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2017年9月 7日 (木)

【音楽史読書】3.旧約聖書(史書)の音楽世界

シュメル〜古代エジプトのあと、『旧約聖書』から音楽の風景を書き出していました。
いま、中身の解釈までは及ばないのですけれど、やったのを忘れないうちに、掲載だけしておきます。

いわゆるモーセ五書を含む律法の書は、年代の所属が不明です。また、本当は「詩篇」に豊かな音楽風景が展開されているのですけれど、これも年代の幅が分かりません。預言書関係は多少は年代が新しくなるかもしれませんし、その性質上、内容は「どんな場面で何が」ではなく思想的な色合いの方が強いかと思います。
岩波文庫で『文語訳旧約聖書 Ⅱ 歴史』(33-803-5 2015年第1刷)にまとめられているあたり(エヅラ書、ネヘミヤ記、エステルの書を除く)は、いちおうは統一王国時代から南ユダ王国の滅亡(紀元前931〜紀元前586)までの間にはなされた何らかの記録を元に編纂されたものと仮定できるかと考えますので、この範囲で抜き出しを試みました。(長谷川修一『聖書考古学』などを参考にしました。中公新書 2205)

楽器などの名称を指す語は本当はヘブライ語と対照できることが望ましく、いまはweb上でもやろうと思えば可能なのですが、ヘブライ語を勉強しきっていませんので他日を期します。

音楽の場面は先の『文語訳旧約聖書 Ⅱ 歴史』から拾い出し、該当部分の口語訳の抜書きは講談社版聖書、昭和55年の訳文によりました。各書名はこの2つのテキストのものを併記しました(どちらが先かは決まっていません)。拾い落しはご容赦頂くとともに、ご示唆ご教示をまちます。

メソポタミア的なもの、エジプト的なものが混在しているのが興味深く思われます。


ヨシュア記
第6章3~5
「兵士たち、勇ましい勇士たちはすべて(エリコの)町を一周して取り囲め。六日間引き続きそうせよ。七人の祭司は雄羊の角のらっぱ七つを聖櫃の前に持参せよ。民は七日目に七度町回り、祭司たちはらっぱを吹き鳴らせ。雄羊の角のらっぱが絶え間なく鳴り渡るのを耳にしたら、そのとき民はすべてとどろくようなテルワの声をあげよ。そうすれば城壁は崩れ落ち、民は突き進んで攻め入ることが出来る」。


士師記(判事の書) 
第5章1
その日デボラとアビノアムの子バラクはこう歌った。[デボラの歌]~歌い手と合唱が唱和するのは、ベドウィンの風習に残る由。
第6章34
彼(ゲデオン)が角笛[ラッパ]を吹くとアビエゼル族は彼のもとに集まった。
第7章8
ゲデオンは民からかまと角笛を集め、イスラエルの民をおのおのの幕屋に帰らせ、三百人だけを残した。
同16
彼は三百人を三つの隊に分け、みなの手に角笛とかまを渡した。
同18
「私とともにいる者は角笛を吹く、そのとき、おまえたちも敵陣のまわりを囲み、角笛を吹き、〈主のため、ゲデオンのために〉と叫びを上げよ。」
同19
ゲデオンとその連れの百人は、真夜中の番兵の交替するときに敵陣の前線に着き、角笛を吹き鳴らし、手に持つかまを打ち割った。三つの隊は同時に角笛を吹き、かまを割った。彼らは左手で(かまの中に入っていたたいまつをつかみ、右手に角笛をとって吹き、こう叫んだ、「主のため、ゲデオンのために」。
第11章34
エフテ(イェフタ)はミズバの自宅に帰ってきた。そのとき太鼓の音とともに踊りながら迎えに出たのは、彼の娘であった。


サムエル前書(サムエルの書上)
第16章23
神の霊がサウルを襲うとき、ダビド(ダビデ)は竪琴を取って弾きながら歌った。そうするとサウルは心が安らかになって落ち着き、悪霊も離れ去るのだった。
第18章6
ダビドがペリシテ人をやっつけて一同とともに帰ってくると、イスラエルの町々から女たちが踊りながらサウル王を迎えに出てきた。太鼓をたたき歓声をあげを鳴らして歌いながら
同10
その翌日から下った悪霊がサウルに取りつき、家の中で気が狂ったようになったので、ダビドはいつものように弾き歌いを始めた。
第19章10
さて人間にまさる悪霊がまたサウルを襲った。彼は手にやりをもって家におり、ダビドは竪琴弾いて歌っていた。


サムエル後書(サムエルの書下)
第1章17~18
次にダビドはサウルとその子ヨナタンのために嘆きの歌を歌い、この歌をユダの子らに教えよと命じた。ゆえにその歌は義人の書に書き残された。~義人=王の勇士(ウガリトの文献にある由)
第6章16
ダビド王が主の前で踊ったりはねたりしているのを見て、ミカルは心の中で彼を軽蔑した。
第15章10
角笛のひびきを耳にしたら、〈アブサロムはヘブロンで王位についた〉と言え」。
第18章16
ヨアブは軍隊にイスラエル追撃を中止させようと角笛を吹かせた。
第20章1
たまたまそこにベニヤミン族ビクリの子でシュバという名の無頼の徒がいた。彼は角笛を吹いて言った。「われわれにダビドと分ける分け前はない。われわれにはエッセの子と分ける遺産はない。イスラエルよ、おのおの自分の幕屋へ行け」。
同22
ヨアブは角笛を吹いた。皆は町を去ってそれぞれの幕屋に引き揚げた。


列王の書(列王紀略)上
第1章39~40
角笛は鳴り、人々は「ソロモン王万歳」と歓声を上げた。人々はソロモンに従って踊りをまじえながら[文語訳旧約聖書では「笛を吹き」]町に上り、喜びに身をゆだねた。
同41
ヨアブは角笛を聞きとがめ、「なぜ町じゅうがこんなに騒いでいるのか」と言った。
第5章12(文語訳旧約聖書では第4章32)
彼(ソロモン)は三千の格言(箴言)を説き、一千五百首にのぼる歌を作った。


列王の書(列王紀略)下~特に見出せず。


歴代の書(歴代志略)上
第6章16~17[文語訳では31~32]
聖櫃が安置されたのち、ダビドが主の家における歌の指揮者として立てた人々は次のとおりである。ソロモンがエルサレムに主の神殿を建てるときまで、彼らは出会いの幕屋のまえで歌の奉仕をした。この任務をはたすにあたって、彼らは定められた規則に従っていた。
第9章33
レビ族の族長にあたる歌い手は次のとおり・・・。彼らにはほかに任務はなく、ただ昼夜このつおめを果たさなければならなかったので、神殿の部屋に宿泊していた。
第15章16
ダビドはレビ人の氏族長たちに、歌い手の兄弟たちもおのおの楽器すなわち、竪琴六弦琴シンバルで準備を調え、声を上げて祝いをするように命じておいた。
同19~22
歌い手のヘマン、アサフおよびエタンは青銅のシンバルを鳴らす役目であった。ザカリア、ヤジエル、シェミラモト、エヒネル、ウンニ、エリアブ、マセヤとベナヤは竪琴女声[原典の意味不明、文語訳では「細き音」]を出し、マティティア、エリフレウ、ミクネヤ、オベド・エドム、エイエルとアザジアは調子をとって八度音程の六弦琴をひく役目であった[文語訳では「をもて太き音を出して拍子をとれり」]。レビ人のかしらの一人ゲナニアは演奏を指揮していた。彼は豊かな能力の持ち主だったので歌を指揮する役目であった。
第16章5
・・・彼らは竪琴六弦琴を弾き、アサフはシンバルをならし、祭司ベナヤとヤハジエルは神の契約の櫃の前でらっぱを吹き続けていた。その日、ダビドはアサフとその兄弟たちに次のような主へのほまれの歌を初めて歌わせた。[→詩篇105、96、101]
第23章3~6
レビ人の調査されたのは満三十歳以上のもので、一人ずつ数えられた男の合計は三万八千人であった。・・・あとの四千人はダビドが賛美のために作った楽器で主を賛美するつとめであった。


歴代の書(歴代志略)下
第5章12~
歌い手のレビ人たち、つまりアサフ、ヘマン、エドトンおよび彼らの子らと兄弟たちからなる聖歌隊はすべて亜麻布を着て、手にシンバル竪琴六弦琴を持ち、祭壇の東側に立っていた。彼らのかたわらにはらっぱを吹き鳴らす百二十人の祭司がいた。らっぱを吹き鳴らす者と歌い手ただ一人の人のように声をそろえて演奏し、らっぱシンバルすべての楽器を響かせて主をほめたたえ・・・
第20章21
それから王(ヨザファト)は民と相談して主の歌い手詩篇の歌い手を定めた。彼らは祭服をつけ、勢ぞろいした軍隊の先頭に立ち、「主をたたえよ、その慈しみは永遠」と声高らかに歌った
第23章13
王(ヨジア)は入口に近い柱のそばに立ち、長官たちとらっぱ手がそばに従い、地の民もらっぱを吹き鳴らしながら、無上の喜びにひたり、歌い手楽器に合わせて歓呼の音頭をとっていた
第35章25
そのときエレミアはヨジアのために哀歌を作った。すべての歌い手たちはヨジアについてのこのような悲歌を今日に至るまで歌っており、こうするのはイスラエルでのならわしとなった。

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