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2010年5月10日 (月)

曲解音楽史68)近代アフリカ(北アフリカ)

過去の音楽史関連記事はこちらの「曲解音楽史:総合リスト」からご覧頂けましたら幸いです。



足りない事だらけだと思いますので、ご存知のことをどんどんお教え頂ければ幸いに存じます。

TMFでサン=サーンスの「アルジェリア組曲」をとりあげることもあり、音楽史観察は北アフリカから再開かな、と思ったのでしたが、アフリカ史の書籍を行方不明にしてしまい、かつ、代わりの史料を探してもいいものがありません。

したがって、お恥ずかしいかぎりですが、近代アフリカの社会のどんな側面が音楽に結びついているかを記すことが出来ません。

植民地化か独立保持か、は、ヨーロッパとの関係において、ナポレオン戦争に先立つフランスやイベリアの王政期に既に兆している問題で、そうあっさりひもとけないのだ、との点は、前提として承知しておく必要はあるでしょう。ただし、中・南アフリカ諸地方で問題が深刻となるには、これらの地方は20世紀より前にはまだ秘境であり、ヴィクトリア朝盛期のイギリスが大陸ヨーロッパの隙をねらおうとするまではまだ「別世界」でいることができていたかもしれません。
・・・また史料を探しますが、ご教示頂けるようでしたら、なお幸いです。

中・南アフリカ音楽については、恐縮ですが材料を揃える能力がありませんので省きます。

北アフリカの地中海沿岸諸国は、そうでなくてもヨーロッパ、アラブ双方の世界と長く接点を持ち続けてきており、とりわけアラブ色の濃い音楽で、双方を結びつけていたかに見えます。
アラブ系音楽は、ヨーロッパでは独特な節回しの短調で模倣され、エジプトではバルトークやヒンデミットも招いて、これを大衆化することを自国の正統に仕立てる祭典を開いています(1932年)。この試みは成功し、アラブ系近代エジプト大衆音楽は現代では日本でいえば演歌に相当するような位置をしめることとなりました。

「魔王の歌」
魔王の歌
エジプト国立アラブ音楽アンサンブル KING RECORDS KICW 85039

同じアラブ伝承を謳いながらも面白いのは、モロッコのアンダルス音楽です。
こちらはイベリア半島との繋がりが古く、名称から察せられるように、レコンキスタでイベリアから追放された「アンダルシア音楽」の直系を称していますし、CDの解説もそのようになっているのですが、ヨーロッパでの模倣はあまりなされていないように感じておりますし、なされる場合は(サン=サーンス「アルジェリア組曲」第2曲最終部のように)長調のものが多いのです。
で、この、長調に翻訳される曲調は・・・20世紀中葉にはフランスの見よーがその代表的存在となりますが、ミヨーの模倣は通説のように、あるいはミヨー本人がそういったのかもしれないように「ジャズ」からのものだ、と見なすには少々無理があって・・・ヨーロッパの浸透が遅かった中アフリカの音楽の特徴に近いものがあるように私は感じます。
民族音楽の録音で「アフリカ音楽」と称するごく一般的なものは、ふたを開けてみると、先のエジプトのような「短調系」のものは少数派で、ほとんどが明るくて軽快なのです。
したがって、歌詞がイスラム風であっても、アンダルス音楽は、その名称とは異なり、アフリカ元来の旋法とリズムを内包していると考えるべきなのではないかと思っておりますが、このあたりは、お詳しい方のご教示を是非受けたいと思っております。・・・そのチャンスが、いずれは巡ってきますように。

「おお、崇高な家柄にうまれた貴人よ」
おお、崇高な家柄にうまれた貴人よ
アミナ・アラウィ他 KING RECORDS KICW 85041

中身が無いに等しくて恐縮ですが、中・南アフリカの近代音楽については皆目分かりませんので、これでお茶を濁させて頂くことと致します。


oguraooi.jpg 2台のピアノによる「モーツァルトピアノ協奏曲全曲演奏会」第2回決定しました。また掲載します。とりあえずバナーに大井さんのブログ記事をリンクしました。なお、門仲天井ホールで年9月に「松下眞一《スペクトラ》全6曲(歿後20周年)+野村誠」演奏会が行われる模様です。大井さんの新譜(ベートーヴェン:ヴァルトシュタイン・アパッショナータ)、HMVにリンクを貼ってあります。
oguraooi.jpg 日本で本場のカンツォーネを聴かせて下さることにかけてこれ以上の方はいらっしゃらない、青木純さんの今後のスケジュールは、こちらをクリックしてご確認下さい。

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