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2010年1月11日 (月)

「楽器からのメッセージ」(書籍紹介)

コンサート「麿と素敵で愉快な音楽家さん」は2月7日、新宿オペラシティ内の近江楽堂で。顔ぶれも曲目も魅力的です。是非お出かけ下さい。



アマチュアオーケストラ、東京ムジークフローの特別演奏会は1月17日です。入場無料。

続けてご紹介したいコンサートは連続もの、かつ2つのエリアで行なわれますので、改めてご紹介します。

今日は、ここ1週間以上かけて夢中で読んだ本をご紹介します。

すでに2000年には出版されていたので、
「しまった、読むのが遅すぎた!」
でもあります。これを前に読んでいたら、音楽史の原初の部分についてのへそ曲がりな捉え方も、もう少しへそ曲がり度を上げられたかもしれません。

511z63z1n9l_sl500_aa240_『楽器からのメッセージ』西岡信雄著、音楽之友社 ISBN4-276-21294-4 C1073

月刊誌「ミュージックトレード」、「音楽鑑賞教育”おんかん”」に連載したおもしろ記事から選び抜かれた33のトピックからなります。
読むのに時間がかかったのは、難しいからではありません。ひとつひとつのトピックが新鮮で、じっくり読みたくなったからです。

いくつか、タイトルと本文を引用します。

<一度にたくさんの音を出したい>
地球上のあらゆる生物の中で、もっとも欲の皮が突っ張っているのは、当然、人間である。・・・音楽に関するこうした人類共通の欲望のひとつに”一人で一度にできるだけたくさんの音を出したい!というのがある。・・・「二兎を追う者は一兎をも得ず」と知りつつ、人類はみな二兎を追いたがる。音楽家も同じである。・・・この欲張った発想の過程で様々ユーモラスな工夫を世に紹介してきたことを評価するほうが前向きである。

・・・これ、以前池袋のサンシャイン通り(それより昔は新橋が所在地だったそうです)に「ミュンヘン」という欧風居酒屋さんがあって、そこには鍵盤を弾いたりレバーを押し引きすると上に置いてある人形たちが踊ったり打楽器を鳴らしたりするにぎやかなオルガンがあって、名人Mさんがいつも演奏していたのを思い出させてくれました。アコーディオンの名手でもあったこのMさんには僕も「いぢめられた」経験があって、「おまえ、一緒にヴァイオリン弾け」ってんで弾かされるのはいいのですが、途中でどんどん曲が変わる。で、その中に知らないメロディもいっぱい混じっている。いやはや、でしたが楽しかった。Mさんがご高齢になられ、お店が無くなってしまったが残念です。

すみません、脱線しました。

<楽器動物園>
こんなものが一つぐらい世の中にあっていいように思う。何しろ膨大な数と種類の動物たちが楽器の中にいるからである。

これは、本文をお読み頂いてのお楽しみ、としましょう。

<風の神が奏でるハープ>
楽器は普通人間が奏でるもの。これを風の神に奏でてもらうとどういうことになるのか。・・・(そのようなある「ハープ」について)音響学者が実験を繰り返した結果、どうやら風速と弦の太さが鳴る音の高さを決めるらしいことがわかった。風は当然一定の速度で吹くわけがないので、風の速度に応じて音は万華鏡のように変わる。それぞれの弦から出るその「偶然のハーモニー」を楽しむのがエオリアン・ハープなのである。

等々。

要するに、いわゆる民族楽器と言われるものを主に採り上げながら、楽器を通じて人類は音をどうとらえてきたのか、という話が満載なわけです。でもって、引用してきたのは、その中でも比較的当たり前の例に過ぎません。

タイトルだけ、さらにいくつか。

・管を巻く
・ヴァルブか、スライドか
・S・M・L・LLサイズ楽器考
・中国から飛んできた蝉   (笛の話です)
・水琴窟
・地球を鳴らす
・太鼓と巴の相性
・チンドンとゴロス     (チンドン屋さんの楽器の話。)
・揺すってみて、考える   (銅鐸はどう演奏されたのかの実験!)

いわゆる楽音を扱っているのは一目瞭然です。

音ってなんと面白くて、謎と神秘が多いのか!

・・・どうぞ、お手に取ってみて下さい。



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コメント

 目次に水琴窟が入っていたので飛びついて、早速、買いました。
興味深い記事でした。文中に出て来る書物や新聞は,売ってないので、
今日、あとで県立図書館に行って調べて見て来ます。

 水琴窟に凝って,色々聴いて楽しんで来ました。でも、公開している処は、
県内では三箇所しか有りません。個人では数十人持っていらっしゃるようですが
聴かせて頂くわけにはゆきませんし、何処の誰かも判りません。

 公開していても,時間的に早く閉めたり、車椅子で入るには困難だったり、
遠方だったり、なかなか思うに任せません。それじゃ、いっそ作ろう、と
いうことになって,数年前、三種類,聞き較べの出来る水琴窟を作りました。

 甕は備前焼と常滑焼とガラスの壺です。ガラスは本邦初だそうです。
平らなウッドデッキにしたので,車椅子でも入れますし寝転んでも聴けます。
大甕じゃありませんが、それぞれに違った音色で,涼やかです。

 ご紹介のご本は、音に関して様々なことが書かれていて楽しそうです。
ゆっくり拝見します。表紙も素敵です。活字が小さめで情報満載の感じ・・♪
本棚の貴賓席に置くコトにしました。良いご本を有難うございました。

投稿: さざ波moo | 2010年3月 7日 (日) 10時14分

mooさん、いつもありがとうございます。
掲載の文献は貴重なものばかりのようですから、お探しになるのは大変かもしれませんが、いい情報がありましたら是非私にもご教示下さいね!!!

ガラスの水琴窟、どんな音がするのでしょう?

ガラスの風鈴は、想像していたほどいい音がしないのです。大きすぎるものだったからだと思うのですが。

ヨーロッパのグラスハーモニカは澄んだ音がします。
・・・で、これは「質のいいガラスのコップじゃないと出来ない」と言われていたんですが、酔っぱらって安物のビールのコップで試したら、なんと、出来るんですよ。
なんだかそれで酔いが(いい意味で)醒めて、夢中になってガラスのふちをさすっていたことがありました。 (^^;

この本、私のような素人が音楽についてどーたらこーたら屁理屈を言うのとも、世の中の普通に出ている音楽関係の本のこむずかしいのとも違って、本当に、音が響くというその原点に読む人を立ち返らせてくれる素敵な読み物だと思っております。

投稿: ken | 2010年3月 7日 (日) 10時36分

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