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2016年11月25日 (金)

モーツァルトのミサ曲(全体像)

10代の頃、モーツァルトのミサ曲を伴奏するオーケストラに加えてもらったことは、私にとって幸せな思い出の一つです。

ただ、2度ほどそんな機会があったはずなのですけれど、「小クレドミサ」と、もう一つはどれだったのか、思い出せません。ニ長調のミサ・ブレヴィスだったような気がします。

モーツァルトのミサ曲は、レクイエムを除き、未完のハ短調を含め16作品あります。別に疑作とされるものが1作あります。

それぞれへの感想などは、世の中にあまたいるモーツァルト・ファンが、既にたくさん述べているでしょう。
しかしながら、ほとんどすべてが、25歳までにザルツブルクという特定の空間のために書かれたものであるせいか、または宗教音楽であるという特異性の故か、注目度は高い方ではないかも知れません(文庫クセジュに入ったド・ニの『モーツァルトの宗教音楽』はよく読まれていますけれど)。

実のところ、ミサ曲はじめ、キリスト教、とくにカトリックの、時代を超えて共通したラテン語歌詞に繰り返し音楽がつけられてきた、ということ自体が、世界では、かなり特異なことに属します。しかしながら、クラシック音楽では珍しくない曲種なので、クラシック音楽ファンには、その特異さが意識されることは薄いかと思います。

もとより私がミサ曲の歴史に詳しいわけでもなく、モーツァルト一人の作例からミサ曲というものの特異性が浮き彫りにしきれるわけでもなかろう、とも考えます。
それでも、幸いにして他の作曲家のだれよりも楽譜を通じてその創作の全貌を見ることに恵まれている、モーツァルト作品を素材にして、この点を考えてみるのは、ちょっと面白い作業になるのではないか、そんな気がした次第です。
10代で演奏に参加した日の、胸打たれた記憶を呼び戻したい、との思いもあります。

少し、お付き合いいただけたら、うれしく存じます。


手始めに、モーツァルトのミサ曲の規模について、一覧表を作ってみました。
今回は、これをご覧下さい。(クリックで表全体が見られます。)

モーツァルトの作曲したミサ曲は、研究者によって3種に分類されています。
*ミサ・ソレムニス(Sと略す)
*ミサ・ブレヴィス(Bと略す)
*ミサ・ブレヴィスソレムニス(BSと略す)〜表作成時に誤ってソレムニスブレヴィスとしてしまいましたが、ご容赦下さい。
です。

Mozartmessen_2

表から分かりますとおり、ミサ・ブレヴィスとミサ・ブレヴィスソレムニスは、全体も各章も、小節数に殆ど差がありません。

ミサ・ブレヴィスソレムニスは、実は、管弦楽の編成がミサ・ソレムニス並みに大きく、それにもかかわらず、音楽内容の面ではミサ・ブレヴィスと同等であるため、こんな分類をされたものであって、モーツァルト特有のものです。なぜそんなものをモーツァルトが書いたか、は、伝記にお詳しいかたには容易に察しがつくことでしょうから、今は述べません。曲の内容のうえで、ミサ・ブレヴィスと区分されうるものであるかどうかは、今後探っていきましょう。

ミサ・ソレムニスの各章は、ミサ・ブレヴィスと単純比較してはいけないのかも知れません。アグヌス・デイ(アニュス・デイ)を除く各章とも、1曲ではなく、詞章を数曲に分けて作曲されるものだからです。それでも、この種類のミサが、モーツァルトにとって作例のいちばん多いミサ・ブレヴィスの、ほぼきっちり2倍の長さとなっているのが見ていただけるだけでも、表の意味があるでしょう。また、1773年を下限にモーツァルトがミサ・ソレムニスを作曲していないところも・・・これまた伝記にお詳しい方には「やっぱりそうだったんだねぇ」とほくそ笑まれるでしょうが・・・特徴的です。

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