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2013年9月

2013年9月28日 (土)

『鈍獣』〜にわかクドカンふぁん

ごめんなさい。

にわかクドカンふぁんになりました。

Amachanmemories 『あまちゃん』が終わってしまいました。
ドラマには滅多にはまらない・はまれないオッサンなのですが、はまっておりました。
ごめんなさい。
んで、言われてる『あまロス』から脱却するには
新しい朝ドラにいっそうハマる
小泉今日子とか薬師丸ひろ子を聴きまくる
能年玲奈橋本愛福士蒼汰松田龍平その他の写真集などに埋もれる
・いや、『あまちゃん』関連商品に埋もれる
・もう、仕方がないからひきこもる(ブルーレイもDVDも出たし。)
などなど、いろんな手段があるんですが。

いっそ
「宮藤官九郎にハマる」
のは、どないだろうか。
ためしにハマってみることにしました。
ここ2、3週間のことですからたいしたことありません。

オールマイティな人なんで、盛りだくさんなんですよね。
(リンクはただのリンクで、アフィリエイトとかではありません。)

本:
エッセイが文春文庫で二冊出てます。入口としてはおすすめです。
『いまなんつった?』は官九郎さんが耳にとめたドラマや仕事
『俺だって子供だ!』がいままだ半分くらいですけど通勤の友ですごく慰められてます。
エッセイの口調は明るくて軽いので好きになってしまいました。
次は単行本の『え、なんでまた?』(文藝春秋 2013年3月)がカバンに控えています。

映画:
DVDを借りたりして3本見ました。
Mericensack 『少年メリケンサック』
『舞妓haaaaan!!!』
『真夜中の弥次さん喜多さん』
このへんより前の『木更津キャッツアイ』の劇場公開版なんかも見たいのですけど、近所のレンタル屋さんに置いてませんでした。『中学生円山』も未見。
新品は店頭では入手しにくいのですが、書店でツタヤ仕様で売ってるのがいくつかあります。

バラエティ:
『あべ一座旗揚げ公演』
面白いのか? と言われると、いまいちだったかもしれないのですが、阿部サダヲ・阿部寛とあべ静江を軸に素人あべさんを一堂に集めただけで二時間バラエティをやっちゃう、しかもNHKホールで、というのが笑えます。朝のニュースのアナウンサーである阿部渉さんが往年の斉藤清六を彷佛とさせるノリなのにはのけぞりました。就職試験にはみんな落ちたのに、あべ一族のオーディションにだけ受かった人もいて、「あべさん」にとってはたいへんな救済劇だったりしたみたいです。

ロック:
グループ魂のパンクロックも聴かなくちゃ、でもタワレコに並んでいたアルバムを眺めつつ、とっかかりは地元でCD探そう、と思って地元に帰ったら、グループ魂のCDなんかひとつも売ってませんでした。なんだこりゃ。どうせなら『1!2!3!4!』のDVD付きがいい、と注文したのはいいけれど、まだ手元に届かず、聴けていないのであります。

テレビドラマのディスクは枚数が膨大になるし『あまちゃん』ブルーレイを見るのでとりあえずパス。・・・じかの舞台もフルスクリーンも放送タイムリーも未経験。このあたりがにわかのにわかたる由縁です。

いろんなことやってるけど、全部ひっくるめて、彼は舞台の人だ、と、ずっと思っています。

歌舞伎:
故・中村勘九郎(勘三郎)さんの肝いりで歌舞伎にも入り込んだんですよね。その最初である『大江戸りびんぐでっど』も、なんでだかDVDを持っているので、何度も見ました(単品では12月発売予定)。

演劇:
『鈍獣』
Donju 戯曲だけ読もうか、それなら『春子ブックセンター』かな。いや映像だけ見ようか。それなら『蜉蝣峠』だな。どっちも新宿の紀伊國屋書店本店の棚に並んでいるのです。
いやいや、どっちも併せてだな。書かれた戯曲も読んで、実演も(映像でだけど)見てみたい。
すると、揃っているのはこの『鈍獣』しかありません。これは映画にもなっているそうなんですけど(恥ずかしながら知りませんでした)、映画はあとでもいいや。
怖いものを書いてみないか、と提案されて書いたお芝居だそうです。
・・・怖いです。
お笑いなのかという雰囲気で始まる芝居が
「もうおしまい?」
「一杯ちょうだい」
と登場のたびに(クラシック音楽風にみれば通奏低音のように・・・でも声は低音じゃないんですけどね)繰り返される凸川(池田成志)のセリフで、じわじわと恐怖に向かっていきます。
二幕からなりますが、どちらの幕もキオスクのおばちゃんたち(男優陣)と女性編集者(西田尚美)の絡みで始めて、そのニュアンスの違いで先の進行の空気の違いまで暗示させるところ、
「俺は人ひとり殺してんだよ」
という江田(古田新太)のセリフとか、唐突にあらわになる岡本(生瀬勝久)の職業がまた芝居の微妙な伏線になっているところ、などが『あまちゃん』に繋がって行く手法で、興味深く楽しませて頂きました。
本のほうを読むと、戯曲が俳優さんの演技でどれだけ生き生きと命を与えられているかもちらっと見えてきて、ふーん、なるほどそうなんだ、と、ちょっと胸を揺さぶられたりします。
DVDの特典映像には稽古風景もたくさん収められていて、踊るところは官九郎さんの奥さんである八反田リコさんの振付けなので、八反田さんを映像で見られちゃうところもおトクでありました。
『鈍獣』は第49回岸田國士戯曲賞を受賞しています。本に記載されている上演は2004年7月31日〜8月22日(東京)、同25日〜30日(大阪)、9月3日〜4日(広島)、同7〜8日(福岡)、同11〜12日(神戸)。演じたうちの男優陣3人が組んだユニット「ねずみの三銃士」のために書き下ろされた作品で、演出は河原雅彦氏でした。


私はもともと、ドラマとか劇とかは苦手です。どきどきしちゃうから。放送だろうが録画だろうが、ハラハラシーンは見るのが怖いので柱の陰に顔を半分隠して見ます。『あまちゃん』見るのでも例外ではありませんでした。
自分はクラシック音楽のアマチュアですが、以前、音楽も劇を勉強すればもちっと幅が出るんじゃないかと愚かなことを思いつきまして、あるとき劇団の練習を覗きに行きました。そしたら団の人に
「今日から君も同じ釜の飯だ、二足のわらじより同行○人(メンバーの数)!」
とニコニコ肩をがっちりつかまれて、怖くなって逃げました。
それでも戯曲のまねごとくらい書き方を身につけといたらためになるかな、と、見かけた講座に申し込みましたら、講座の途中からしゃしゃり出てきた先生が
「社会の裏を描けなければ劇など書けん!」
と叫び出して、夢の世界に生きがちなあたくしはもうかないませんから、脱走しました。
作られた世界の中でまで血を見なくちゃならないような場面なんか、まったくダメです。
お話を作るとか演じるとか見て味わうとか、が、根っから出来ないんだろうと思います。

むむう、そんなあたしがクドカンふぁんになれるのだろうか?
クドカンさんは、血を見るドラマなんかでもいっぱい書けてきちゃった人だものな。

でも、ハマると決めたんだから、目をつぶってでも作品を見なくちゃな。
そう思って接してみました。
にわかですから、上のように、まだあんまりたくさん、ではありませんでした。

拝見しながら、
「作れる人って、湧いて来るイメージ・アイディアは100%受け入れる精神の強さを持っているのね」
と、強く思い知らされました。
平凡なあたくしは、自分の感情にマイナス影響があることはどうしても受け入れられません。
それが「ドラマ苦手」に繋がっているんだと分かった気がします。
さらには、受け入れたイメージ・アイディアを切り捨てることなく、どこの枠に挟まるか、と、それらの居場所を徹底的に考え続けているんだなぁ、との印象。
『あまちゃん』にハマった人たちがたくさんの深読みツイートをしたことからはっきりするように、そうやって居場所を与えられたイメージやアイディアは、味わう側から様々に憶測されることを決して否んだり拒んだりしません。
クドカンその人が、お客からそうやってどんどん出される深読みに特別ちゃちゃを入れないところがまたいいなぁ、と、ちょっと感激しています。
「それは読み過ぎだよ」
「それは違うんだけど」
なんて、決して言わない。もしかしたら
「え、いまなんつった? え、なんでまた? そりゃ面白い」
なんてことも深読みを読みつつ思っているのかもしれませんが、それを言っちゃあおしめぇだ、なんですよね。

・・・引き続きハマりそうです。どうしましょ。

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2013年9月21日 (土)

【9月23日(祝)】第2回 大井浩明さん:ピアノソナタ全32曲連続演奏会~様式別・時代順のフォルテピアノ(古楽器)による~

矢継ぎ早ですが、先週開始した大井浩明さん
「ピアノソナタ全32曲連続演奏会~様式別・時代順のフォルテピアノ(古楽器)による~」
は、来たる23日(月・祝)さっそく第2回公演です。
今回の演奏曲目の最後は「悲愴」ソナタです。
下記に引用転載する感想をまとめてお述べになった方たちもみなさん推奨なさっています。連休の締めくくりに、是非お出掛け下さい。

http://ooipiano.exblog.jp/20745748/

開演は19時。

【場所】淀橋教会・小原記念チャペル(東京都新宿区百人町1-17-8)
JR総武線・大久保駅下車徒歩1分、JR山手線・新大久保駅下車徒歩3分

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各回19時開演/18時30分開場
3000円(全自由席) [3公演パスポート8000円 5公演パスポート13000円]

【お問合せ】 合同会社opus55 Tel 03(3377)4706 (13時~19時/水木休) Fax 03 (3377)4170 (24時間受付) http://www.opus55.jp/


第2回の演奏曲目は下記の通りです。

■ソナタ第5番ハ短調Op.10-1(1795/97)[全3楽章]
Allegro molto e con brio - Adagio molto - Finale: Prestissimo

■ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2(1797)[全3楽章]
Allegro - Allegretto - Presto

休憩(約15分)

■ソナタ第7番ニ長調Op.10-3(1797/98)[全4楽章]
Presto - Largo e mesto - Menuetto: Allegro - Rondo: Allegro

■ソナタ第8番ハ短調Op.13《悲愴(Pathétique)》(1798)[全3楽章]
Grave / Allegro di molto e con brio - Adagio cantabile - Rondo: Allegro

使用楽器 ヨハン・ロデウィク・ドゥルケン(1795年頃、FF-g3)
[A=430Hz、1/6ヴァロッティ不等分律]
調律 太田垣至さん

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第1回は台風が過ぎたばかりの晩でしたが、聴く人たちの演奏者への暖か目線と、だからといって決して緩むことのない緊張の空気が響きを引き締めた、たいへんに良い会でした。

寄せられた感想をいくつか、こちらに転載させて頂きます。

(敬称略)


澤谷夏樹(音楽評論) http://d.hatena.ne.jp/Gebirgsbach/20130917
ピアノと聞いて現代人とベートーヴェンとでは思い浮かべるものが違う。その違いに古典派音楽の本当の姿が潜んでいる。
・・・大井は・・・この連続演奏会は全8回で、作曲年代順に並んだソナタを、それぞれの時期と様式とにあわせたピリオド楽器フォルテピアノで披露する。
・・・作曲年と楽器の製作年(この場合は本歌の楽器の生まれ年)との差は5年内に収まっている。音楽がいままさにそこに鳴り響くものであることも考え合わせれば、このシリーズでは「生まれたまま」のベートーヴェン《ピアノソナタ》を聴くことになる。
・・・ところが「生まれたまま」のベートーヴェンを聴くためには・・・楽譜・楽器とともに大切なのは演奏様式だ。18世紀には18世紀の語法がある。この語法を欠いたまま演奏すると、古語の「をかし」を「可笑しい」とか「お菓子」と言ったり理解したりするような、それこそおかしな事態に陥る。
・・・こうしたことが実感として迫るための条件はとても厳しくて、何かが欠けるととたんに力を失ってしまう。それらを演奏で統合した大井に大きな拍手を送りたい。


齋藤俊夫(音楽学) http://d.hatena.ne.jp/MOGURAmaru/20130916
・・・端的に形容するなら、「チャーミングな即物主義」という古典主義と「澄みきった轟音」というロマン主義の併存から、この二つの主義の勢力均衡状態の崩壊がこの第1から第4までのソナタで歴史的に俯瞰させられた、と言えよう。
・・・非常に粗っぽいまとめであるが、この古典主義とロマン主義は、作品番号が若い方が古典主義的であり、番号が後の方がロマン主義的であった。その平衡点にあったのが第3番であったと言うべきであろう。第3番においては、チャーミングな即物主義も澄みきった轟音もあり、また、レガートや短調の「ロマン的な味の深さ」「叙情性」も十分に味わえる。そして指とペダルの超絶技巧に全くゴマカシが効かないのを大井が完璧に再現する。そう、「完璧」なのだ。あらゆる側面から見て。それを形容すべき単語は「豪華」というのが「過剰」という意味を含意することを鑑みると、「典雅」を使うべきであろう。
そして第4番に入ると、第1楽章から最早ダンパーペダルの操作は超絶技巧を超えて、「端的に無理」の領域に入り、また「澄みきった轟音」ではなく「もっと荒々しい轟音を!」、そして「即物主義ではなく人間主義を!」とベートーヴェンが要求しているのがおぼろげながら感じられてしまってくるのである。技術的に言うと、音が団子状になってしまうのが楽譜の時点でもう要求されているのではないかと思われる箇所が出てくるのだ(筆者が楽譜を読んだわけではないが)。そうなると、フォルテピアノの典雅にして澄んだ音では、「おお、友よ、これらの音ではない」とベートーヴェンが言ってくる気がしてしまうのであった。・・・


飯尾洋一 http://www.classicajapan.com/wn/2013/09/170950.html
よく考えてみると不思議な気もするんだけど、ベートーヴェンを古楽器オーケストラやモダン・オーケストラのピリオド寄り演奏で聴く機会はそれなりにあるのに対して、ソナタをフォルテピアノで聴く機会ってそんなにはないんすよね。オケのほうが興行的に大仕掛けなのに。なので、気分としては見たことのある光景を違う遠近法で見るような気分。モダンピアノ基準で眺めると、外枠であるキャンバスのサイズはうんと小さく見える。逆にキャンバスのなかに描かれた絵のサイズはうんと大きく見える。作家はキャンバスいっぱいいっぱいの枠を使ってはみ出さんばかりに絵を描いている。普段リサイタルの前菜にように配置されるベートーヴェンの初期ソナタが、巨大な楽想を持った作品として迫ってくる。ソナタ第3番ハ長調が熱かった。こんなド派手な曲だったの、的な。逆に比較的聴く機会の多い第1番ヘ短調は拡大鏡を用いない原寸の手ざわり。


そうだ、第3番にはなんだか素朴な「ブラボー」があっけらかんとかかったのだった! 私にはそれが大変印象に残ったのを思い出しました。

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2013年9月17日 (火)

9月18日「ドビュッシーのグラナダ・シンドローム」

今日・・・というか昨日、偶然に知ったコンサートなのですが、ご紹介致します。
明後日ぢゃなくて、もう明日になってしまったんですけれど。

青柳いづみこさん
◆ピエルネ生誕150年記念・CDアルバム『ミンストレル』発売記念
    「至福のデュオ」連続コンサート

が、
<第1夜>「ドビュッシーのグラナダ・シンドローム」
9月18日(水)19:00 白寿ホール

<第2夜>「モーツァルトとピエルネの親和性」
9月20日(金)19:00 浜離宮朝日ホール

の二晩で開かれるのですが、その<第1夜>のほう。

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第1日目は
第1部 ピアノ+2台ピアノ
 【独奏】
  ドビュッシー:「ヴィノの門」・「とだえたセレナーデ」・「グラナダの夕」
 【二台ピアノ】
  ラヴェル:「ハバネラ」
  ドビュッシー:「リンダラハ」・「白と黒で」
第2部 ヴァイオリン+ピアノ
  ファリャ:スペイン舞曲(「はかなき人生」より、クライスラー編)
  グラナドス:アンダルーサ(クライスラー編)
  ドビュッシー:オーリッジ:セレナーデ(東京初演)
  ドビュッシー:レントよりおそく(レオン・ロック編曲)
  ドビュッシー:ミンストレル
  ラヴェル:ツィガーヌ
の構成です。

第2部が面白そうなのは言うまでもなく!

第1部の2台ピアノで青柳さんと共演される法貴彩子(ほうき さやこ)さんは、京都で大井浩明さんとマーラー「交響曲第7番」で共演なさったり、私のサトで開催されている仙台クラシックにご出演なさったりしていて、私の中で個人的に大注目株・・・だなんて失礼僭越なんですが、すごく楽しみな音楽家さんでいらっしゃると思っております。
高校をご卒業なさってご自身の意志でパリに留学なさり、あちらで勉強なさった努力家でいらっしゃいます。
青柳さんとの共演はフランスご縁かと推察しております。

このコンサートは青柳さんがフランス時代の同級生でイザイ弦楽四重奏団を創設したフランスのヴァイオリニスト、クリストフ・ジョヴァニネッティ氏とご一緒に演奏なさる面白いシロモノなのですが、そこに法貴さんも2台ピアノの作品でお出になるのは、東京やその周辺のフランス音楽好き人間には聞き逃せない大きなチャンスだと思います。

まだチケットあるかしらん?

行ってみたいな♪

コンサート情報はこちら(全指定席5,000円、通し券8,000円)
http://www.ondine-i.net/concert/
ぶらあぼ記事
http://www.ondine-i.net/concert/kiji/130918-bravo.html
音楽の友記事
http://www.ondine-i.net/concert/kiji/130918-ontomo.html

法貴さんプロフィールはこちら。
http://www.jso-music.com/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB/%E6%B3%95%E8%B2%B4-%E5%BD%A9%E5%AD%90-%E3%81%BB%E3%81%86%E3%81%8D-%E3%81%95%E3%82%84%E3%81%93/

白寿ホール

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地図部分を選んでケータイのボタンを押すと、出来るだけの拡大図で見られます。

千代田線「代々木公園駅」出口1から歩5分
小田急線「代々木八幡駅」南口から歩5分

 

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2013年9月16日 (月)

鷗外の「オルフェウス」(4)〜未定訳稿はウィーン版短縮版だと思います

(1)(2)(3)(4)


花房に黙って顔を見られて、佐藤は機嫌を伺うように、小声で云った。
「なんでございましょう」
「腫瘍は腫瘍だが、生理的腫瘍だ」
「生理的腫瘍」
と、無意味に繰り返して、佐藤は呆れたような顔をしている。
花房は聴診器を佐藤の手に渡した。
「ちょっと聴いて見給え。胎児の心音が好く聞える。手の脈と一致している母体の心音よりは度数が早いからね」
佐藤は黙って聴診してしまって、忸怩たるものがあった。

(森鴎外『カズイスチカ』)


鴎外の訳した歌劇「オルフェウス」(グルック)は、最初の訳は鴎外が留学中に見た際入手したリブレットに依ったのでしたが、それは鴎外に翻訳を依頼した国民歌劇会の手持ちの楽譜の詞とは合いませんでした。
グルックの「オルフェウス(オルフェオとエウリディーチェ)」には「ウィーン版」と「パリ版」が存在します。「パリ版」は「ウィーン版」よりも楽曲が増えています。
国民歌劇会が保有していた楽譜は、(2)で究明した通り、原則として「パリ版」に依っていたのでした。当時誰もそんなことは知らなかったのでした。
鴎外は後日楽譜を取り寄せて楽譜にあうよう翻訳をやり直ました。

それでは、鴎外が未定訳稿と称した最初の訳は、まったく楽譜に合わせようのない「歌えない」翻訳だったのでしょうか?

鴎外は楽器の演奏等はしていなかったとはいえ、楽譜のリズムをある程度理解出来た、と推測出来る点を、(3)で確認しました。
また同時に、国民歌劇会の要請にかなうように翻訳し直した「オルフエウス」第二訳稿(「沙羅の木」収録 *8)を手掛けるにあたって、鴎外は
大体に於いて原詞の一つづりを一音に
したのでしたが、この方法を最初にとりくんだ未定訳稿でも採用した、と鴎外は明言していることを見ておきました。こちらに取り組む際は楽譜を参照しなかった・・・出来なかったか、する必要を(協議はしたはずだと考えていますけれども)視野に置かなかった・・・のでした。(*8 346~347頁)結果的にそのことが楽譜と未定訳稿の不一致を生んだのでした。

すると、若い日の鴎外が観劇し買い帰って大事にしていた「オルフエウス」の観賞用台本、「ライプツィヒリブレット」を基にした未定訳稿は
現に協会で用ゐてゐる楽譜に合はない」(*8 346頁)
のではあっても、歌うのに適しない訳であったとは考えられません。

最初の訳である未定訳稿と決定稿である第二稿の冒頭部分を試しに比較すると(数字はシラブル数)、このような具合です。

【未定訳稿】
この暗き森に         8
汝が影今猶          8
墓の邊にあらば、       8
夫の聲を聴け、        8
泣き暮らす夫の。       8

【第二稿】
 この小暗き森に       9
 エウリヂケ、汝が影     9
 墓の邊にゐば        7
 聞けこの歎を。       8
 涙を、涙を見よ。流す涙を。 17(10+7)
 棄てられし夫の泣くを。   11(6+7)
 哀と見よ。         6
 傷ましと見よ。       7
 亡き汝帰り来。       9
 いたつきに悩めり。     9
 来よや。          3
 来て救えかし。       7

ここから、
・未定訳稿のシラブル数が整っていて、第二訳稿と同じように「歌える」ものになっていること
・しかしながら未定訳稿の方が第二稿よりずっと短いこと
が分かります。

以上により、未定訳稿は何らかの省略を施した短縮版だったのではないか、と考えられることになります。
さてそれは「ウィーン版」によるものだったのか、「パリ版」だったのか、はたまた両者を取り混ぜたものだったのか、あるいはまた後年ベルリオーズが編んだ版を採用したのであったか。

このあたり、鴎外訳版楽譜を校訂なさった瀧井敬子さんの論文では究明されていません。瀧井さんの使命は鴎外訳によって上演されるはずだった楽譜を再現することで、そちらのテキストは第二訳稿ですから、範疇の外であり、当然のことです。

そこで、野次馬根性で、上の疑問を解くべく、第二訳稿と未定訳稿の日本語テキストを比較し、可能な限り検証してみました。
ただし、未定訳稿はライプツィヒリブレットのドイツ語1行に当てる訳を忠実に1行に当てています。対する第二訳稿では鴎外は
「韻語としての句に拘泥せずに、縦に続けて書き流す」(*8 347頁)
方法に依っているため、そのままでは句の比較が出来ません。
そこは作業をしながら私が判断して、第二訳稿を「句」に仕立て直しました。ただし、完全を期したものではなく、句の分け目の判別が難しい箇所については目安程度としました。未定訳稿のどこからどこまでが第二訳稿の各ナンバー(曲)と対応するかを見定めるには、目安で充分であるとの考えによりました。
また、ドイツ語同士の対比も検討しましたが、未定訳稿のもととなったライプツィヒリブレットのドイツ語は亀の子文字であり、それを判読しても単語がおそらく古いものであるため手元の小さな辞書では正しく確認し切れず、そこは素人の悲しさ、断念をしました。鴎外がドイツ語原文にほぼ忠実なシラブル数で翻訳を心がけているため(これは両稿共にそうなっていることを確認しました)、今の目的には訳文の日本語で事足りるものとしました。

対比の内容は添付の表の通りです。

Ohgai-OrfeoTxt.pdf

左右の色がほぼ対応するようにし、対応するナンバーについてシラブル数も比べられるよう合計をとってみました(括弧でくくった数字)。

結果、次のようなことが判明しました。
未定訳稿の詞は、ほぼすべて第二訳稿に該当ナンバーを見出すことが出来る。
 未定訳稿で第二訳稿と対応がないのは14番中の4行、33番中の4行、
 44番中の12行である。
 (具体的な箇所は添付表参照)
未定訳稿では第二訳稿に比べ大幅にナンバーが省略されている。
 2〜8番、17番、32番、50番
 なお、器楽部分は未定訳稿には演奏するかしないかの記載がありません。
 言葉がないため記載の対象にはならなかったからです。
 したがって、器楽部分でどれが演奏されどれが演奏されなかったかは分かりません。
未定訳稿からは演奏にあたって曲に短縮されたものがあったことが窺われる。
 明確にそうだと見なせるのは1番、21番、45番(合唱部)
未定訳稿では実演上繰り返される言葉は反復を省略してあることが窺われる。
 9番、11番、13番、15番、20番器楽終了後の前半(19番の反復)、34番
・具体的に計量し直していないが、レチタティーヴォも短縮傾向にある。
 ただし33番と44番は例外であり、未定訳稿の方が長い。

表を見て頂ければ分かります通り、対応するナンバーではシラブル数もほぼ同じになっています。これを細かに見て行けばもっとたくさんのことが言えるのかもしれませんが、それには原詞の対比や楽譜に乗せての検討が必要になってくるでしょう。とてもそこまでは出来る境遇でもありませんので、作業を割愛しました。
なお、全体の詞句の数だけで見るなら、未定訳稿は第二訳稿の4分の3になっていますが、省略された反復があることを加味すると、ライプツィヒリブレットは二割程度の短縮が施されて上演された台本だったと見なせるのかもしれません。

さて、ここまでで、未定訳稿による上演は曲の省略が加えられた短縮版だったと判明はしますが、それが「パリ版」の短縮だったのか「ウィーン版」の短縮だったのか、あるいは独自の版として構成されたものだったのか、の問題が残ります。
おおよそのナンバーが第二訳稿の依るところであった「パリ版」と合致するのですから、「パリ版」の短縮だと考えたいところですが、それは、レチタティーヴォの一部のうち、未定訳稿のみに見出せる14番中の4行、33番中の4行、44番中の12行によって保留されます。
14番と33番で未定訳稿にのみ超過して存在する行は、「ウィーン版」によるのか別の何かによるのかははっきり分かりませんでした。これは原詞を楽譜に当てはめて検討すべきものでしょう。
44番の12行は、これは明確に「ウィーン版」によることが確認で来ました。
また、未定訳稿に見出せない17番、32番のアリア、50番の三重唱はウィーン版にも存在しないナンバーです。
このことから、詞の対比作業を終えた直後は、未定訳稿は単純に「ウィーン版」を基にした短縮版ではないかと単純に考えました。

ところが、未定訳稿に欠落している41番の二重唱は、「ウィーン版」にも「パリ版」にも存在するものです。より決定的には、未定訳稿には13番のアモールのアリアが含まれています。これは「ウィーン版」にはなく、「パリ版」のほうにしかないナンバーです。

(2)で行なった楽譜の対比結果に戻りますと、「ウィーン版」と「パリ版」で異なるものと分かっていたレチタティーヴォは、2番・12番・14番・33番・36番・40番・44番でした。
これらを厳密に調べなければ最終的には断言してはならないことですが、未定訳稿では省略されている2番を除いて他を長短だけで確認すると、
12番〜「ウィーン版」の方が短い:未定訳稿の方が短い
14番〜「ウィーン版」は「パリ版」の2倍の小節数:未定訳稿の方が若干長い
33番〜「ウィーン版」の方が長い:未定訳稿のほうが若干長い
40番〜「ウィーン版」の方が若干短い:未定訳稿の方が若干短い
44番〜いうまでもなく未定訳稿は「ウィーン版」によっている
と、類似の傾向が見られます。
一方で、「ウィーン版」にはなく「パリ版」のみにある歌唱ナンバーで未定訳稿に現れるものは、13番のアリアの他には確認が出来ません。

以上のことから、さらにレチタティーヴォの詳細な検討を必要とするものの、未定訳稿のオリジナルであるライプツィヒリブレットは、「ウィーン版」を基にした短縮版であり、アモールのために「パリ版」からアリアを1曲補ったものだった、と見てほぼ間違いないものと、今のところ考えております。

作業を通じて感じたことを少しだけ付け加えます。

瀧井論文では「(第一稿では合わないことを)本居たちが即座に判断が出来たのも納得がいく」(*2 頁番号37)と述べていらっしゃることに違和感がある旨、(3)で愚痴ったのでした。
実際に作業をしてみて、これは「違う」ということだけは即座に判断出来たかも知れないものの、どう違うのか、の究明がおそらくなされなかった、という前提での「納得」であるならば納得だと感じています。
納得がいかないのは、未定訳稿とされた鴎外の最初の訳が自分たちの楽譜と具体的にどう違うのかの究明は多分なされなかっただろう点、注文主の国民歌劇会はなぜそれをしなかったのか、という点です。そのへん、瀧井論文の口調は国民歌劇会の味方をしているのが、私には少々面白くありません(瀧井先生ゴメンナサイ)。

ただ、まず第一に、添付したような表を作れるのは今のように便利な手段・・・パソコン、表計算ソフト・・・があるからこそです。
第二に、いまは鴎外が訳した二種類の日本語訳が手に入ります。彼らがやらなければならなかったのは、楽譜上のドイツ語の詞(テキストだけ抜き出したものはなかったのではないでしょうか?)と鴎外先生の訳した日本語の対比であり、対比をやり遂げるにはそれなりのドイツ語理解力が必要とされたはずです。
第三に、今回このように探ってみると、そもそもおおもとの詞の構成が、鴎外の用いたライプツィヒリブレットでは曲の省略あり・反復の省略あり、そもそも多分版が違っていて対応しないテキストまである、というていたらくなのですから、上演や稽古のスケジュールが差し迫っている人たちにはワケが分からず混乱の元でしかなかっただろう、と、そこには同情を禁じ得ません。
運命の偶然から鴎外が二種類の翻訳をすることになったオペラ「オルフエウス」は、洋楽導入を本格的になしとげたかった明治・大正日本人の、悲しくてやがて面白き、ひとつの貴重な失敗遺産だったのでしょう。

訳は、個人的には未定訳稿の方が歌にふさわしい美しさを保っている気がして、こちらでの復活演奏もされたら面白いのにな、なんて妄想してみたりしています。
・・・さすがにそりゃ大変だわ。(><)


*2:瀧井論文PDF http://ci.nii.ac.jp/lognavi?name=nels&lang=jp&type=pdf&id=ART0008058625

*8:『鷗外全集』第十九巻 岩波書店 昭和48年 

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2013年9月 8日 (日)

【9月16日(祝)から】大井浩明さん:ピアノソナタ全32曲連続演奏会~様式別・時代順のフォルテピアノ(古楽器)による~

さて、今年度後半の最大の楽しみはこれです!

NHKのBSでも《大井浩明 時代楽器で弾くベートーベン》が放映され何度も再放送されましたが、その大井浩明さんが、様式別・時代順のフォルテピアノでベートーヴェンのピアノソナタ全32曲を8回にわたって演奏します。
大井さんが古典をフォルテピアノで、は東京では久しぶりではないのかな。
私個人は大井さんの録音した「月光」の演奏に驚嘆した(楽譜を読み込むとはこういうことだと思ったのでした http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/beethoven-sonat.html)のがそもそも大井さんを知るきっかけになったのですから、いまからとてもワクワクしています。

ふるってお出かけ下さいね。

引き写しですみませんが、場所・料金・問い合わせ先は次のとおりです。
http://ooipiano.exblog.jp/20592453/


【場所】淀橋教会・小原記念チャペル(東京都新宿区百人町1-17-8)
JR総武線・大久保駅下車徒歩1分、JR山手線・新大久保駅下車徒歩3分

C0050810_1894276
各回19時開演/18時30分開場
3000円(全自由席) [3公演パスポート8000円 5公演パスポート13000円]

【お問合せ】 合同会社opus55 Tel 03(3377)4706 (13時~19時/水木休) Fax 03 (3377)4170 (24時間受付) http://www.opus55.jp/


第1回16日は以下の内容です。

《演奏曲目》

■ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1(1794/95)[全4楽章]
Allegro - Adagio - Menuett: Allegretto - Prestissimo

■ソナタ第2番イ長調Op.2-2(1795)[全4楽章]
Allegro vivace - Largo appassionate - Scherzo: Allegretto - Rondo: Grazioso

(休憩)

■ソナタ第3番ハ長調Op.2-3(1794/95)[全4楽章]
Allegro con brio - Adagio - Scherzo: Allegro - Allegro assai

■ソナタ第4番変ホ長調Op.7「思ひ人(Die Verliebte)」(1796/97)[全4楽章]
Allegro molto e con brio - Largo, con gran espressione - Allegro - Rondo: Poco allegretto e grazioso

使用楽器: 1790年アントン・ワルター


以降、次のような予定になっています。


■第2回 9月23日(月・祝)19時 ソナタ第5番~第8番 [作品10-1, 10-2, 10-3, 13《悲愴》] https://www.facebook.com/events/1400557146834904/
■第3回 10月14日(月・祝)19時 ソナタ第9~11、19~20番 [作品49-1, 49-2《ソナチネ》、14-1, 14-2, 22]
■第4回 11月4日(月・祝)19時 ソナタ第12~15番 [作品26《葬送》、27-1《幻想曲風》、27-2《月光》、28《田園》]
■第5回 12月6日(金)19時 ソナタ第16~18、21番 [作品31-1, 31-2《テンペスト》, 31-3, 53《ワルトシュタイン》]

2014年(平成26年)------------------
■第6回 1月17日(金)19時 ソナタ第22~26番 [作品54, 57《熱情》、Op.78《テレーゼ》、Op.79《かっこう》、Op.81a《告別》]
■第7回 2月14日(金)19時 ソナタ第27~29番 [作品90, 101, 106《ハンマークラヴィア》]
■第8回 3月21日(金・祝)19時 ソナタ第30~32番 [作品109, 110, 111

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『おら、「あまちゃん」が大好きだ!』レポート

「湯浅:『あまちゃん』て、1984年を一方の時代設定にしているけれど、むしろ60年代のクレージーキャッツ、『シャボン玉ホリデー』の匂いがある。あるいは谷啓とザ・スーパーマーケットとかね。今40代の人ってドリフの世代でしょ。そのドリフの病根【ドリフターズって、音楽バンドとしてクレージーより遥かに格落ちでダメだったんですよ。(坪内氏)】みたいなのがあったと思うんだ。ずっとこう引っかかってるもんがあってさ、そこでなんかちょっと堰き止まってる感があったんだけどさ、ここにきてやっと溶け出した感じがする。」(坪内祐三・湯浅学対談「あまちゃん音楽論:宮藤官九郎と大友良英が復活させた東北モダニズム」、扶桑社『おら、「あまちゃん」が大好きだ!』150〜151頁)


「あまちゃん」は、全部ではないのですが最初からよく見ていてハマりました。
ネットで熱狂がどんどん広がって行くのも密かに楽しんでいました。
サトの東北だし。
アキちゃんの東北弁が嘘くさいのに本物だし。
それに最初から夏ばっぱと春子さんがかっけ〜かったし。
その後ミズタク太巻さん梅さんにも惹かれ、鈴鹿さんかわゆと思い今日に至りました。

関西での視聴率は東日本ほどではない、と聞いていましたが、まあコネタ仕込みの関東以北ギャグだから、関東以北人間のおらは別に気にすることはない。・・・でも、関西の星になりたかった能年玲奈さんがアキちゃんとして東日本の星になってしまって、よかったのかなぁ? とだけ心配はしています。

(ひげにハマっているという能年さん・・・)

そして、ドラマの歌がほとんど80年代ネタ、となると、その担い手たちや流行らせた人たちからは、おらはちょっとだけ上の世代で、野次馬するにもついて行き切れないところがある。それはちょっと悔しいのでした。

Amachandaisukiそれが、先月発売された『おら、「あまちゃん」が大好きだ!』をめくって、冒頭に引いた湯浅学さんの話に出会って救われたのでした。

おらはクラシックのアマチュアだけど、クラシックでも同じようなことがあると思っています。ただ、「あまちゃん」の中にクラシックはないので、その話を上乗せはしないでおきます。

なにはともあれ、「あまちゃん」は3.11をバネにして、実世界よりも先に日本を明るくした素晴らしい作品として、僕らがずっと忘れずにいるでしょう。・・・などと、そんな余計なことをおいらがなんぼ綴ったって何の価値も生みませんので、『おら、「あまちゃん」が大好きだ!』の中身をいくつかご紹介して、まだお求めではない方に少しだけお役に立っておきたいと思います。
もう遅いんだけどな。

扶桑社から8月27日に出て、数日後やっと時間があって近所の本屋さんで手に入れたときには、すでに第二刷になっていました。(2013年8月30日初版第1刷発行/2013年8月30日 第2刷発行、と、同日日付になっています! 第1刷が予約で売り切れたからのようです。 http://woman.mynavi.jp/article/130826-093/

・冒頭の「あまちゃん 人物相関図」は1冊で見られるものとしては現在唯一。公式ガイドブックでは前半後半2冊を見なければならないのですから、ありがたい!・・・これから出るDVD・ブルーレイを見るときに必携になるんじゃないかしらん?

・「『あまちゃん』ポスター制作者に聞く」には、青いバックの公式ポスターに合わせて岩手版、登場人物みんなが出て来る故郷編・東京編が載っていて嬉しい!

・巻頭アンケート「おら、『このシーン』が好きだ!」の14人の声にはうなずくことしきり!(甲斐よしひろ/吉田戦車 他)

・青木俊直「本日のあまちゃん絵」傑作選23点は映像なら見尽くさなければならない場面がそれぞれ一目で、「ここだ、これだよ!」と思わず声を上げたくなる!(7月中旬放送分まで。掲載されていない絵、7月後半以降の絵は、こちら https://www.facebook.com/ToshinaoAoki これは実は知りませんでした。素敵です。単発のイラストにも面白いものがあります。)

・木俣冬「週別『あまちゃん』おさらいレビュー」は第16週までの分です。ネットで掲載なさっている(これもおっさんは知りませんでした)ものに加筆してあるとのことで、密度が濃くて唸ってしまいます。ネットでいろんなまとめを読むのも楽しいけれど、木俣さんのこの的確なまとめを手にもって読めるのは最高の宝物を得た気分にさせてくれます。17週目以降はこちらで。 http://www.excite.co.jp/News/reviewmov/20130816/E1376543202437.html?_p=2

・北三陸に俄然行きたくなる巻末カラー「『あまちゃん』北三陸ロケ地巡礼ルポ」(安田理央さん)と、続く青木さんのイラストルポ!!!

この他、勉さんやミズタク、美保純ファンにはたまらないエッセイや対談もあります。

Amazonでもいまんとこ順調に手に入ります。1400円+消費税。
http://www.amazon.co.jp/dp/4594069029/

付:「あまちゃん 歌のアルバム」
試聴できます!
http://www.amazon.co.jp/dp/B00EAC0VN0/
http://t.co/9gR9zHlOVh
Amachansongalbum 潮騒のメモリー(天野春子ヴァージョン)
暦の上ではディセンバー
地元に帰ろう(GMT)
いつでも夢を(橋幸夫と吉永小百合のオリジナル)
南部ダイバー (磯野先生と北三陸高校潜水土木科生徒たち・・・ドラマ中で使うために収録されたものらしく、アキちゃんの声も入っていますし、最後に「カット!」の声も聞こえます)
潮騒のメモリー (太巻デモバージョン)
地元に帰ろう (太巻デモバージョン)
いらないバイク買い取るぞう! (CM)
潮騒のメモリー (お座敷列車バージョン)
南部ダイバー (種市高校フルバージョン)
暦の上ではディセンバー (オリジナル・カラオケ)
地元に帰ろう (オリジナル・カラオケ)
いつでも夢を (1964バージョンカラオケ)
南部ダイバー (カラオケ)
潮騒のメモリー (スナック梨明日カラオケ)

・・・初回封入特典のアメ女シングルCD着せかえジャケット4枚セット , GMT推しメンカラーロゴステッカーがたまらず買ってしまった私でした!

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2013年9月 1日 (日)

【2013年9月】阿部千春さんバッハ無伴奏ヴァイオリンリサイタル(京都・東京は地図あり)

コンチェルト・ケルンで首席をお勤めになったりとご活躍の阿部千春さん(武蔵野音楽大学出身)が今月下記の各所で演奏会をなさいます。
・9月14〜15日:京都(カフェモンタージュ)
・9月16日:岡山(蔭凉寺)
・9月20日:東京(新高円寺 SKホール)

彼女は長年ドイツに在住、日本ではまだまだ味わえない本格的な古楽の担い手として、現地でも高い信用を勝ち得ている堅実な音楽家です。
バロックの楽譜を地道に熱心に研究してきていらっしゃるので、そのバッハ解釈も、バッハ好きなかたには抜群に面白いものです。是非この機会にご一聴下さい。
会場は各地ともコンパクトながらバロックヴァイオリンの響きに相応しい好会場ばかりです。

          ⓒY. Hasumi

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【東京】

9月20日(金) 19時開演  SKホール 新高円寺

 ヨハン・セバスティアン・バッハ
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番 BWV1001 ト短調
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ2番 BWV1003 イ短調
    シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番
                  (BWV1004 ニ短調 より)
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ3番 BWV1005 ハ長調
          
           全席自由 4000円
           お問い合わせ   菊地 03-3992-7256   090-4431-5636

SKホール地図

Skmap
   
当日になってしまいますので、あとは現地にて・・・(ご予約等については私も承りますので、ブログ上部の「メール送信」でメールを下さるか、この記事にコメントをお入れ下さい。)


ご本人からお客様向けのメッセージを無断ですが引き写させて頂きます。
下線や色づけで読みにくくしたのは私です(汗)。


京都では2日にわけての6曲全曲演奏となります。数年前から”是非全曲を!”とのリクエストを京都のファンの方から頂いていまして、ようやく重い腰をあげることになりました。
資料を漁っているうちに、ドレスデン国立図書館に(紛失して残っていませんが)18世紀当時の写譜があったという事実を知りました。世界大戦前にその内容を記録した学者による曲順が今回の京都でのものです。
この無伴奏ヴァイオリンの6曲の成立に関しては未だに分からない部分が多いのですが、ドレスデン宮廷のヴァイオリニスト、ピゼンデルのために書かれたらしいという説があります。これが事実だとすれば、ドレスデンにあったというこの写譜はピゼンデルが所持していた可能性もあり、実際に演奏する立場からみるとこの曲順は非常におもしろい組み合わせです。

東京ではソナタ3曲をいれてみました。
ドイツ人音楽学者のヘルガ・テーネ氏によると、この3曲はキリスト教の3大イヴェント−クリスマス、キリストの受難&復活、精霊降臨祭―がテーマ、だそう。これには賛否両論あって公に彼女を攻撃している論文なんかも出ています。
信じる、信じないはともかく、そう見ると内容的に納得してしまう部分もあるので、一度この曲順でやってみようという試みです。

その他曲にまつわる話、まつわらない話、取り混ぜてのトーク付きの演奏会にするつもりですので、是非いらしてくださいね!! 


カフェモンタージュ地図
Cafemontage


【京都】終了〜初日お出掛けになった方の感想ツイートを末尾に追加しました。

9月14日(土) 19時30分開場 20時開演  京都・カフェモンタージュ 入場料2000円

ヨハン・セバスティアン・バッハ
    無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ1番 BWV1002 ロ短調
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ2番 BWV1003 イ短調
    無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番 BWV1004 ニ短調

9月15日(日) 19時30分開場 20時開演  京都・カフェモンタージュ 入場料2000円

 ヨハン・セバスティアン・バッハ
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番 BWV1001 ト短調
    無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ3番 BWV1006 ホ長調
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ3番 BWV1005 ハ長調

 お問い合わせ  カフェモンタージュ 075-744-1070
  montagekyoto★gmail.com   (★を@に置き換えてご利用下さい。)
  http://www.cafe-montage.com/


【岡山】〜終了

9月16日(月) 14時20分開場 15時開演  岡山 蔭凉寺 前売3000円、当日3500円
                      (65歳以上の方は無料)
 ヨハン・セバスティアン・バッハ
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ1番 BWV1001 ト短調
    無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ3番 BWV1006 ホ長調
    シャコンヌ 
      無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番 BWV1004 ニ短調 より
    無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ3番 BWV1005 ハ長調

 お問い合わせ・ご案内  蔭凉寺(あいうえおんがく) 担当:篠原

            Tel.086-223-5853  Fax.086-223-5860 
            inryouji★mac.com   (★を@に置き換えてご利用下さい。)

 チケットお取り扱い   ぎんざや 086-222-3244
               蔭凉寺  086-223-5853


【京都での感想ツイートから】

RT: Vn阿部千春さんatカフェモンタージュ:パルティータ1、ソナタ2、パルティータ2の順で演奏。いずれもこんなにも表現変わるんか!という。バッハでひとくくりに出来んなぁ。最初のパルティータ1のバッハ自筆楽譜のコピー見て、びっしり音符が詰まって上下している。そのイメージ通りの演奏!
 CDでは何種か聞いたけど、生で、しかも小空間で聞くバロックヴァイオリンは迫力すごい。バロックVnの楽器の解説もいただきましたがアーティキレーションがモダンよりしやすいとの事。バッハが語ってくる!

RT: 演奏会から帰宅した後、興奮のせいか、今夜は胸苦しくてなかなか寝られないにゃう。バッハの無伴奏バイオリン曲集、阿部千春さんのバロックバイオリンで、全6曲を今日と明日の2日間に分けて。
 すごい演奏だったなあ。音楽学研究に基づく曲解釈のお話も抜群に面白かった。名立たるバイオリニストが弾く美麗なコンサートピースとしての“バッハ無伴奏”ではない、なまなましい曲の息づかいを教えてもらった感じ。特にシャコンヌは、これを聴いてしまうともう後戻りできないな、と。

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