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2016年4月

2016年4月30日 (土)

リスト「前奏曲」スコア解説から

恐れ多くも私も所属させていただいておりますアマチュアオーケストラ、東京ムジークフローが、来る6月12日(日)に杉並公会堂で第53回の定期演奏会をやるのですが(後日改めてご案内申し上げます)、その中でフランツ・リストの『前奏曲 Les pléludes』を演奏致します。
で、勉強用にEditio Musika Budapestのスコアを買っていたのですが、その解説文がなかなかに面白いのです。
非力ですのでためらっておりましたが、非力ですのでとりあえず最初の1ページ8行分(英訳部分)を翻訳してみました。誤訳もあるかと思いますので、お気づきのときは何卒ご教示宜しくお願い申し上げます。
続きは時間があればやりますし、なければあきらめます。(;o;)

以下、本文。


リスト「前奏曲」スコア 前書き 1996年 Rena Charnin Mueller
(ニューヨークで書いているので英語部分がオリジナルなのでしょうか?)

Emb EMB (Editio Musika Budapest)

p.14からp.15の8行目まで

 リスト文献中で最も興味をそそられる疑問の数々のうちのひとつは、『前奏曲 レ・プレリュード』の淵源に関するものである。はたして『前奏曲』は自立した交響的作品でプログラムをラマルティーヌの同名の詩に依拠したものなのか? それともリストが1840年代半ばに書いた合唱曲集『四大元素』[注:未出版、管弦楽伴奏を1848年に完成の由]の交響的な前書きとして着想されたものなのか? この疑問は標題音楽の性質、19世紀音楽美の発生の問題の核心に触れるものである。ある作品のタイトルからどれだけのものが引き出せるのだろうか? 作曲者の付けたタイトルがその聴き手に何程の意味をもつものなのか?
 この疑問にはこんにち明確な答えが出されている。『前奏曲』はまずジョセフ・オートランjoseph Autran(1813-1877)のテキストによる合唱曲集の交響的序曲として生み出されたのであり、リストはこの無名なフランス詩人に1844年7月マルセイユで会っている。1850年以降、自作をとりまとめて整理する際、主題が先の合唱曲たちに基づいているこの交響的前書きを、リストは強引に先の合唱曲集から引き離し、独立した「交響詩」として公表したのである。こうして、主立った構想において、『前奏曲』は交響詩『プロメテウス』の直接の同輩となったのだったが、『プロメテウス』もまたテキストに依拠した作品として生み出されたのではあった[注:1850年、『ヘルダーの縛られたプロメテウスへの合唱』の序曲として、ヘルダー像の除幕式で初演された]。
 リストは『四大元素』の4つの合唱曲を、イベリア半島への旅の期間(1844-45)に全てピアノ伴奏で書いた。作品は「風」、「波」、「地」、「星」の4つの楽章から成っている[参照表省略]。若いピアニスト、Darborvilleのアシストを得て、リストはマルセイユのムッシュTrotebasの合唱協会を指揮して1844年8月6日に「風」を初演した。残る三曲だが、リストは「波」にはヴァレンシア、イースターサンデー(3月23日)1845年と記し、「地」はリスボンとマラガで翌月完成、「星」は日付が記されていないが、リストがこのイベリアの旅のあいだに使っていたスペインの紙に書かれているので、この間に間違いなく完成している。「風」を除き、第2〜4曲がリストの生前にはたして演奏されたのかについては、確かな証拠がまったくない。
 『前奏曲』には『四大元素』の合唱のテーマの痕跡が数多くある。最も注目すべきは、交響詩の幕を開ける有名なユニゾンのピチカート音型が「波」のピアノスコアで最初に見出されることだ。このC音の連続は、オリジナルのピアノ伴奏合唱でも、続くオーケストラ伴奏版でも、全合唱を統べている。[注:交響詩では]モットー音型のドーシミーがピチカート動機に続くのだが、これは「星」の中の”Hommes épars sur ce globe qui roule”という歌詞の部分に据えられているものである。そしてさらに、交響詩の最終版に35小節目に見られる弦楽器の動きもまた「波」に見られるものの痕跡であり、リストが初期の作曲においていかに注意深く思考したかの、また別の例となっている。

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2016年4月16日 (土)

【4月17日から3回】大井浩明さん《煉獄のメシアン》

(熊本自身被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。)

バタバタにかまけてブログはあんまりやってない今日この頃。

でも、でも、明日から3回シリーズ、関東では待望のメシアン@大井浩明さん なのであります!
大井さんブログ http://ooipiano.exblog.jp/25434016/ の引き写しで汗顔の至りですが(リンク先読んで下さいね!)、それでも載っけておかないと!
皆勤なるか!!!

初回の明日は《幼な子イエスに注ぐ20のまなざし》、詩人:山村雅治さんの朗読があります。大井さんのチャレンジングなコンサートを数多く催してきた山村サロンのオーナーさんでもいらっしゃり、おふたりの共演がたいへん楽しみです。
「1944年のフランス国営ラジオのクリスマス番組に於ける「朗読とピアノ」での初演、というオリジナル原案に沿って、コルンバ・マルミオン『神秘の中のキリスト』と、モーリス・トエスカ『降誕(12のまなざし)』の朗読を挿入しながら上演」
とのことで、またもたいへん価値ある演奏になるかと思っております。

Koucla

渋谷・公演通りクラシックス (東京都渋谷区宇田川町19-5、東京山手教会B1F) 全自由席3000円
予約・問い合わせ tel. 080-6887-5957 book.k-clscs[at]ezweb.ne.jp http://k-classics.net/

【第一回公演】 2016年4月17日(日) 午後6時開演(午後5時半開場)
   山村雅治(朗読)+大井浩明(ピアノ)
O.メシアン:《幼な子イエスに注ぐ20のまなざし》(全20曲、1944)
 ――ドン・コルンバ・マルミオン、モーリス・トエスカのテクスト朗読を伴うオリジナル原案版/東京初演
  I.父のまなざし II.星のまなざし III.交換 IV.聖処女のまなざし V.子にそそぐ子のまなざし VI.その方によって万物はつくられた VII.十字架のまなざし VIII.いと高きところのまなざし IX.時のまなざし X.喜びの聖霊のまなざし XI.聖処女の初聖体拝領 XII.全能のことば XIII.降誕祭 XIV.天使たちのまなざし XV.幼な子イエスの口づけ XVI.預言者、羊飼いと東方三博士のまなざし XVII.沈黙のまなざし XVIII.恐るべき塗油のまなざし XIX.眠っていてもわたしの心は目覚めています XX.愛の教会のまなざし

【第二回公演】 2016年5月15日(日) 午後6時開演(午後5時半開場)
  大井浩明(ピアノ)
O.メシアン:《鳥のカタログ》(全13曲、1956/58)
 I.黄嘴鴉 II.西高麗鶯 III.磯鵯 IV.顔黒砂漠鶲 V.森梟 VI.森雲雀 VII.葭切 VIII.姫告天子 IX.欧羅巴鶯 X.腰白磯鵯 XI.鵟 XII.黒砂漠鶲 XIII.大杓鷸
O.メシアン:《庭虫喰》(1970)

【第三回公演】 2016年6月26日(日) 午後6時開演(午後5時半開場)
  伊藤晴(ソプラノ)+大井浩明(ピアノ)
O.メシアン:《前奏曲集》(全8曲、1929)
 I.鳩 II.悲しい風景のなかの恍惚の歌 III.軽快な数 IV.過ぎ去った時 V.夢のなかのかすかな音 VI.苦悩の鐘と告別の涙 VII.静かな嘆き VIII.風のなかの反映
O.メシアン:《天と地の歌》(全6曲、1938)
 I.ミとの時間(私の妻のために) - II.沈黙の先唱句(守護天使の日のために) - III.人形ピリュールの踊り(私の幼いパスカルのために) - IV.穢れなき虹(私の幼いパスカルのために) - V.真夜中の裏表(死のために) - VI.復活(復活祭の日のために)
O.メシアン:《ハラウィ - 愛と死の歌》(全12曲、1945)
 I.お前、眠っていた街よ II.こんにちは、お前、緑の鳩よ III.山々 IV.ドゥンドゥ・チル V.ピルーチャの愛 VI.惑星の反復 VII.さようなら VIII.音節  IX.階段は繰り返し言う、太陽の身振り X.愛の星鳥 XI.星のカチカチ XII.闇のなかに

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