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2016年8月

2016年8月18日 (木)

【大井浩明さん】8/20 ストラヴィンスキー特集+中田粥新作初演

大井さんの面白さは、一回で一発勝負をかけて網羅的にやってしまうところから生まれてくるのかな、と、ずっと思っています。
しかも、一人の作曲家を採り上げる時、基本的には作曲された年代順にやる。
チクルスで、数回に分けてやる、というなら世の中にあまたの演奏会がありますし、大井さん自身も、長い作品の続く場合(ベートーベンのソナタ全曲だったり、メシアンの諸作品だったり)にはチクルスになるのですけれど、1日、1回の演奏会でやりきれる分量だとご判断なさった場合は、ちょっとくらい長時間に及んでも、1回にぎゅっ、とつめこんでしまう。

そのことで、対象が古い時代であっても新しい時代であっても、数回に分けたのでは絶対に浮かび上がらない、「その作曲家のアイディア」が、くっきりした浮き彫りに仕上げられる。

そうした中で圧倒されていると、突然、紗を織るような演奏が現れたりして、それが初めて聴いた「現代音楽」の場合でも、ついうろたえ、強く印象づけられるのです。

これって何なんだろう、と、今でも不思議に感じます。

大井さんが関西での重要な活躍場所にしていらした「山村サロン」で、東京では聴けない大井さんをいつか聴いてみたい、と願っていたのでした。
この8月は、もしかしたらチャンスがあるかも、だったのですが、残念ながら身内の予定が組まれてしまい、かなわないことになりました。

重ねて、今回行けないことが悔やんでも悔やみきれないのは、「山村サロン」が8月31日で閉館となってしまうことです。
30年間ここを運営なさってこられた山村雅治さんの「始業の頃から30年という歳月をひとつの節目と考えて」いらしたことによるご決断ですから、いた仕方ありません。
(「レコード・コンサートや読書会など 小規模なものは場所を替えて続けていきます」とのことです。)
こちらをご覧頂ければ分かるとおり、「山村サロン」は閉館をお決めになった今年になっても、関西の重要な文化活動拠点であるだけに、本当に惜しまれます。
http://www.y-salon.com/event.htm

Yamamuramap

大井さんは20日に「ストラヴィンスキー特集+中田粥新作初演」、26日に「一柳慧 個展」(一柳さんのプレトーク有り)で山村サロンに出演します。

後者は金曜日ですので、土日休みの関東のサラリーマンには20日がラストチャンスかな・・・

お出掛けになってみてはいかがでしょうか?

20日の方のプログラムを、そのままコピペで載せておきます。
http://ooipiano.exblog.jp/25870367/


8/20(土) ストラヴィンスキー特集+中田粥新作初演 (その1)

連続ピアノリサイタル in 芦屋 2016 《先駆者たち Les prédécesseurs》

山村サロン (JR芦屋駅前・ラポルテ本館3階) 芦屋市船戸町4-1-301 http://www.y-salon.com/
チケット:全自由席 前売り¥2500 当日¥3000
予約/問い合わせ: 山村サロン 0797-38-2585 yamamura[at]y-salon.com
後援/一般社団法人 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

c0050810_10102442.jpg【第三回】2016年8月20日(土)午後6時開演 (午後5時半開場)

●イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971):スケルツォ(1902) 2分
:4つのエチュード Op.7 (1908) 8分
  I. Con moto - II. Allegro brillante - III. Andantino - IV. Vivo
:バレエ音楽「火の鳥」より3つの場面(1910)〔グイド・アゴスティ(1901-1989)による独奏版〕 12分
  魔王カスチェイの凶悪な踊り - 子守歌 - 終曲
:ペトルーシュカからの3楽章(1911/21) 15分
  ロシアの踊り - ペトルーシュカの部屋 - 謝肉祭
:ドイツ人の行進曲の思い出(1915) 1分
:3つの易しい小品(1915) 4分
  行進曲 - ワルツ - ポルカ
:子供達のワルツ(1917)  1分

  (休憩10分)

●イーゴリ・ストラヴィンスキー:交響詩《夜鶯の歌》(1917)(作曲者による独奏版、日本初演) 21分
  故宮の祭礼 - 二羽の夜鶯(本物の夜鶯と機械仕掛けの夜鶯) - 皇帝の病気と快気
:11楽器のラグタイム(1917/18)(作曲者による独奏版) 4分
●モデスト・ムソルグスキー(1839-1881):《ボリス・ゴドノフ》序幕より民衆の合唱「なぜ我らを見捨てられるのか、我らが父よ!」(1869/1918)(ストラヴィンスキーによる独奏版、日本初演) 1分
●イーゴリ・ストラヴィンスキー:ピアノ・ラグ・ミュージック(1919) 3分
:管楽器のシンフォニー集――C.ドビュッシーの思い出に(1920)(アルトゥール・ルリエと作曲者による独奏版、日本初演) 8分

  (休憩10分)

●中田粥(1980- ):ピアノとエレクトロニクスのための《Pieces of Apparatus I》(2016、委嘱新作初演)  10分
●イーゴリ・ストラヴィンスキー:5本の指で(1921) 8分
  I. Andantino - II. Allegro - III. Allegretto - IV. Larghetto - V. Moderato - VI. Lento - VII. Vivo - VIII. Pesante
:ピアノ・ソナタ(1924) 9分
  I. - II. Adagietto - III.
:イ調のセレナード(1925) 12分
  頌歌 - ロマンス - ロンドレット - 終止曲
:タンゴ(1940) 3分
:仔象のためのサーカス・ポルカ(1943) 4分

c0050810_10114396.jpg中田粥:ピアノとエレクトロニクスのための《Pieces of Apparatus I》(2016、委嘱初演)
  この作品ではピアノを、振動を発生させる装置と捉え直す。楽器とはそもそも振動を聴覚化させる装置であって、音楽は振動が聴覚化した一つの現象にすぎない。そして譜面とはその現象を再現するためのものであるが、実際の演奏で再現されること自体は確率の問題である。この作品は楽器を装置と捉え直すことによって音楽の持つ、振動する現象という部分のみを抉り出す試みである。

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「魔弾の射手」序曲〜C.クライバーのリハーサル(3)展開部・再現部

1970年、カルロス・クライバー40歳の時の「魔弾の射手」序曲リハーサル1回目映像(当時の南ドイツ放送響 )の内容、3回目(最後)の掲載です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00008Z6VA

(【序奏部】【呈示部】

譜例はウェーバーの自筆譜によります。
↓ここにあります。
http://imslp.org/wiki/Der_Freisch%C3%BCtz,_Op.77_(Weber,_Carl_Maria_von)

各箇条の数字は小節番号です。

【展開部】
159から~1つ1つの音符を確実に、細かい音が流れないように、すべての音をつかまえて。部分にもよるが、そう弾けることを見せて下さい。
165〜166:165の3つ前の八分音符からの弦は遅れる。管は(拍裏の)8分音符を明確に丁寧に
159170
(159〜170小節)

181〜190:基本的にピアニッシモなので勘違いしないで下さい。「亡霊が彼を瞬く間に暗闇で包み込む」部分ですからね。(181〜2の)フルートだけが強いままでいいんです。(その後)クラリネットとオーボエの入りだけがフォルテで、それ以外はピアニッシモで緊張感を保って
同箇所、チェロは最初の四分音符が短くならないように。その後が少し遅れて聞こえる(ので気をつけて)。八分音符4つを少し速めに弾いて、最初の四分音符は短くしないように。

「幽霊の存在を信じますか?」
「はい」
「よかった この曲には大切な要素だから・・・この曲の間だけでも信じて下さい」

同箇所:機会仕掛けの幽霊だと思って、時計のように正確な動きで(でないと管楽器をうまく乗せられない)。管楽器は自由に。
181185
(181〜185小節)

189〜190でのアチェランド気味の箇所が崩れることについて〜「私が手を出さない方が良いようです。指揮ではなく音楽自体が流れを作るから」
190〜:オーボエの問いかけに、トロンボーンは何も答えない。・・・今度は控えめに問いかけるが、(トロンボーンは低く小さく決然と)nicht!。弦の伴奏は相手を良く聞くように。
188201
(188〜201小節)

211〜:第1ヴァイオリン〜(オーボエといっしょに)答えを求めるように
213〜218:ピアノとピアニッシモの違いをうまく出すように
211221
(211〜221小節)

【再現部】
219からのクラリネットは、冷酷で頑強で融通の利かない地獄の掟を思わせる雰囲気がまだ足りないな。音楽で情景を描き出して。

229〜232はアチェルランド。呈示部の時より速くなる。指揮に従うのではなく、涌き上がるといいですね。皆が盛り上がって先に行くのなら、無理に抑えたりはしません。
229232
(229〜232小節)

(ここまで)

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2016年8月17日 (水)

「魔弾の射手」序曲〜C.クライバーのリハーサル(2)呈示部

1970年、カルロス・クライバー40歳の時の「魔弾の射手」序曲リハーサル1回目映像(当時の南ドイツ放送響 )の内容、2回目の掲載です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00008Z6VA

(前回掲載の序奏部こちら

譜例はウェーバーの自筆譜によります。
↓ここにあります。
http://imslp.org/wiki/Der_Freisch%C3%BCtz,_Op.77_(Weber,_Carl_Maria_von)

各箇条の数字は小節番号です。

【呈示部】

57〜60:第1ヴァイオリン、トゥッティの直前はクレッシェンドの余地を残して(60小節1拍目裏から第2ヴァイオリンにも同じ音を弾かせることにした〜再現部も同様)
5760
(57〜60小節、弦楽器)

53〜60:「『天空が闇夜に変わり、嵐が来て、大地は炎を吹き上げる』〜漆黒の闇」漆黒の中の漆黒!(団員笑う)
5356
(53〜56小節、弦楽器)

61〜:低弦も軽く弾まないように、重々しく(上行音型)
6168
(61〜68小節、弦楽器)


93:ホルンのアウフタクトが聞こえない。聞こえるように。
96:クラリネットがソロではいるところは、絶望的な感じを出してほしい。表現に集中するあまり声が雑になる歌手のようにはならず、しかし心の叫びの表現は忘れない
103〜104:(伴奏の)クレッシェンドは控えめに
92106
(92〜105小節、クラリネット・ホルン)

109〜:(第2ヴァイオリン、チェロ)クラリネットへの気配りが足りない。伴奏がソリスティックでがっしり聞こえすぎる。1拍目はアクセントをつけず、3拍目もわずかなアクセントで、ソロに同調するように。クラリネットとの連携を大切に。ソロをよく聞きながらついていって下さい。
115〜119:ピチカートの動きが速い。少し待つように(ここは舞台上の場面転換です・・・気持ちの上でね)
109122
(109〜122小節 オーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴット〜ファゴットの方が下に記譜されている〜・弦楽器)

145以降:第1ヴァイオリンはスラーのついた八分音符が滑らないように
145152
(146〜153小節、第1ヴァイオリン)

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2016年8月16日 (火)

「魔弾の射手」序曲〜C.クライバーのリハーサル(1)序奏部

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カルロス・クライバーには「魔弾の射手」全曲録音の他に、序曲を南ドイツ放送響 (現:シュトゥットガルト放送響)とリハーサルした映像があります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00008Z6VA
1970年、カルロス40歳の時のもので、DVDには2回分おさめられていますが、1回目の内容を譜例とともにあげておきますので、どうぞ演奏のご参考になさって下さい。譜例でスペースを取りますので、2、3回に分けて掲載したいと思います。

譜例はウェーバーの自筆譜によります。
↓ここにあります。
http://imslp.org/wiki/Der_Freisch%C3%BCtz,_Op.77_(Weber,_Carl_Maria_von)

今回は、序奏部分。各箇条の数字は小節番号です。

【序奏部】
1:出だしが早すぎる(タクトを置いてすぐに音が出たとき)〜コンマ3、4秒くらい待って出たのを「Ja」とする。
3:第1ヴァイオリンの旋律は2回目がピアニシモだから弱くし過ぎないで。2回目で「希望の火が失われる」
長めのクレッシェンド(1〜2)も1回目に出し過ぎないで。2回目(5〜6)で倍にする。

1
(1〜8小節)

15〜16:ホルン3番、ここでブレス必要?(ブレスしてほしくない)〜その後、奏者は16小節まで吹いてブレスするようにしている(楽譜は1・2番がin F、3・4番がin Cです。)
1516
(15〜17小節、ホルン)

22:低弦が強すぎる
25:(ホルンの)旋律の終わりは1拍目だが弱く
2225_2
(22〜25小節、ホルン・弦楽器)


31:クラリネット頑張って。(33小節目の2拍目ではっきり出るよう指示している)〜この写真のいちばん上がクラリネット。
31
(31〜36小節)

・・・続く。(【呈示部】

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