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2010年10月 5日 (火)

静かな振幅〜筒井一貴プレイエルピアノによるショパンリサイタル(2010.10.5)

筒井一貴さん

「蘇るショパン時代の音色」--当時のプレイエルピアノ(1841年製)で味わう--

を拝聴して参りました。

事前には1844年の楽器だと思い込んでおりました。3年早い時期のものなのでした。
構造上、ハンマーが見えず、ダンパーが小さめの楽器です。

たくさんは、述べられません。述べる言葉がありません。一貫して感じられた、そのことのみ綴ります。

マズルカ14曲、ノクターン6曲、というプログラムでしたが、マズルカはそのリズム感--マイヤーベアが二拍子だと言い張ってショパンを怒らせたエピソードがあります--を、筒井さんご自身なりに大変吟味なさっていて、ノクターンもパラフレーズになる部分の伸縮が決して不自然にならないように消化しきっていらっしゃり、楽器そのものだけでなく、演奏自体が、そんじょそこいらに出回っているものとはまるで違った、マンネリズムに陥らないものでした。

しかも、全編、「静かなショパン」でした。

おそらく、楽器のせいではなく、タッチの制御で音量も抑制気味になさっており、これはショパン自身の演奏に関するミクリらの情報をたいへんに勉強なさったのだと思われますが、それでいながら、ディナミークレンジはpからffまできっちりとつけていらっしゃる。

「ショパンの曲は弱々しく弾きさえすれば正しい、と思い込んではならない」

と、プログラムノートにご自身が記していらしたことを、ご自身の戒めとしてこられたのを強く感じさせられました。

お人柄そのままの暖かい演奏、会場も暖かい静けさにつつまれていました。

このときにだけしか聴けなかったショパン、でありました。

アンコールは、ベルクルーズ。

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