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2010年6月 3日 (木)

ナポレオンは関係なかった?〜「エロイカ」の葬送行進曲

上田美佐子さん(中世フィドル・ヴァイオリン)コンサート
・5月30日(日)西荻窪のサンジャック〜終了
・6月16日(水)日本福音ルーテル東京教会
・7月11日(日)絵本塾(四谷)
です。ユニークです。是非足を運んでみて下さい。詳細は上記お名前のところにリンクしてあります。



oguraooi.jpg 2台のピアノによる「モーツァルトピアノ協奏曲全曲演奏会」第2回決定しました(京都7月3-4日、東京7月27日)。とりあえずバナーに大井さんのブログ記事をリンクしました。なお、門仲天井ホールで9月23日に「松下眞一《スペクトラ》全6曲(歿後20周年)+野村誠」演奏会が行われます(確定)。大井さんの新譜(ベートーヴェン:ヴァルトシュタイン・アパッショナータ)、HMVにリンクを貼ってあります。

コネタです。
なお、リンクしたYouTube画像の演奏の質は問うていません。

3年前、THのO先生が、あるレクチャーコンサートで<エロイカ>を演奏する際のプログラムに
「葬送行進曲はフランス革命の産物だ」
というのに等しい内容の小文をお載せになり、もの知らずな私は目を開かれる思いで、アドレスをたまたま存じ上げていたそのコンサートの指揮者先生に
「プログラムの文の要旨だけでもブログに綴ってよいでしょうか?」
とお伺いを立てたところ、
「O先生はこのことで論文を発表なさるご予定だから控えて欲しい」
なるご返事で、残念な思いを致しました。

・・・で、ふとそのことを思い出し、ベートーヴェンの交響曲についての比較的新しい新書をパラパラめくったのですが、その新書のご著者は、あいもかわらず、葬送行進曲をナポレオンとばかりむすびつける記述をなさっていて、がっかりして帰ってきました。(その他の部分についてはもっとまえにがっかりしていたので買っていなかったのですが!)

どんなものか、と思って、さっきサイトを探しましたら、大変よい説明がありました。

http://homepage3.nifty.com/jy/essays/beeth_funebre.htm

リンクはお綴りになった吉成順様にお許しを頂きました。ありがとうございます。

こちらの文によれば、フランス革命に関連して、ベートーヴェンが高く評価したメユールや、当時のフランス音楽界の重鎮だったゴセック、ケルビーニらが「葬送や追悼の儀式をも、民衆を団結させ、革命への意識を高めるために利用する」うえで意義深いものとして、葬送行進曲を「古代ローマを理想とする共和制実現のシンボルとしての意味を持」つものとして提供した由。
ちょうどフランス移住を視野に置いていたベートーヴェンが、「革命当時のフランスの音楽状況」を鑑み、「ナポレオンを讃えるにふさわしいものとしての積極的・肯定的な意味を荷っ」たものとして「ナポレオンにも抵抗なく理解できる意味」を持つ葬送行進曲を<エロイカ>の中に「共和制実現のシンボルとして」配置したのだとのことで、非常に納得のいくご説明です。
であるがゆえに、<エロイカ>の葬送行進曲は、この交響曲が<ブゥオナパルテ>として計画された当初から作られたのでもあり、ナポレオンに捧げる目的が頓挫してもなお<エロイカ>の中にそのまま留まったのであって、ナポレオンの将来を予兆するものでもなんでもなかったわけですね。。。

なお、リンク記事は1999年のもので、O先生の先の話に先立つこと8年、かつ研究者ソロモンの文をご参照なさっているようですから・・・これは実はそう目新しい知見でもなかったのでした。

葬送行進曲そのものは、私の狭い視野では、有名作曲家でもフランス革命以後の作品に取り込んでいる例しか見いだせません(モーツァルトの1784年作が、そうしたものの最初になります)。かつ、フランス革命以後、主にフランス革命なり自由思想なりに関心の高かった作曲家たちの作例の中に、以前の時代から断絶して急にたくさん目に入り、耳に入るようになります(シューベルト、ベルリオーズ、ショパン、リスト)。

という次第で、「葬送行進曲」は、個人向けの弔意を現す音楽とは見なし得ないのではないか、との感慨を抱いておる次第です。

ちっこい話でスミマセン。
モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンの作例。ベルリオーズのは大規模すぎるためか見つからず、リストのものは(モーツァルトの例以上に)ちょっと載っけるのに耐えないのでやめました。

・モーツァルト(K.453a)midiでしょうか?

・ベートーヴェン(ピアノソナタ第12番から〜ミケランジェリ)

・ショパン(ラフマニノフの演奏)

フランス革命期そのものの音楽のCDは入手が大変困難のようです。(T_T)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~french/data/cd/la.html


oguraooi.jpg 日本で本場のカンツォーネを聴かせて下さることにかけてこれ以上の方はいらっしゃらない、青木純さんの今後のスケジュールは、こちらをクリックしてご確認下さい。

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