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2012年2月26日 (日)

竹澤イチローさんの作品

音痴なのにいつも音楽で饒舌です。
もっと分かってないのに美術の記事です。

・・・なんだって好きなんだからそれでいいのだ。

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http://www.ichirotakezawa.com/home.html

JR恵比寿駅から、構内に設けられた恵比寿スカイウォーク(東口改札を出て右手いわゆる動く歩道)を最後まで乗継いで、恵比寿ガーデンプレイスをめざしますと、表に出ても下に降りても三越にたどり着けます。三越の中に入ってしまったら2階に行ければすぐ分かります。)


竹澤イチローさんの作品は、Amazonで入手したその作品集『オホーツクの光凛』(楽天で入手可)を拝見して心魅かれてからずっと、<印刷されたもの>や<撮影されたもの>ではなく、是非、目でじかに見たい、と思い続けてきました。

いま、恵比寿三越2階アトリウムで、エスカレーターを上がって行きますと正面にロジェ・ボナフェの絵が並んでおり、その真向かいにイチローさんの作品が展示されているので、これは私が足を伸ばせる範囲内ですので、チャンス到来とばかり喜び勇んで行って参りました。

やっぱり、美術作品は実際に目で見なければいけません。実感しました。
上に貼付けた、今回の作品展の案内に引かれている絵も、印刷されたものでは、さりげないワンショットだという面しか捉えられませんが、頭を飾るハイビスカスの質感が生き生きとしたものになるために・・・別にそれだけのためにではないのですけれど・・・絵の下地にユニーク素材がさりげなく使われていたりします。たとえばそういうもののヴァリエーションを本当に肌身で素朴に

「なるほど! 面白い! でもこうやっておいらも遊べるだろうか?」

とわくわく眺めるためには、美術作品単体の像を捉えるうえで、とくに普及版の印刷は、どこまでつきつめても究極の技術と呼べるものには達しないのだな、と、強く印象づけられます。

あるいはまた

「あれ? 同じみたいなんだけど・・・いや、似てるんだけど・・・違ってるんじゃない? なんでだろう?」

とハッとさせられることが尽くせないほどあるのもまた肉眼で見る妙味です。

同じ構図の全体の色彩イメージをすっかり逆転させてみたり(ちょうど補色関係にあるかと感じる2点はイチローさんのサイトのWhats Newをスクロールしてお探しになるとご覧になれます)、小さな描き込みを繊細に加えることで、音楽で言えば、それこそ<響き>が全く変わるのです。ただし、これらについても、次に述べます理由で、じかに見ることに及ぶだけの観察はネット上だけでは出来ません。

不思議なもので、撮影では消えてしまうものがあるのです。

お許しを頂いてケータイで写真を撮った版画の小品があり、これは『月刊美術』3月号【実業之日本社】での紹介されているものなのですが、実物が持つ光や空気が失われるのは当然として、同時に<喪失>するものが、ずっとへたくそな自分のケータイショットでも、きちんとした雑誌の紹介写真でも、まったく同じ種類の<喪失>であることには、ほんとうに驚かされました。

私にはうまく言えないのですけれど、絵の描き込まれた素材感、さらに下地の素材感、もうひとこえ素地の素材感、の、この組み合わせだけでも絵(美術作品)の 中にはひとつのストーリーが出来上がります。ただし、それは字では書けないストーリーだし、イチローさんがいま中心にしていらっしゃるセワッピー(アイヌに息づいてきたセワポロロという妖精【神様?】がイチローさんのなかで結晶化した、マスコットでもありシンボルでもある気がする)の<輪郭としての>キャラクターに必ずしも依存しない。たとえば飾られていた作品の中に、私の大好きなイチローさん作品「天国の門」(『オホーツクの光凛』21頁に掲載)にクリムトの牙を抜いたようなデザインの衣装をまとったセワポロロが中央であどけなく立っているものもあったのですが、ここではセワポロロはその印象的な衣装にも関わらず、自己主張しないのです。セワポロロがいないままの「天国の門」では、それを眺めるこちらは「どうやって門をくぐろうか?」と戸惑うかも知れない。それを、この妖精が「あどけなく」立っていること で、「あなたも入ったり出たり、好きなように出来るんだよ」と、また他の誰かが見えないところからこちらに話しかけてくるのです。

・・・能書きをなんぼ垂れてもしかたありません。

一昨日2月24日が初日でした。3月8日までです。
是非お出掛け下さい!


あいのてさんコンサートinふれあいこどもまつり:3月4日日曜日(東京都小金井市)


カンツォーネ・ナポレターナ マスタークラス(東京イタリア文化会館にて:青木純さん)

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