« アンサンブルをするにあたって | トップページ | strauss conducts strauss(リヒャルト・シュトラウス自作指揮録音集) »

2014年3月25日 (火)

Nun Komm, der Heiden Heiland BWV61(バッハのカンタータを聴いてみる)

(これよりも前に「再演」されたり、作られていたカンタータがある、との記述【ヴォルフ】に後で気づいた。少なくともBWV18,54,199,182【1714年3月25日】が後回し。)

Nun Komm, der Heiden Heiland(BWV61)
「来たれ異邦人の救い主よ」

【概要】
第1曲がフランス風序曲なのには意表をつかれ、第3曲のレチタティーヴォがピチカートのみの伴奏であることにも驚かされる。終曲のコラールでバスがKomm, komm, kommとはずむように歌うのが待降節にふさわしい軽やかさ。短いのに大変印象的な作品。内容の詳しいことは「記事」のシュヴァイツァーの説明で充分。
弦楽はヴィオラが実質上アルトとテナーの2部に分かれ続けている。

【内容】
演奏:
(IMSLPの記載)
作曲の時期:1714
初   演 :1714-12-02 in Weimar
初版の年  :1868 (BGA)
作詞者等  :    エルトマン・ノイマイスター『宗教詩集』Geistriche Poesien
       1714年(フランクフルト)
備考     For the 1st Sunday in Advent.

【YouTube】

アーノンクール/ウィーンコンツェントゥスムジクス他(演奏者説明なし)
http://www.youtube.com/watch?v=SuTyQVcynSU

【器楽編成】
Vocal ― Soloists (STB), Chorus (SATB)
Orchestra ― Bassoon, Strings, BC

【構  成】
調:a moll
楽章数/曲数     6 movements

以下、Wikipediaから引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%96%E6%9D%A5%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%80%81%E7%95%B0%E9%82%A6%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%95%91%E3%81%84%E4%B8%BB%E3%82%88_%28BWV61%29

第1曲 合唱『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』(Nun komm, der Heiden Heiland)
合唱・弦楽器・通奏低音、イ短調、2/2→3/4→2/2拍子
フランス風序曲

第2曲 レチタティーヴォ『救い主は来たれり』(Der Heiland ist gekommen)
テノール・通奏低音

第3曲 アリア『来たれイエスよ、汝の宮に』(Komm, Jesu, komm zu deiner Kirche)
テノール・弦楽器・通奏低音、ハ長調、9/8拍子

第4曲 レチタティーヴォ『見よ、われ戸口に立ちて叩く』(Sehe, ich stehe vor der Tur und klopfe an)
バス・弦楽器(ピチカート)・通奏低音

第5曲 アリア『開け、わが心よ』(Oeffne dich, mein ganzes Herze)
ソプラノ・通奏低音、ト長調、3/4→4/4→3/4拍子

第6曲 コラール『アーメン、アーメン』(Amen! amen!)
合唱・弦楽器・通奏低音、ト長調、4/4拍子

【使用コラール】
第1曲:Nun komm, der heiden Heiland(来れ異邦人の救い主よ)
第6曲:Wie schön leuchtet der Morgenstern ただし第7節最終3行
Amen!
Komm, du schöne Freudenkrone, bleib nicht lange,
Deiner wart ich mit Verlangen.
(「バッハ コラール・ハンドブック」97、145)
第1曲と同コラール使用作品:
 BWV36(1726〜30年)
 BWV62(1724年12月3日【第2回年間カンタータシリーズ】)
 オルゲルビュヒライン第1曲BWV599
 17のコラールBWV659-661
 コラール編曲BWV699

【記事】
ヴォルフ
BWV21参照(253頁)

【バッハがヴァイマルのコンサートマスターとして作曲した】これらのカンタータは声楽の面でも——合唱の楽章でも独唱の楽章でも——【器楽と】同様に魅力的で変化に富んでいる。合唱の範囲も、伝統的なコンチェルタート・モテット(BWV21/1)、コラール・モテット(BWV182/7)、より自由なコンチェルト・タイプ(BWV31/1)、拡大した二部形式(BWV63/1と7)から、例えば序曲風のコラール編曲といった非常に革新的な作品(BWV61/1)、モテットのついたシャコンヌ(BWV12/2)、独唱の叙唱(レチタティーヴォ)と組み合わせられた合唱による連禱(BWV18/3)まで、範囲が広い。(259頁)

シュヴァイツァー(※)
聖書の詩句を一たびバッハの音楽のなかで心にとり入れた者は、誰もそれを他のリズムで考えることはできない.・・・カンタータ「異邦人のあがない主よ,いざ来たりたまえ」Nun Komm, der Heiden Heiland(第61番)を知っている者は、もはやバッハの楽句法を同時に思い合わせることなしには、ヨハネ黙示録の Siehe! Ich stehe vor der Tür und klopfe an[見よ,われ戸の外に立ちて叩く]を心に描き出すことは出来ない.(第21章、下27頁)

カンタータ「異邦人のあがない主よ,いざ来たりたまえ」Nun Komm, der Heiden Heiland(第61番)では,中間楽節Des sich wundert alle Welt[全世界はそれをあやしむ]が,生きいきとした動きで他の楽節から鋭く浮かび出ている.(第23章、下38頁)

初めの合唱で、バッハは古い待降節の賛歌[ヒムヌス このコラールは4世紀の人、司教アンブロジウスの作と言われるラテン語の賛歌のルターによるドイツ語翻案である]をフランス風序曲のなかにとりこめようと試みた.彼はこの合唱にOuverture[序曲]と題した.楽器が荘重なグラーヴェを奏している間に,各声部が順次「異邦人のあがない主よ,いざ来りたまえ」ではじまるコラールの各行を歌う.それについで全部の合唱がDer Jungfrauen Kind serkannt[処女の子と知られたまいて]とうたう.バッハがGay[たのしく]と書き入れを加えたアレグロの部分にはDes sich wundert alle Welt[すべての世人はあやしむ]のことばがふりあてられ,Gott solch Geburt ihm bestellt[神がかく生まれたもうことを定めたまいしことを]の句で,もう一度グラーヴェになる.フランス風序曲と中世的なコラールとをつきまぜるこの実験について,何と批判しようとそれは随意だが,この合唱の効果は絶妙である.これと同じことが終曲合唱にもあてはまる.この曲は概して無邪気な青年らしさの独特の魅力を持っている.そのため和声のつみあげ方の素朴さがかえって人をひきつける力として感ぜられる.
「開け,わが心をのこりなく,イエスは来り,近づきたもう」Öffne dich, mein ganzes Herze, Jesusu kommt und ziehet ein のアリアは主題処理技術の点から見て興味がある.それは Öffne dich! のモチーフから成長したものである.このアリアは「観よ,われ戸の外に立ちて叩く」Siehe, ich stehe vor der Tür und Klopfe an(ヨハネ黙示録第3章20節)のレチタティーヴォによって導入せられる.このレチタティーヴォでは低音部をして,守る者のさけび声を発せしめ,それにピッツィカートの強い和音が付せられている.ピッツィカートは期待する心の鼓動を暗示する.バッハの全作品がポピュラーになった暁には、このカンタータは,このレチタティーヴォをふくんでいるとの理由だけによって,先ず第一線におし出される.このレチタティーヴォはこの曲の骨髄である.(第24章、下134〜135頁)

【楽譜】
自筆譜
http://imslp.org/wiki/Special:ImagefromIndex/92773

初版
http://imslp.org/wiki/Special:ImagefromIndex/01215

注釈等(IMSLP上記からの引用・転載)
Commentary on the movements
1. Ouverture: Nun komm, der Heiden Heiland. An "ingenious combination of chorale arrangement and French Overture"1.
2. Recitativo (Tenor): Der Heiland ist gekommen. Secco recitative.
3. Aria (Tenor): Komm, Jesu, komm zu deiner Kirche. The upper strings (including violas) function as obbligato together; this forms a tight trio texture with the tenor and continuo.
4. Recitativo (Bass): Siehe, ich stehe vor der Tur. The "true high point of the work"1. The text is illustrated here in brilliant detail.
5. Aria (Soprano): Offne dich, mein ganzes Herze. A continuo aria with many coloratura leaps and runs.
6. Chorale: Amen, Amen. A highly ornamented setting.

【関連サイト】
テキスト解説(PDF)
http://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0CDUQFjAB&url=http%3A%2F%2Fwww.asahi-net.or.jp%2F~hc2n-iijm%2Fkobayashi%2Fbwv061%2Fbwv061C.pdf&ei=65UtU86wF5CekgXcmIFg&usg=AFQjCNGxvIOpqVghsjKXbOqvw881mbj7VA&sig2=7KSxWj5HIKFb-JwCnxi0zg

※ シュヴァイツァー『バッハ』の訳書は、普及している白水社版ではなく、辻荘一・山根銀二訳の岩波書店版二巻本(1955、58年)を参照している。

|

« アンサンブルをするにあたって | トップページ | strauss conducts strauss(リヒャルト・シュトラウス自作指揮録音集) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Nun Komm, der Heiden Heiland BWV61(バッハのカンタータを聴いてみる):

« アンサンブルをするにあたって | トップページ | strauss conducts strauss(リヒャルト・シュトラウス自作指揮録音集) »