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2009年6月11日 (木)

知ったかぶりのおっかなさ!

Yamatouchiharuケルンで活躍中の蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル(リュート&バロックヴァイオリン)、是非お出掛け下さい。

千歳(7月12日)・天理(7月18日)・京都(7月19日)・名古屋(7月21日)静岡(7月22日)・東京(7月23日)です。
総合連絡先:スパティウム・ハルモニエ(電話050-5539-8845、mail:duo@angel.nifty.jp


阿部千春さんとフォルテピアノ奏者大井浩明さん(Wikipedia記事にリンクしています)と共演のリサイタル
~若き天才作曲家が世に問うた「作品1」~
《モーツァルト:パリ・ソナタ集 作品1(全六曲)K.301-306》
(護国寺:同仁キリスト教会にて、18時開演)
はリンク先、この演奏会への私の期待については「サヨナラ『古楽』」をご覧下さい。
連絡先:オフィス・アドック(電話:050-5532-5562、mail:office.adhoc@gmail.com


アマチュアオーケストラ、東京ムジークフロー定期演奏会は6月28日(日)です。


ピースフル・コンサート越谷 ’09は、8月5日です。


所用で記事の日付がぶっ飛んでおりますが・・・そのくらいのほうがいいのかも知れませんね。
すぐ無我夢中になるので。熱しやすく醒めやすい。(^^;

このまえは「音楽を笑うな」=人を笑うな、という趣旨でタラタラと綴ったのですが・・・
ブログの名前を変えたくらいでは、「へりくつ」からすんなり脱却できるような、私は人間の質の高いヤツではないようでして。
まあ、段々に抜け出していきましょう。

で。
実は、もうひとつご紹介したいリサイタルもあるのですが、それを記事にするのは一旦ぐっとこらえて。


「音楽を笑うな」
なんて偉そうな口を叩きましたが、そもそも
「音楽って何なの」
となると、これは「こうだ」という定義は出来ないんですよね。
学校の授業で習う「音楽」?・・・これは、それだけじゃない。
カラオケのレパートリーに入っているもの?・・・じゃあ、入っていない歌はどうなるの?

あ、CD出てますね。

でも、CDに入っていれば、みんな音楽?
お経のCDは、音楽といえば言えないこともない・・・
でも、最近は、落語も漫才もCDになっている時代です。環境音(ヒーリング、とは一概に言えなくて、ヒーリングミュージック、って、あとにミュージックなる言葉がついているもののかなり多い)の類いのCDとかもある。「ラジオ体操の音楽}も音楽CDってことで、いいですかね?・・・ま、とりあえず、そういうことで。

じゃあ、音楽って、「音楽」として売られているCDになっているもの!

それでいいのかな???

・・・これ、とても真っ当な、ツウのかたに教えていただいた代物なのですが・・・
ご紹介するCDは、音楽として売られているものです。
クセナキス、というギリシア系フランス人の、ある意味20世紀後半のカリスマ的(死語!)存在だった作曲家の作品です(アルツハイマー症になって2001年に亡くなりました)。で、この人の「ごく普通の」作品は、数はあんまり知らなかったのですが、私はわりと好きだったりしました。しかしながら、こいつは、知りませんでした。

タイトル:「ペルセポリス Persepolis」
(こいつのタイトルだけカラッポアタマで記憶で綴ってたら「アクロポリス」になってましたー。教えて頂いてなおしました。御礼申し上げます!・・・ね? 知ったかぶりって、おっかないでしょ?・・・おっかないよ。)

【注意!】
くれぐれも、くれぐれも、本当に好奇心をそそられない限りは、この作品のCDはお聴きにならないようにして下さいね。どーしても聴きたいときは、下のSergejOさんの検索サイトで探してみて下さい。(めっかんないときは・・・私はHMVのサイトでめっけたんですが。)

「ペルセポリス」だけで50分。
で、この続きに「クリューニーのポリトープ Polytope de Cluny」とかいうのが25分。

それぞれ違うといえば違うんですけど、違うふうに聴こえるかどうかというと、なんとも。

どんなものかは・・・隠させてください。
ただ、私が「体験」したことをご参考までに申し上げますと・・・
電車でiPodで聴いたのですが。

・・・あらあ。こういうのがあるから、「知ったかぶり」しちゃあきまへんなあ!
・・・ん? いつ、メロディっぽいものが聞こえてくるの?
・・・そんなもん、あらへん!
・・・まあ、ええわ。(という、まず、この諦めが肝心。あ、それから、音量は適度に抑えておくこと)
・・・音量抑えれば、さすがにあれこれ気にならなくなります・・・かどうかは個人差ありでしょうね。
・・・居眠りを始める直前に、紫色の粒々の中に、とても明るい、青白い光が石のような形で見えました。

なんか、神経を麻痺させる(あるべき音量で聴けば、上のような穏やかなものではすまないでしょうが)効果があるようです。

ちなみに、そのツウのかたが、「音楽による拷問」(アメリカとか、複数の国でやられているみたいですね。セサミストリートの中の音楽まで拷問に使われている、という、笑うに笑えない事実があるそうです)の話題の中で教えて下さったものが、これでした。

お聴きになったときに、これを「音楽」と思われるかどうか。

これは、「アブストラクトな絵画」を「絵画」と呼べるかどうか、と同じ問題を孕んでいます。
クセナキスは、たぶん、そういうことを考えて楽譜を書いたんでしょう。(実はテープミュージック、だとのことなのですが、そのプランとしての何らかのものを「楽譜」と称しておきましょう。この話も突っ込むと大変なんですが、前に「東の唄」っていうのを採り上げたところにヒントになりそうなことを記したような記さなかったような、であります。)
いや、アルツハイマー始まってから書いたんかなぁ?
でも、どんな楽譜を書いたんやろ?
・・・私なりの「こうかな」はあるけれど、この作品にくっついてくる情報はあえて読んでいません。
まあ、ここまで綴っても興味があると仰るならお止めしないほうが面白い経験が出来ますし、主観を述べるのはやめておきましょう。


で・・・
「アクロポリス」問題は、つっこむとややこしいのでここまでにして。
・・・あ、まだ「アクロポリス」になってる。よかろう! よくないか。(^^;

「CDになってなきゃ音楽じゃないの?」

ここまでのストーリーから、すぐに
「そんなはずはないだろう!」
というふうに思ったかた、ばかりだろうと確信しております。

録音さえすればCDになるんだ・・・そんな機会がないだけだ!

わざわざ録音なんかしないけれど演奏され続けている音楽、もう演奏されることがなくて埋もれた楽譜、古代中世のもので人が読めなくなった楽譜・・・
楽譜という媒体があって、再現できる可能性があるものは「音楽」なんじゃないの?

はい、もう一回、ちょっと待って下さい。

楽譜はあるけれど録音しようがない「音楽」というのもある、と言えば、ピンと来るかたもいらっしゃると思います。

ジョン・ケージの「4分33秒」・・・ご存知ですか?

これ、ちゃんと楽譜があるんですよね・・・そんなもん、買おうとは思わんけど。
だって、結局は、ピアニストが、4分33秒、ピアノの前に座っているだけのところしか、お客さんには見えないんです。
ピアニストがピアノの鍵盤を叩いて音を出すことは、この時間のあいだ、一切ありません。
でも、ピアニストがやるべきことは、ちゃんと楽譜に書いてあるんですよ。

楽譜に書いてある何かがあれば、本当に音楽と言えるの?

哲学的なものにまで「音楽」の定義を深めた例はヨーロッパ中世にしかないのですが、彼らは音楽を(無理やり日本語にすると)

・「宇宙の音楽(ムジカ・ムンダーナ)」
・「人間の音楽(ムジカ・フマーナ)」
・「道具の音楽(ムジカ・ムジカ・インストゥルメンタリス)」

に3分類しました。(いちおうボエティウス『音楽綱要』の分け方に従っておきます。)
でもって、実際に「聴くことのできる」音楽は、最後の「道具の音楽(ムジカ・インストゥルメンタリス)」だけです。

「人間の音楽」が、なぜ聴けないのか、というところが面倒くさい話を孕んでいますけれど、それは私もよく分かりませんので、さらっと無視するとして。
要は、「楽器(人の声を含む)で奏でられる音楽しか、耳には聞こえない」
というわけです。
(余計なオマケですが、これはプラトーンのイデア論に淵源があります。)

こういう意味では、クセナキスの「ペルセポリス」は、音楽というものを、より厳密に規定し得ない限りは、「音楽」に入れてもおかしくない。
(クセナキス自身はとても計算好きな人だったので、たぶん計算結果から「ペルセポリス」が音になるようには仕立て上げたのでしょうが。)

ケージのトライアルについても、「聴こえない」という点では「ムジカ・インストゥルメンタリス」には入れにくいものの、「ムジカ・フマーナ」と言えるか、というと、そこまで「中世的」じゃあないような気がする。


・・・あーあ、やっぱり屁理屈かよ!

そうじゃなくて。

だから、
「ホントは面白いんだよね、もっと!」
というところに、私達は還っていかなければ、つまらないと思うんです。

いままで自分の中に作り上げてしまった
「音楽ってこういうもんだよ」
という枠を、いったん自分から取り払ってみる・・・これは、なかなかに難しいことです。

そこは、できるだけ「オバカサン」にならなければ、楽しみがひろがらない。

どうでしょう、ケージの「4分33秒」、CDで売り出したら、お買いになります?
DVDにするんだったら、私みたいなアホは、好奇心から買うかもしれないけれど。

「おとうさん、またヘンなもの買って!」

って、子供たちにしかられること間違い無しでしょうね。

でも、あるかたがクラシック番組を見るか聴くかしていたら、姪っこさんに、
「なにヘンなもの聴いてるの」
っていわれて、じゃあ、ってんでロックやジャズに切り替えたら
「またそんな、しょうもない」
と言われたそうで、参っていたようです。
(人づてなんで、野次馬根性から綴っているので怒られるかもしれないな。)

姪っこさんにとって、しょーもなくはない音楽って、どんなもんなんだろう、と、この話を知って、そちらに興味が湧きましたけれど・・・これはこれで、また別の話になりそうなので。

今回はここまでとしておきましょう・・・と、逃げる。


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