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2009年7月17日 (金)

蓮見さん阿部さん関西ツアー開始:CD "ROMA" ご紹介

Yamatouchiharu蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル
(バロックリュート&バロックヴァイオリン、ケルン在住)、是非お出掛け下さい。

千歳(7月12日、終了)・天理(7月18日)・京都(7月19日)・名古屋(7月21日)静岡(7月22日)・東京(7月23日)です。

総合連絡先:スパティウム・ハルモニエ(電話050-5539-8845、mail:duo@angel.nifty.jp

HP:http://abe.hasumi.de/

会場情報をリンクしたご紹介記事:http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-c067.html



〜若き天才作曲家が世に問うた「作品1」〜

《モーツァルト:パリ・ソナタ集 作品1(全六曲)K.301-306》

(護国寺:同仁キリスト教会にて、18時開演)はリンク先(←ここをクリック!)、この演奏会への私の期待については「サヨナラ『古楽』」をご覧下さい。

連絡先:オフィス・アドック(電話:050-5532-5562、mail:office.adhoc@gmail.com

blog:http://ooipiano.exblog.jp/11686543/

吉田美里さんヴァイオリンリサイタル

・7月25日(土)ペンション・モーツァルト (山中湖) 残あり。

※8月22日(土)14:30〜  荻窪:衎芸館(かんげいかん)・・・は満席となりましたそうです!

プログラム等は、こちらをご参照下さい。

上にもありますが、7月18日を皮切りに、蓮見岳人さん(リュート)と阿部千春さん(バロックヴァイオリン)の関西・東海ツアーが始まります。詳細はリンクをご覧頂くこととしますが(http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-c067.html)、概要を再掲しますと、

・7月18日 奈良県天理市

・7月19日 京都市

・7月21日 名古屋市

・7月22日 静岡市

でもって、23日は東京、阿部さんの方は25日にはフォルテピアノの大井浩明さんと共演しますが、これはまた別途、再案内を綴ります。



で、蓮見さんがテオルボ、阿部さんがヴァイオリンで参加しているCDがありますので、これももしかしたら前にチラッとご紹介したかも知れませんが、自分で耳にして素晴らしさを間違いなく確認しましたので、正式にご紹介させて頂きます。

"ROMA" Alte Musik Koeln

Roma

myriosclassics(http://www.myriosclassics.com)MYR002

・・・とはいえ、残念ながら、現在、日本ではまだ入手困難です。
「古楽」という言葉が「モダン」と峻別されることを私はこの場でさんざん嫌って来ましたが、それは

・ノンヴィブラートで
・中ぶくらみの音で
・かつ、「当時」(っていつを指すのか分かりませんけれど)の「不安定な」楽器の持ち方を再現して

なんてことを「モダン」オーケストラでも取り入れれば「古楽」的な「正しい」歴史認識をしていることになる、と公言してはばからない、(最初は「おお!」と私も誤摩化されかけましたが、なんぼ考えてもおかしい)とんちんかんもいいところの発言を活字にまでして平気でいるような、この国の「クラシック」界にはなはだ失望を覚えるからでもありました。

で、このCDは、別に蓮見さんと阿部さんという日本人が参加しているから称揚する、というのではありありません。極端に言えば、お二人の参加は、あくまでも「縁があって」のことです。

演奏者がどうである、ということよりも、このCDの内容そのものを聴いて頂きたいからお薦めしておく、という次第です。
上に列記したような事柄が、いかに「似非古楽」発想かを知る上では、いくつかあるおすすめCDの中に間違いなく加えることが出来る、という意味からの推薦です。

しかも、蓮見さん阿部さんがたまたま参加していて、なおかつ今回のツアーに(お二人だけでやりくりしていらしたのですから仕方のないことですが)かなりの限定枚数でお持ちになっていらしているのをキャッチしました。

演奏会も聴いて頂いて・・・というのが、従いまして入手の希少なチャンスです。

抱き合わせ販売みたいになってしまいますが、私になんのマージンが入るわけでもないし、薦めたからってありがたがられるわけでもありません。
(タイトルは変えても相変わらず偏屈な私のブログなんかに載っけられ、かつよく評価されるなんてことくらい、載っけられる方にとって「ありがたくない」話はないでしょう!)

バロックの「古楽」演奏に、いままで「柔らかいもの」・「柔らか過ぎるもの」をイメージしていた方にとっては、このCDの演奏の<張りの強さ>・<緊張感の高さ>は新鮮な驚きになるはずです。

このチャンスに、是非ご入手下さい!

標題に"ROMA" とある理由は、手にして見るまで知らなかったのですが、今回のお二人のツアーのなかで取り上げられる「クリスチナのアカデミー」で活躍した人物を始め、ローマのバロック音楽を飾った人々の作品を集めていたからなのでした。しかも、収録10作のうち8作は世界初録音です。・・・これは解説(ドイツ語・英語・フランス語)を読めば分かります通り、演奏者たち自身がライブラリから探しだして来たものであって、それゆえにいっそう、演奏に輝きが添えられています。
(同様の試みは、別のグループがビザンチンで行なったものなどがあり、ヨーロッパでは演奏者が自ら音楽の発掘と復元に熱心なことが窺えます。ついでながら演奏法についても、やはり日本国内に限っての活動に比べれば受ける恩恵の大きさには雲泥の差があり、このブログでも顔をチラッと出してもらったフォルテピアノ演奏家のOortやImmasell、さらに嚆矢としてバドゥラ=スコダ夫妻などは、ただ「演奏」するのではなく、自分はなぜそのように演奏するのか、に対する考証を真摯に行ない、論文や著作まで出しているくらいです。【残念ながらバドゥラ=スコダ著作以外は日本語訳がなく、かつ、他の人の著作もかなり必死で探さないと入手出来ない上に、決して安価ではないので、私は稀にしか読めていないていたらくです。まあ、そこが素人の素人たる由縁でもあります。・・・とはいえ、日本の本職さんで本気でそれらを読んだ人ってどれくらいいるのか、甚だ疑わしくも思っております。】しかも、それはこれまたヨーロッパらしく、徹底して理詰めであり、他人の価値観をハナからバカにしてかかるような日本の昨今の一部の音楽家とは全くスタンスが違います。それはたとえば、彼らとは全く異なるスタンスのピアニズムを展開したグールドに対して正当な評価を下している・・・グールドがターゲットとしたかったことがなんなのか、それが自分たちとどう異なっているのか、を、「批判して」記述するのではなく、もし「批判」するのであれば、そんなことは読者にまかせる、という姿勢をキチンと貫いてさえいます・・・といった具合に、素人の学としての「哲学」がしっかり身についているからこそ出来ることでしょう。日本の、とくに「実力とは関係無しにコマーシャリズムに乗っかったおかげで有名になっちゃった」音楽家さんは、いっそのこと音楽をやめて、主観的で皮相なプラトン的視点しか自分たちが持っていないという過ちを冒していることを自覚して、カント入門書あたりでもしっかりお読みになってみたらいかがでしょうか? カントそのものは、おそらくお読みになるのは大変でしょうから!・・・ただし、それをやったら、「プロとして演奏する」ことは、以後一切放棄すべきです。演奏は「哲学」なんかから生まれるものではありませんから。・・・ただもともと哲学【これまた哲学者サンたちが夢中になっちゃうような<専門>哲学みたいな縄張り意識から脱しているとの前提が必要ではあるものの】のような公平な方法論で、白紙に戻って考えられるかどうかということが大事なのです。あえて言えば、楽器のレッスン系の雑誌だって・・・良い記事も豊富にあるものの、コマーシャリズムに乗った似非、の害悪を取り除いてしまってはおそらく商売にならない、という現実にさらされていることを鑑みると、大変不幸な位置にあると思わざるを得ません。)

収録作品は、以下のとおりです。

・ボンポルティ:ソナタ第五番 ニ短調
・ストラデッラ:シンフォニア22番ニ短調
・カルダーラ:コンチェルト・ダ・カメラ
・コリスタ :トリオソナタハ短調
・ボンポルティ: チャッコーナ
・ラーヴェンスクロフト:ソナタイ長調
・マンネッリ:ソナタ「ラ・パヌッツイ」
・ロナーティ:ソナタ8番
・マンネッリ:ソナタ「ラ・ヴェルドーニ」
・ルリエール:コンチェルト・ダ・カメラ

バロック期のローマ音楽の情勢について、及び、それぞれの作曲家の小伝を述べた解説は、平易かつファン必読でもあります。

なお、いまのところ期日が明確に決まっていませんが、ナクソスレーベルでも入手出来るようになる可能性もあります。もし実現したら、あらためてご紹介したいと存じます。

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