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2009年6月30日 (火)

ロイスナー「リュート組曲」:蓮見さん・阿部さん・大井さん演奏曲目関係【1】

Yamatouchiharu蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル
(バロックリュート&バロックヴァイオリン、ケルン在住)、是非お出掛け下さい。

千歳(7月12日)・天理(7月18日)・京都(7月19日)・名古屋(7月21日)静岡(7月22日)・東京(7月23日)です。

総合連絡先:スパティウム・ハルモニエ(電話050-5539-8845、mail:duo@angel.nifty.jp

HP:http://abe.hasumi.de/


〜若き天才作曲家が世に問うた「作品1」〜

《モーツァルト:パリ・ソナタ集 作品1(全六曲)K.301-306》

(護国寺:同仁キリスト教会にて、18時開演)はリンク先(←ここをクリック!)、この演奏会への私の期待については「サヨナラ『古楽』」をご覧下さい。

連絡先:オフィス・アドック(電話:050-5532-5562、mail:office.adhoc@gmail.com

blog:http://ooipiano.exblog.jp/11686543/


吉田美里さんヴァイオリンリサイタル

・7月25日(土)ペンション・モーツァルト (山中湖)
 残あり。

※8月22日(土)14:30〜  荻窪:衎芸館(かんげいかん)・・・は満席となりましたそうです!

プログラム等は、こちらをご参照下さい。


ピースフル・コンサート越谷 ’09は、8月5日です。



さて、7月に各地で蓮見岳人さん・阿部千春さんが、そして7月25日には阿部さんと大井浩明さんが演奏する作品について・・・私はキチンと知っているわけではないのですが・・・分かる限りの情報を記して参りたいと存じます。

クラシックのコンサート・リサイタルは「分かり易い曲目アナウンスがない」というクレームを受けることが多くありますが、アナウンスがないのは、クラシック音楽と呼ばれているものが昔からどう演奏されて来たか、という「おかたい」歴史的側面も背景としてあるにはあります。
ですが、よくよくお考え頂ければ、他の種類の音楽のコンサートでも、ファンが夢中になるような「音楽そのものの」コンサートでは、アナウンスなんかなしに、どんどん次の曲が演奏されるのが普通だということにお気づき頂けるでしょう。
・・・クラシックは、プログラムに曲名が書いてあるだけ、まだ親切なんじゃないかな、と、私などは思います。それはレストランのメニューと同じで、「品目」しか載っていません。注文してみて初めてどんなものだか分かる、っていうスリルを味わうのもまた楽し、だと思うのです。事前に通ぶって、同伴者にカッコつけて見せて何かを頼んだら、来たものは想像していたものとは大違いだった・・・というのはコメディの典型的なシーンであったこともありますが、最近では、知らないものを知らないままに楽しむ風潮もだいぶ定着したのではないかと思います。
そう考えると、ここでわざわざ曲のことや作曲者のことをわざわざご紹介するには及ばないのかもしれません。私自身、それぞれの作曲者、とりわけ本日ご紹介しようとしているロイスナーについては、全くと言っていいほど知らなかったし、今なお、大変に浅い事実しか把握をしておりません。

訳書を含め、日本で目に出来る西洋音楽史の書籍の中で、リュートはまだまだきちんとその存在価値や、この楽器をめぐって活躍した人たちについての情報が伝えられていないのが実情です。
最初にロイスナーを取り上げてみようか、と思うに至ったきっかけは、そこにあります。

リュートについての書籍は、古書ですといい本がありそうなのですが、いま出回っていません。
で、それを読むのは断念して、手元の最少限の資料から窺うところでは、バロック期のリュート音楽はフランスが中心地、とみなされているようです。
で、それに「いろんな弦の本数」だとか「いろんな調弦(チューニング)法」だとか、難しい話が、私の持っている薄っぺらな資料にも私の理解を超えるほど綴ってはあります。
そうしたあれこれは、ご興味があったら、日本人のかたのサイトも結構ありそうですから、お調べになって見て下さい、ということで、深入りしません。

蓮見さんご自身のページは http://hasumi.de/lute/ようこそ.html
リュートなどについて詳しく教えて下さっているページ目次は http://www.yamatohasumi.de/mokuji
です。(ご多忙などの事情で「リュート教室」が1章のみなのは残念ですが、これは「楽器を持たずに出来る練習」という部分はフルに綴られており、他の楽器を演奏する人にも大変参考になります。リュートそのものについては記載がないので、あらかじめwikipediaなどで概略を知っておいてもいいかも知れません。大きなお写真で手になさっているのはテオルボという楽器で、通常のリュートは小さい方のお写真でお持ちです。)
蓮見さんはドイツ・オランダ方面でオペラ上演の常連奏者でもあり、ここに記された情報だけでは尽くせないほど博識でもありますが、同時に非常に良識ある音楽家でもいらっしゃいます。

で、楽器そのもののことや技術面のことはさておきまして、ざっとバロック期のリュート音楽の歴史を眺めますと、嚆矢として必ず名前が出てくるのが、ゴーチエおよびムザンジョーというフランス系の音楽家たちです。とくにゴーチエという姓を有する17世紀のリュート音楽家は4人知られているそうですが、私が把握出来たのはピエール(1599〜1638以後)、エヌモン(1575頃〜1651)、ドニ(1600頃〜1672)の3人です。中でもいちばん有名なのはドニ・ゴーチエだとのことです。もうひとりがジャック・ゴーチエ(生没年不詳)というイギリスのリュート音楽家をさすのだとすれば、この人物はフランス出身らしくはあるものの、先の3人とは血縁関係にないことだけは申し上げておかなければなりません。
(なお、フランス・リュート音楽の実質的な嚆矢は、さらに先立つ世代であるアテニヤンだとのことです。)
バロック・リュート音楽の演奏でもっともCDが入手しやすいのは、このあたりの人々の作品を収録したもののようです。

彼らの作品はアルマンド(ドイツ風舞曲)やクーラント、サラバンドといった舞曲を組み合わせたものでして、もともとは吟遊詩人が歌う際に手にしていたこの楽器が、17世紀頃には舞踏の場で活躍するようになっていたことを示しています。ただ、そうしているうちに、一般的な説明では、クラヴサンがどんどん発展したことと、リュートの演奏があまりに懲り過ぎて旋律をおろそかにしたことが相乗作用を起こして、クープラン(フランソワ、1688-1733)がクラヴサン音楽を大成した頃、反比例的に衰退した、とされています。
・・・ほんとうにそうなのかどうかまでを検証するゆとりは、私にはありませんでしたが。使用する弦(ガット)の長さや調弦の自由度が高いリュートの方が、より固定された調律で扱い得るクラヴサンに比べマニアックに使われて行き、だんだんに奏者の養成が難しくなって行ったりした、ということはあったのかなあ、というのが素人推測です。

さて、そうしたフランス勢に対し、ずっと後輩の(ヘンデルの親友でもあり、ドイツの有名な音楽理論家だった)マッテゾンなどは、彼らの(恐らくは)アルペジオを多用した奏法を、音楽を損ねるものだと皮肉ったりしていました。
そんなドイツ勢の中で、光を放っていたのが、ロイスナー(エザイアス、1636〜1679)でした。

今回蓮見さんが演奏する「組曲 ハ短調」は、私は聴いたことのない作品ですが、曲の配列が「アルマンダ(アルマンド)・クーラント・サラバンド・ガヴォット・ジーガ(ジーグ)」と、(ガヴォットは含まれない場合もあるようですが)、典型的な舞曲組曲になっています。
私が耳にしたイ短調の組曲(曲の構成はちょっと異なりますが、やはり同類の組曲です)から察するに、ロイスナーの作品はたしかに、豊かな旋律性をも示していて、リュート音楽としてはより気軽にその味わいを「理解」しながら楽しめるのではないかと思います。

なお、ロイスナーはやはりリュート奏者だったお父さん(1600頃〜1676)と全く同じ名前で、没年だけみると、お父さんの死から3年後には亡くなっています。そんなところからこの人物の人生を知ってみたいという衝動に駆られるのですけれど、Wikipedia上では彼の伝記は日本語版にも英語版にもなく、ドイツ語版に簡単に記されているだけです(http://de.wikipedia.org/wiki/Esaias_Reusner)。そこから確かに分かることは、彼はライプツィヒ大学で教えていた後、残り5年の人生をブランデンブルク伯フリードリヒ・ヴィルヘルムに仕えて過ごしたということだけです。1679年5月1日没、享年43歳。

リュート音楽については、SergejOさんの検索サイトの「検索ワード」に"lute"と入力するとCDで2,000点ほど現れますが、これにはレスピーギの管弦楽曲もかなり含まれます。それでも一挙に探すには便利ですから利用なさってみて下さい。

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