽しいクリスマスコンサートがあります!

・・・といっても、予定曲を拝見しますと、「いかにもクリスマス!」ではなくて、ムードがクリスマスにピッタリ、の、いい選曲。

サウンドも、ヴァイオリンとサックスとピアノという、もう組み合わせをきいただけで「渋いぢゃないか〜〜〜♪」な大人好み。

大人好みだなんて言っちゃったらそれもまたちょっと違うのでありまして。
大人になりたい子どもには大人心をくすぐります。
子どもの頃が懐かしい大人の童心もくすぐります。

デートのかたも。
ひとりのかたも。

いいクリスマスを過ごしましょ♪

ヴァイオリン:齋藤友美賀
サキソフォン:宮澤 勝美
ピアノ   :吉川純美

お問い合わせ先は、チラシ写真をご覧下さいね!

日時:2016年12月25日(日)13時30分開演
料金:2,500円(高校生以下1,500円)
場所:タワーホール船堀小ホール
    ・新宿駅より「都営新宿線」にて本八幡方面へ約30分。
     船堀駅下車、徒歩約1分。
・東京駅より「JR総武快速線」馬喰町駅にて乗換。
     馬喰横山駅から「都営新宿線」で船堀駅下車、徒歩約1分。
     http://www.towerhall.jp/4access/access.html#bycar

Tei5big

プログラム
 ・ピアソラ:ブエノスアイレスの四季
 ・J.S. バッハ:主よ、人の望みの喜びよ
 ・クライスラー編:ロンドンデリーの歌
 ・リスト:ラ・カンパネッラ
 ・ミヨー:スカラムーシュ

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2016年12月 5日 (月)

【12月28日・29日】ロザリオのソナタ全曲演奏会

ビーバー「ロザリオのソナタ」全16曲をご存知ですか?
1作1作のソナタで、ヴァイオリンがぜんぶ違う調弦をする、面白い作品です。
しかも、そえれによってデリケートに音色が変わる。

本格的に全曲を聴くチャンスは、まずありません。

*ヴァイオリンって、ホントはどんなおとがするのか・・・
*でもってリュート(テオルボっていうでっかいやつ)でどんな色気がつくのか・・・(あ、この言いかたはバチが当たる!)
*それをまたオルガンがどんなふうに輝いて包み込むのか・・・

詩篇の朗読付きです。
年始を前に心を浄めたい私も行きます!
あなたも、是非、耳にして下さい!

2日間ありますが、1日だけでも、2日間でも、一聴の価値はあります。
というか、聞き逃してはなりません!

作品の詳しい情報は、こちら。
http://ur0.biz/A9fn
http://ooipiano.exblog.jp/26195089

日時:12月28日 18時30分〜
   12月29日 18時30分〜
場所:カトリック末吉町教会(横浜市中区末吉町1−13)
 [京急線・日ノ出町駅出口から徒歩約4分/
 黄金町駅出口から徒歩約7分/
 ブルーライン伊勢佐木長者町駅6B出口から徒歩約8分]

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朗読:濱田壮久神父
バロックバイオリン:阿部千春
オルガン:大井浩明
テオルボ:蓮見岳人

料金:一回券 5,000円(学生4,000円)
   通し券 8,000円(学生7,000円)

【申し込み・問い合わせ】
03-6411-1997
yurikaviolin[at]kvj.biglobe.ne.jp (辻) 
メールは[at]を置き換えてご利用下さい。

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【12月11日(日)】GTB TRIO CONCERT

さて、いくつかご案内すべきコンサートがあるのですが。

私たちの団の名人団員、久保美亜さん
団を応援して下さる新藤悠衣さん
そして、なんでこんな超名人な!?!?の荒巻淳さんによる
フルートトリオコンサート。

ゲストの本瀬正弘パパが、また素敵な食通で音色もすてきなんですよ。

ぜひ、お出かけ下さい!

日時:2016年12月11日(日)14時開演(13時30分開場)
場所:かん芸館(167-0051 東京都 杉並区荻窪3-39-14)
   http://kangeikan.jp
   JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅南口より徒歩7分
料金:1,500円(ドリンク付き!)

チケット申込先はチラシ画像をご覧下さい♪

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地図
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2016年11月20日 (日)

【11月23日(祝)】大井さんのアイヴズ!

とても残念なことに、私は身内の行事と重なって行けないのです。(;o;)

大井さん自身が、とても楽しい演奏会になるかも、と仰っています。
藤井さんの新作も面白そうです!
ぜひお出かけ下さい!

11月23日(水・祝) アイヴズ全ピアノソナタ+藤井健介新作 (その1)
http://ooipiano.exblog.jp/26147442/
(↑詳細・解説はこちらの大井さんブログをご覧下さい。)

18時開演(17時半開場) 松涛サロン

3000円(全自由席) [3公演パスポート8000円 5公演パスポート12000円]
【お問合せ】 合同会社opus55 Tel 050(5849)0302 (10~18時/水木休) Fax 03 (3377)4170 (24時間受付) http://www.opus55.jp/

■チャールズ・アイヴズ(1874-1954): スリーページ・ソナタ(1905) 約8分
  Allegro moderato - Andante - Adagio - Allegro / March time

■チャールズ・アイヴズ:ピアノソナタ第1番(1902/09)  約45分
  第1楽章 Adagio con moto - Andante con moto
  第2楽章  Allegro moderato (第1節 [IIa]) - Allegro 「宿の中で」(第2節 [IIb])
  第3楽章 Largo - Allegro
  第4楽章  (Allegro) [IVa] - Allegro/Presto [IVb]
  第5楽章  Andante maestoso - Allegro

■藤井健介(1979- ):《セレ Sèlèh》 (2016)(委嘱新作・世界初演)  約4分

■チャールズ・アイヴズ:ピアノソナタ第2番《マサチューセッツ州コンコード 1840~1860年》(1909-15)   約45分
  第1楽章 〈エマスン〉
  第2楽章 〈ホーソーン〉
  第3楽章 〈オルコット親娘〉
  第4楽章 〈ソロー〉

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