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2009年11月30日 (月)

のだめ23巻

51v09uuel_sl500_aa240_亡妻の大好きだった「のだめちゃん」、第23巻であっけなく幕切れになってしまいました。

二ノ宮さんは、でも、よくここまでお描きになったと思います。
心から
「ありがとうございました」
と申し上げたいと思います。

ドラマ化にあたってキャラクターに強烈な個性を要求し、素晴らしい若手俳優さんたちに活躍の場所をつくってくれた本作品ですが、最終話は、逆に、「ドラマになってしまった」キャラクターの方に枠を嵌められてしまったのではないか、という気がしないでもありません。

物語の終わりかたとしては、コミック通例の最終回(思い起こせば「カードキャプターさくら」もまたしかりであった・・・)になっていて、まあ、仕方ないのかなあ、ここいらであげておくのは確かに手なのかもなあ、と、終わってしまうということ自体への寂しさと、「もう少し違った展開も充分あり得たのではないか」と感じてしまう寂しさが二重に被って来てしまいました。

巻末に参考文献がズラッと載っているのもコミックとしては例外的ですが、むしろ、参考文献なんか載せなければならなかったところに、「クラシック音楽もの」の枠に知らず知らずハマってしまった本作の限界もあったのかもしれません。せっかくブラジルに行くなら、アルゼンチンあたりに足を伸ばして、ピアソラくらいまでは「違う世界」に足を踏み入れてみて・・・という具合に行ったら、お話はどう変わっただろうか、と、つい想像してみたい衝動に駆られました。そこからラヴィ・シャンカールに飛んでみるとか・・・音楽を楽しむ可能性はどんな切り口からでも広がって行くんだ、というところまで続いて欲しかったなあ。で、「のだめ」というキャラクターは、それが充分できる性格を持っていたのに、結局、幼稚園の音楽とベートーヴェンのソナタが共存し得る、というところまでで止まってしまった。・・・これは二ノ宮さんの責任ではなかったはずです。

「恋愛至上主義」と音楽の究極、ということを重ね合わせてしまう方法には、私は必ずしも賛同出来ませんし、22巻の時にはそのあたりに非常な不満を覚えたのですが、このあたりについては二ノ宮さんなりの「決着」はつけているようですから、想像力もない一介の読者がさらにナマイキを重ねることはやめましょう。ただ、二ノ宮さんが決着を付け得たのは・・・これを言ってしまうと作者にも大変失礼になることを重々承知しての上ですが・・・周りの余計なお世話からでは決してない(二ノ宮さんはお庇いになるでしょうけれど)、それらをご自身なりに消化した二ノ宮さん自身のお力によるものであることを、確信しております。

ともあれ、
「完結しちゃったよー」
と、亡妻に報告したいと思います。

やつも
「あらまー、寂しいねー」
って、言うだろうか?


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