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2013年2月 1日 (金)

ルソー「告白」の中のラモー(大井浩明さん「ラモー《コンセールによるクラヴサン曲集》演奏に寄せて)

2月2日(土)カフェ・モンタージュにて(予約制)
http://ooipiano.exblog.jp/19200471/

予約制ですので地図を掲載しません、お許し下さい。
上記リンクから予約下さい。まだ席があるかしら・・・

明日になってしまいました。
京都だし、残念だけれど行けないし。

ラモーの音楽は、幾つかのオペラ(およびアクト・ド・バレ)と標題のついたクラヴサン曲が大好きですが、それしか知らず、主要作品だそうでありながら、《コンセールによるクラヴサン曲集》5曲は私にとって未知のもの(聴いたことのある作品集には含まれていない)だから、聴きたかったのですけれど。

ラモーはまた、和声理論の嚆矢であったことで世に知られており、邦訳も出ていますね。この人の和声理論がなかったら・・・遠回しにではありますけれど、日本の第2次大戦後の音楽にきらびやかな和声が付けられることもなかったんじゃなかろうかと、勝手に思っています(松平頼則だとか矢代秋雄だとか)。
思想家ジャン・ジャック・ルソーが、その和声理論書で懸命に作曲のための独学をしたことも、ルソーの「告白」に記されていて有名です。
なおかつ、その後、ラモーの狭量な性格(?)がルソーとぶつかり、ルソーによってけちょんけちょんにけなされたこともよく知られています。
(ルソーとラモーの論争については、Wikipediaの記事末尾に表のリンクがあるこちらのサイトに克明にまとめられています。 http://rousseau.web.fc2.com/jronbun/musi4.htm

ラモーの本当の性格は私には知る由もありませんが、ルソーの記述にも関わらず、また、ラモー自身の理論がどうであったかにも関わらず(強固な和声理論を持っていたとはいえ、旋律性も豊かです)、ラモーがたいへん素晴らしい作曲家であったことは、今日なお新鮮に響く作品からも明白です。

せめて、たった二ヶ所ではありますが、「告白」にある、ルソーによるまだ蜜月時代の記述(でもルソーはこれをラモーとさかんに論争したあとから綴っている点を忘れてはなりません)で、思いを馳せることと致します。訳は、岩波文庫の桑原武夫さんのものによります。

イタリアで闘っている最中、フランスでは歌っていた。ラモーの歌劇(『イポリットとアリシ』1734)が評判になりはじめ、同時に、いままで難解のために少数の人にしかわからなかった彼の理論的著述が知られだした。ふとしたことで、わたしは彼の『和声論』のことをきき、それからはこの本を手に入れるまで心が落ちつかなかった。(第5巻)

わたしの方式(=ルソーの編み出した、数字を使った記譜上の工夫)にたいするたった一つのしっかりした反論は、ラモーによってなされた。わたしが彼に説明すると、彼はただちに弱点を看破した。彼はいった。「あなたの記号は、音の長短を簡単明快に決定していること、また音程を明瞭にあらわして、単音程をいつも複音程の中で示していることなど、すべてふつうの音符ではできない点で、たいへんすぐれています。しかしこの記号は、頭のはたらきを要求する点がいけない。頭はいつも演奏の速度についてゆけるとはかぎりませんから。」彼はことばをつづけた。「わたしたちのつかっている音符は、べつに頭をはたらかせなくても、ひとりでに目にうつります。二つの音符が、一つは非常に高く、一つは非常に低いとき、そのあいだに連続した音符があって、この二つの音符が結びつけられておれば、わたしは一目で音程のつづき工合から、一方から他方への進み方を理解できます。あなたのばあいに、この連続を了解しようとすれば、どうしても一つ一つその数字を拾いよみしなければなりません。ちらっと見るだけでは何にもならないのです。」この反論にはかえすことばもないように思い、わたしは即座に承服した。この反論は単純で明瞭なものだが、よほどその道に通じていないと思いつくことのできるものではない。だから、このような反論がアカデミ会員のだれからも出されなかったのは、おどろくにはあたらない。けれども博識な大先生がたがそろいもそろって、自分の専門外のことについては判断を下すべきでないということを、ほとんどごぞんじないのはおどろくべきである。(第7巻)

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