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2009年8月22日 (土)

吉田美里さんヴァイオリン・コンサート

大井浩明さん、BSに登場です!下記リンクをクリック、是非お見逃し無く。
8月5日(BS hi)終了・9月15日(BS2)



待ちに待った吉田さんのリサイタル、拝聴しました。
ピアノは、新納洋介さん(9月11日19時より、高輪区民センターでリサイタルをなさいます。)

とても興味深く感じたのは、まず、ヴァイオリンという楽器の不思議さでした。
吉田さんのリサイタルに伺ったことで、これまでに、演奏者は日本人だけれど、勉強した場所がそれぞれイギリス、ドイツ、オーストリアという異なった風土の街だったかたたちの演奏に、幸いにも身近に接する機会を得たことになります。
それで分かったのは、当たり前のようで、多分当たり前ではないこと。
イギリスで勉強した人はイギリスの音がする。
ドイツで勉強した人はドイツの音がする。
オーストリア・・・ウィーンで修練を積んだ吉田さんは、やっぱりウィーンの香りがするのでした。
真剣に学んだ人たちだけが、その土地その土地の本物の香りを出せます。

吉田さんは、とってもキュートな女性です。
加えて、たぶん、この先、お年を召さないタイプのかただ、との印象を受けました。
ふと連想したのが、私が高校生の頃に目の当たりにした巌本真理さんでした。
どんどん、円熟を増して行くタイプ。だから、これからをとても楽しみにできるかたです。

プログラム自体は大変に厳しいもので、曲順は以下のとおりでした。

・モーツァルト:クラヴィーアとヴァイオリンのソナタ ホ短調 K.304
・パガニーニ:カプリースから2曲
・イザイ:無伴奏ソナタ第3番 バラード
休憩を挟んで
・バッハ:パルティータ第3番から3曲
・ブラームス:ヴァイオリンソナタ イ長調
アンコールは、イザイ「子供の夢」他2曲(クライスラーとドヴォルジャーク)

小規模な会場で、60人くらいのお客様がかぶりつきで、これまた真摯に耳を傾けている。
そういうなかで、出だしにモーツァルトのホ短調を持ってくるのは、相当の試練だったと思いますし、ご本人に対して不誠実であってはいけないと存じますので率直に申し上げておきますと、やはり、新納さん共々、堅さから抜け切れなかったかな、との印象でした。
それが、プログラムの最後に向けて、だんだんとほぐれて行くのをも如実に感じました。途中のイザイの真摯さは、前半の山場でしたね。しかも、通常聴くことの出来るイザイの無伴奏ソナタの硬質な印象とは一線を画す、歌を前面に押し出した演奏であったことには、聴く者として喜びを覚えさえしました。
バッハのパルティータ3番のプレリュードのテンポは、バッハがこれをカンタータに転用した際のテンポを採用していて、これもまた(意図してなのかそうではないのかは問わず)吉田さんの「歌重視」の姿勢が窺えるものでした。
ブラームスのイ長調のソナタは、彼の3曲のソナタのなかで唯一晴朗さに溢れた作品ですが、これは吉田さんにふさわしい作品でもありましたし、新納さんとの息もピッタリ合って、清々しい演奏になっていました。・・・これこそ、ウィーンの香りがしました。

アンコール3曲も、のびやか。

今回でも充分楽しませて頂けましたが、これからますますの成熟が、さらに楽しみです。
私にとって大切な音楽家さんが、こうしてどんどん増えていくことは、何にも優る幸せです。

彼女には、オールブラームスプロ、なんてのも、似合うかも知れません!


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