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2016年2月 6日 (土)

【2月21日(日)】大井浩明さん「一柳慧主要ピアノ曲集」(POC第26回公演)

さて、大井さんのPOC今シリーズも、いよいよ最終回です。

今シリーズは1920年代後半から30年代前半生まれの作曲家をとりあげていらしたのでしたが、掉尾が一柳慧さんなのは嬉しい限りです。

2016年2月21日(日)18時開演(17時半開場)
松涛サロン(東京都渋谷区松濤1-26-4)
JR渋谷駅徒歩8分、井の頭線神泉駅徒歩3分
3000円(全自由席) 
【お問合せ】合同会社opus55   http://www.opus55.jp/
      Tel 050(5849)0302 (10~18時/水木休)
      Fax 03 (3377)4170 (24時間受付)

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【演奏曲目】
一柳慧(1933- ) 
●《トッカータ》(1953、世界初演)
●《ピアノ音楽第1》(1959)
●《ピアノ・メディア》(1972)
●《タイム・シークエンス》(1976)
●《星の輪》~独奏笙のための(1983)
●《ピアノ音楽第9》(2015、世界初演)
●《雲の表情》(1984-99)(全10曲)
  -- 雲の表情 I
  -- 雲の表情 II
  -- 雲の表情 III
  -- IV. 『雲の澪』
  -- V. 『雲霓(うんげい)』
  -- VI. 『雲の瀑』
  -- VII. 『雲の錦』
  -- VIII. 『久毛波那礼(くもばなれ)』
  -- IX. 『雲の潮』
  -- X. 『雲・空間』


ネタ。
その1。
なんと、《ピアノ・メディア》が着メロになっている!
 一柳慧《ピアノ・メディア》 着メロ
 http://j-ken.com/category/classics/song/170999_114962/
「テクノロジーの発展により、音楽における電子メディアの比重が拡大される今日、現代の人間にとって既存の楽器を対象にした演奏とはどのようなものか、ということを作曲者は問うています。感想お待ちしてます」とのこと。

その2。
なんと、大井さんが《ピアノ・メディア》になっている!

Ooipianomedia 某芸大生さんの作。


今回について大井さんのブログは5つにもわたる充実の記事を掲載しています。執筆の西田博至さんの熱意にただ脱帽。そして、とてもいい記事です。僕らのような素人にとって、20世紀後半の日本の「前衛」のよい通史にもなっています。
http://ooipiano.exblog.jp/25169504/
http://ooipiano.exblog.jp/25169482/
http://ooipiano.exblog.jp/25244448/
http://ooipiano.exblog.jp/25244456/
http://ooipiano.exblog.jp/25244464/

僕らの世代が十代の頃には、FMラジオから流れて来る一柳さんのお名前と作品は憧れの存在でした。
上のブログ記事の「3/5」にある、一柳さんのこんな時期の少しあとでした。
「このころ一柳は、自身の音楽活動をしばしば、『音の環境デザイン』と呼ぶようになっていた。秋山邦晴に作曲とデザインの違いを問われ、一柳は『作曲された音楽の場合は、どんな音楽でも必ずはじめと終りがある』、『つまりフォームがある』のだが、『デザインというのは作曲として発想されていない音の世界、そして結果的にも音楽と異なった次元の世界』であるという。」

そして、「4/5」にあるこんな事態になったころ。

「二度目の渡米から帰国後の一柳に顕著だった、あらゆるジャンルの人びととの熱っぽいコラボレーションによる爆発的な活動は、空間への興味であったと纏めることができようが、この収束は一見すると意外な作品を生むことになる。それが1972(昭和47)年に高橋アキによって初演された《ピアノ・メディア》である。《ピアノ・メディア》で一柳は、図形楽譜による不確定性の音楽を突きつめた先に、再び五線譜で「はじめと終り」という『フォームがある』音楽を書くことに戻った。そこから、これを云わば一柳の「転向」のはじまりであるとすることもしばしばであるが、ここではむしろ、これまでの一柳の音楽への取り組みの新たな局面であると捉えたい。つまり、空間というものの捉え方の深化と、ヴィルトゥオジティの再発見こそが、一柳にとって《ピアノ・メディア》で達成された最大のことなのである。」


そんな一柳さんが昨年9月に「一柳 慧 コンテンポラリー賞」を創設し、大井さんはその第1回受賞者の栄誉に輝きました。これまた嬉しい限りです。

http://www.camerata.co.jp/news/?p=4024

一柳さんの大井評を、上のサイトから引用しておきます。

大井氏の精力的なピアノの演奏活動は、その多様性ゆえに現代作品に焦点をあてたものと捉えられがちである。しかし、彼ほど徹底して1人1人の作曲家の作品を掘り下げて演奏しているピアニストは、稀有な存在と言ってよいだろう。大井の、現代音楽のあらゆる面――例えばグラフィック・スコアで書かれた作品の演奏から、ピアノの内部奏法を含むものや、身体的アクションを伴うもの、そしてきわめて高度な演奏技術と音楽性を要求されるケージやクセナキスやブソッティなどの先端的なもの、すべてを網羅している演奏は特筆に値する。また、2015年から16年初頭にかけてだけでも、ピアノ版によるマーラーの交響曲やシェーンベルクのオーケストラ曲、その他、フランコ・ドナトーニやマウリツィオ・カーゲル、さらに日本の甲斐説宗や篠原眞らの作品までを、ほとんど毎月ごとに、堅実な演奏でリサイタルやコンサートで披露している。さらに大井の場合、忘れてはならないのは、古典楽器や音楽にも精通しており、現代のピアノの演奏とつながったチェンバロやフォルテピアノでバッハやベートーヴェンの演奏も行っていることがある。それら奥深い幅広いレパートリーの背景を司っている大井の演奏哲学も、今回の受賞の対象として欠かせない要素になっていることを併記しておきたい。

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