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2009年6月16日 (火)

リュートは美しい楽器です

Yamatouchiharu蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル(バロックリュート&バロックヴァイオリン、ケルン在住)是非お出掛け下さい。

千歳(7月12日)・天理(7月18日)・京都(7月19日)・名古屋(7月21日)静岡(7月22日)・東京(7月23日)です。

総合連絡先:スパティウム・ハルモニエ(電話050-5539-8845、mail:duo@angel.nifty.jp

HP:http://abe.hasumi.de/



阿部千春さんとフォルテピアノ奏者大井浩明さん共演のリサイタル(7月25日)

〜若き天才作曲家が世に問うた「作品1」〜

《モーツァルト:パリ・ソナタ集 作品1(全六曲)K.301-306》

(護国寺:同仁キリスト教会にて、18時開演)はリンク先、この演奏会への私の期待については「サヨナラ『古楽』」をご覧下さい。

連絡先:オフィス・アドック(電話:050-5532-5562、mail:office.adhoc@gmail.com

blog:http://ooipiano.exblog.jp/11686543/

吉田美里さんヴァイオリンリサイタル

・7月25日(土)ペンション・モーツァルト (山中湖)

・8月22日(土)14:30〜  荻窪:?芸館(かんげいかん)です!

プログラム等は、こちらをご参照下さい。

アマチュアオーケストラ、東京ムジークフロー定期演奏会は6月28日(日)です。

ピースフル・コンサート越谷 ’09は、8月5日です。

悔しいことに、遠めにしか見たことがありません。
ですが、とても美しい楽器でした。古いオペラのオーケストラに加わっていたのを目にしたのでした。
姿にとり憑かれて、舞台よりも見とれてしまったりしていました。

厳密に言うと、それはバロックリュートと呼ばれるものだったらしいです。
見とれるとはいっても、相当な遠景の中での目撃でしたので、細かい部分は目に入りませんでした。
ですが、ヴァイオリンだとかヴィオールに比べて柔らかい輪郭を持っており、ときどきアマチュアオーケストラの練習のとき隣室にやってくる人たちが弾いているマンドリンのようなものとも違いました。

表の中央に、ロマネスク風の装飾が施された円形の穴(ロゼッタ【響孔】)が開いています。これが音響上どの程度の効果があるのかは、私にはわかりません。

ともあれ、その姿を見るだけでも充分に価値があることだと思っておりますが、この楽器と前後してアラブ世界からスペイン経由でヨーロッパにもたらされたギターのご先祖様に比べても、優雅な姿をしています。(リュートのルーツは、今もアラブ世界で弾かれているウードと共通のものだときいております。ウードの音も聴いておいて頂こうと思いましたが、所有音源の楽器がウードで間違いないかどうか明らかでないので涙をのみました。)

日本の歌舞伎に「太棹」と言うのが使われるのと似て・・・音響を聴く上では意味合いは違うように感じますが・・・さらに大型で棹の長い(かつ屈曲していない)テオルボという楽器もあります(系統は違うようです)が、この楽器の演奏の様子は、ガーディナー指揮のモンテヴィエルディ「聖母マリアの夕べの祈り」の映像でたっぷり見ることができます。

リュートの写真(私にはリュートのほうなんだかテオルボのほうなんだか、区別がついていませんが)は、7月にいらっしゃる蓮見さんの演奏姿を、こちらにお借りしておきます。楽器単体の写真よりも、このほうがいいでしょう。

二通り。

Herrhasumi


こっちはテオルボだと思うんだけど・・・分かりましぇん。(^^;
Herrhasumi2_2

20世紀前半のイタリアの作曲家レスピーギに、「リュートのための古代舞曲とアリア」という3つの組曲があることはご承知のとおりですが、これは管弦楽(オーケストラ)用の編曲でして、リュートを知らない指揮者の手になると、「これって違うんじゃないの?」という仕上がりになります。ですが、出回っている録音にはそういう例が多いので、遺憾に思っております。
リュートによるオリジナル曲の録音が出ていますので、その中からひとつお聴きになってみて下さい。

Spagnoletta
Paul O'Dette helios CDH55146

管弦楽版のほうは、自分の気に入った演奏の録音がいまのところないため、お手持ちがおありでしたら、比較していただければ幸いです。



さて、リュートというのは、ハープ類とともに、人間が創り出した撥弦楽器の中ではもっとも長い歴史を誇ります。
今の形状になったのはヨーロッパに入ってきた中世期あたりかと思いますが(ちゃんと調べていません)、かたちは違っても、先祖は既に古代メソポタミアや古代エジプトの壁画類に登場します。弦は3弦くらいからスタートしたようですが、いまでも弾かれているものは11本とか24本とかあります。ちなみに、たとえば弦が11本の場合は6コースと呼ぶのですが、これは最高音弦を除き2本一組で演奏されるためだそうです(最高音の弦1本&2本一組5)。
いまのように枇杷の実を輪切りにしたような胴がつくまでには、どんな紆余曲折があったのか、を想像すると、ちょっとロマンチックになります。・・・あたくしには似合いませんが!

リュートは中世ヨーロッパに移入されてからは、吟遊詩人(トゥルヴェール、トロヴァドゥールなど)たちが歌いながら爪弾く楽器として用いられたことから広まって行き、やがて15,6世紀あたりに、フランスで爆発的に流行したようです。さまざまな調弦法が工夫されて、凝った作品が大量に生み出されました。
それがあまりに複雑化したからなのか、別の理由からなのか、フランスでの複雑な調弦法はずいぶんと整理されて、その後リュート音楽はドイツで秀作が生まれていくようになった、と、私の手元の数枚のCDのリーフレットには書かれています。・・・詳しいことは(訊いてもわからないかもしれないけれど)そのうち教わってみようかな。

舞踏が娯楽として盛んだった15〜17世紀には、1本で自在に舞曲を演奏できるリュートは大活躍をしていたかと思われますが、1600年前後に舞台音楽が高尚な趣味として定位置を占めてからは、リュートは通奏低音楽器として、その伴奏オーケストラの中に包含されるようになります。絵画史料をあたるゆとりがないのが現時点での私の落ち度ではあるのですが、当時の演奏シーンを再現した映画「王は踊る」や、ドイツで製作された「アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記」の映像中では、リュートがオーケストラの中に加わっている様子を目にすることができます。
リュートの加わった通奏低音は、オルガン、またはチェンバロと低音擦弦楽器(ヴィオローネやガンバ、チェロなど)だけによる通奏低音よりも柔らかな響きを私たちの耳に届けてくれるのが特徴です。オルガンはまた別として、チェンバロとの兼ね合いで考えますと、チェンバロの場合、音が上向きに発せられる(チェンバロの弦は胴の上に水平に張られている)のに対し、リュートならばアンサンブル仲間や聴き手の顔のほうに向けて音が発せられますから、まわりと音が熔け易い、というメリットもあるのではないかと思います。

そうした繊細な音響の楽しみが、私たちのところに、もう一度戻ってきてくれてもいいのではないか、と感じるのですが、日本国内でそういう経験ができるのは、まだまだ稀なことのようです。
・・・いや、お詳しい方は既に、充分それを楽しめる環境をご存知なのかも知れず、情報をお持ちでしたらぜひ伺いたく存じております。

なお、日本語のサイトでもリュート愛好家のものは結構存在します。どれをえらんでよいのか分かりませんのでリンクは掲載しませんでした。
蓮見さんご自身のサイトはドイツ語ですが、日本語の裏ページがあります。

http://www.yamatohasumi.de/mokuji

あ、暴露してしまって、やばかったかな・・・???



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