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2009年11月26日 (木)

ハイフェッツ

増井一友さんクラシックギターリサイタル、東京公演終了しました。大阪公演11/28、おススメです。
下記の2記事を是非ご参照下さい。

http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/11211128-e6af.html
http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-7de4.html



41qj56hv03l_sl500_aa240_有名な"Heifetz on TV"ではなくて、前に感想を述べたギュンター・ヴァントのものと同シリーズのハイフェッツ映像を入手しておりました。
手にしてしばらく経つのですが、じっくり見るチャンスがありませんでした。

風邪で寝込んだあと、やや元気が回復して手持ち無沙汰になったとき、ようやくじっくり見ることが出来ました。

この映像の最後で、誰もが耳傾けるべき言葉を彼が述べている音声が流れます。
それを先に掲げておきます。(述べている全てではない上に、字幕の訳とは順番や語が異なります。)


 訓練は人生を楽しむために大切なことだ
 そのためには捨てなければならないことがある
 物が多すぎること、快適すぎること
 それらは夢を見ることの妨げになる
 而して、夢をかなえるためには、非凡でなければならない


さて、映像は、ちょっとしたプライヴェートシーンを除いて、目玉が大きく三つあります。
それぞれ、実はYouTubeでも(最初のひとつだけは全部ではありませんが)見ることが出来ます。
このあと、埋め込んでおきます。

三つとも見方は人様々、の自由があると思いますが、見誤ってはいけないんじゃないかな、という点だけ、簡単に述べておきます。

1)アンコールピース演奏シーン

うるさく見たり眺めたりすると、
「おお、<ヴァイオリンの神様>でもこんな小さなミスをするのか!」
という箇所がたくさんあります。
また、伴奏も遅れる箇所だらけです。
・・・でも、音楽を「聴く」上で大切なことは、そういうあれこれを詮索することなのでしょうか?
一方で、ハイフェッツが曲中で弓の使い方(ボウイング)を自在に変える見事さも目に出来ます。
「これぞ<神業>だな!」
見とれることは簡単です。
同じ問いを、私は繰り返します。
・・・でも、音楽を「聴く」上で大切なことは、そういうあれこれを詮索することなのでしょうか?

1曲1曲終わる毎に客席は歓声の渦です。
ですが、ハイフェッツは全ての演奏を終えるまでニコリともしません。
(貼付けたモーツァルトの演奏では、彼なりの演奏に対する「反省」があって、客席に苦笑してみせていますが。)
「はい、次の用意」
とばかりに伴奏者に目配せします。
伴奏者も張り詰めたままであわただしく準備にかかっている空気が、映像を通しても伝わってきます。
彼らは果たして、音楽を楽しんでいないのでしょうか?

そこを考えながらご覧になり、音の流れが澱むか澱まないかに耳を傾けてみると、素敵な発見があるかもしれません。

余計なことですが、DVDそのものをご覧になるのでしたら、映像中のナレーションは極力忘れるのがポイントかと思います。

さらに余計なひとことを加えるならば、小品を弾く時の彼の姿は、私には何故かジャズの名シンガーを思い浮かばせてくれます。


2)バッハ「シャコンヌ」録音シーン(前半部)

どんな箇所でも「リキみ」がない・・・これは映像を見て初めて分かることです。
これについては、出来れば映像を見る前に音だけ聞いて、音楽のどこにウェイトが置かれているかを頭に叩き込んでから、実際の演奏シーンを見るのがベターです。
とはいえ、ここでは映像を掲げてしまいますから・・・逆順でやってみるのもまたよろしいかと存じます。
何遍か繰り返せるなら、是非そうなさって下さい。

・音だけから受けるイメージと映像の中の毅然としたハイフェッツにどれだけの落差があるか?
・それは本当に落差なのか?

が飲み込めるまで繰り返すべきだ、とは、私が私自身に言い聞かせたいことです!


3)シャンゼリセ劇場でのブルッフ「スコットランド幻想曲」弾き振り(第2部まで)

いわゆる指揮者なしの演奏です。
大きな特徴は、しかし、こういう場合に独奏者がよくやるような、管弦楽だけのところを表情豊かに「指揮する」ことは、ハイフェッツはしていない・・・最小限の箇所で、拍を取るためにだけ弓を振っている・・・ことかと思います。
オーケストラは本来、かく自立して演奏できる集団なのだ、ということがよく分かります。メンバー全員が、ハイフェッツによく耳を傾け、彼の語法を読み取っている。
・・・これを独奏者がいちいち指示する、という状況はいつに端を発するのでしょう?
この映像の収録時期ははっきり分かりませんが、ハイフェッツの態度は20世紀前半までの伝統を守っているものだと思われますから、よく参考にすべきであるかと考えます。
オーケストラの規模も見ておくべきでしょう。
チューバまでを含み、ハープ1台も加わっている大編成であるにもかかわらず、弦楽器に注目すると、明確には分かりませんが、第1ヴァイオリンはせいぜい4人から6人、チェロも4人くらいです。少人数でもバランスを取り合うことがわかれば後期ロマン派の作品も60人程度で演奏できてしまう、ということですね。


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