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2010年6月16日 (水)

ウィーン便り

ウィーン在住のすてきな若手ヴァイオリニストさんの日記から。
いいお話でしたので、ご本人のご了解を得て転載させて頂きます。
段落を若干改編しております。



先週の土曜日に カリン&ドリスのチクルス(連続演奏会)に また コッティングブルンにいってきた。
気温は 35度ぐらいで しかもものすごい湿気で黙っていても汗がでてくる。
ホールはエアコンなんてないし、蒸し風呂のようだったので、窓が開いている。

楽屋とステージの湿度も違うため、カリンでも調弦が大変そうで
う~わぁ~う~わぁ~・・・まるで私みたい・・・

弾き始まったら ものすごい雨音と風の音、湿気がばんばんホールへ入ってくる。
いつも 涼しい顔して弾くカリンの顔が真っ赤で汗だく。。
あんなCの姿みたのは初めて。
慌てて係の人が窓を閉めて 楽器も少し落ち着く。
しかし、あの暑さのなか カリンもドリスも見事な演奏、さすが!

演奏が終わって 楽屋に挨拶にいったら いつものごとく 打ち上げに一緒にいこう~と誘われたけど 前回もウィーンに帰ったのが真夜中だったので ちょっと疲れ気味だったので 今回は列車で帰ることにした。

カリンが
「チェリストのK教授も同じ列車だから 一緒に帰りなさい」
と。

ドリスの
「え~っ!なんで~? いこうよ~」
というのを振り切って  駅へむかって ホームでうろうろしていたら、下のほうから

「お~い! そこのお二人さぁ~ん! そっちの方向は旅行するには景色はいいが お家には帰れないよ~ こっち!こっち!」

とそのチェロの教授の声。

その教授はもう大学は退官されたが、ウィーンでは有名な名誉教授で、 夏のCの講習会のときに 同じくコースされてて 何度かお顔は拝見したことはあったがお話したことはへ初めて。
列車は鈍行列車なので1時間 いろんなお話をした。

カリンとドリスの話にもなって

「今日も素晴らしい演奏だったね~。あんな状況の中で あれだけ弾けるなんて凄いね~。あの二人は 音楽的才能があって、テクニックもあって凄いよね。でもね、もっと凄いのは、人間性なんだよ、 人間が素晴らしい!! 人間性が音楽にでるんだよ。 音楽家って ちょっと弾けるとなにか勘違いして 威張りくさってる人が多いからね。妻もし、子育てもし、自分の本番もちゃんとこなす。そうそうできることじゃないよ。 我々演奏家は 練習して当たり前。どんなに寒くて手がかじかんでも、今日のように暑くて汗で指が滑っても弾かなきゃならん・・大変ことだよね・・・」

など いろんなお話をしてくださった。とっても素敵なジョーク混じりで・・。

「カリンの先生は立派な教授で、私は自分が大学の先生になっても、彼からいっぱい学んだよ。。」

とおっしゃったのも印象的だった。

カリンの先生が生きてらしたら たぶん同じくらいのお歳だと思うけど、なんという謙虚さ。 自己顕示欲のかけらもない。おっしゃる一言一言がすーっと入ってくる。

「僕はね~歌が大好きでね、歌ってるんだよ。若い時に歌習い始めたら、年取ったら声でなくなるからやめなくちゃいけないでしょ? でもね、70歳過ぎて習い始めると90歳まで歌えるよ、あはは」
とか・・

・・・・・そして
「君の演奏が聴いてみたくなった。コンサートないの?」
「は、はい・・10月の終わりに・・」
「何日?住所教えるから 案内状送ってね、聴きにいくよ」
「は、はい・・」
「それで曲目は?」
「ベートーヴェンのソナタ「春」とストラビンスキーのイタリアスゥイートとシュトラウスのソナタです。」
「ぷはぁー!! 凄いプログラムだねー!」
「は、はぁぁ。。」(身の程知らずかっ )

・・・ここでは書ききれないくらい いろんなお話をしていただいた。

一駅先に降りられるときに
「じゃあ~ 忘れずに案内状送ってよ。今日 僕と一緒で退屈しなかったことを望むけどね・・」
「もちろん 今日はとても楽しかったです! お知り合いになれて光栄です!」
「あ、そーだ、 僕の90歳の誕生日パーティに招待するよ!」
「はい!喜んで~!! ありがとうございます!」
「まだ8年間あるけどねっ じゃあ また会おうね~」

これも ウィーンのエレガンスか。。
薄っぺらなプラスティックでなく、本物べっ甲の深い色を見た気がする。



アマチュアオーケストラ、東京ムジークフローの定期演奏会は6月19日(土)浅草公会堂にて。モーツァルト:「魔笛」序曲、ブラームス:交響曲痔3番、サン=サーンス:「アルジェリア組曲」です。

上田美佐子さん(中世フィドル・ヴァイオリン)コンサート
・5月30日(日)西荻窪のサンジャック〜終了
・6月16日(水)日本福音ルーテル東京教会〜終了
・7月11日(日)絵本塾(四谷)
です。ユニークです。是非足を運んでみて下さい。詳細は上記お名前のところにリンクしてあります。

oguraooi.jpg 2台のピアノによる「モーツァルトピアノ協奏曲全曲演奏会」第2回決定しました(京都7月3-4日、東京7月27日)。とりあえずバナーに大井さんのブログ記事をリンクしました。なお、門仲天井ホールで9月23日に「松下眞一《スペクトラ》全6曲(歿後20周年)+野村誠」演奏会が行われます(確定)。大井さんの新譜(ベートーヴェン:ヴァルトシュタイン・アパッショナータ)、HMVにリンクを貼ってあります。

oguraooi.jpg 日本で本場のカンツォーネを聴かせて下さることにかけてこれ以上の方はいらっしゃらない、青木純さんの今後のスケジュールは、こちらをクリックしてご確認下さい。

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