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2009年6月 6日 (土)

サヨナラ「古楽」

Yamatouchiharuケルンで活躍中の蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル(リュート&バロックヴァイオリン)、是非お出掛け下さい。

千歳(7月12日)・天理(7月18日)・京都(7月19日)・名古屋(7月21日)静岡(7月22日)・東京(7月23日)です。その他、最新情報は追加でお知らせします。

なお、7月25日は、阿部千春さんはピアノ奏者でフォルテピアノ演奏に勢力を注いでいる大井浩明さん(Wikipedia記事にリンクしています)と共演のリサイタルを行います(護国寺:同仁キリスト教会にて、18時開演)



アマチュアオーケストラ、東京ムジークフロー定期演奏会は6月28日(日)です。
ピースフル・コンサート越谷 ’09は、8月5日です。

上記は全て、私もチケットを取扱いをさせて頂きます。アクセスカウンター下の「メール送信」から、お便り下さいませ。

ちとミョウチクリンな標題としましたが、本日の内容は、阿部千春さんと大井浩明さんによる、モーツァルトのヴァイオリンソナタ演奏会の簡単なご紹介を兼ねております。(2009.7.25[土]18:00〜)

演奏会には大井さんに期するところがあります。大井さんのブログ記事にリンクを貼ってありますので、ご一読下さい。

部分的に引用をさせて頂きます。

「モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、ブルーノ・カニーノに師事して以来の、因縁の対決になります。シュタインモデルのフォルテピアノを東京で弾くのは、これが初めてです。」

演奏会のタイトルは

~若き天才作曲家が世に問うた「作品1」~

《モーツァルト:パリ・ソナタ集 作品1(全六曲)K.301-306》

となさっていて、ここにも大井氏の気合いを感じます。

2009年7月25日(土)午後6時開演(午後5時半開場) 3,000円(全自由席)

同仁キリスト教会 [東京都文京区目白台3-10-9/地下鉄有楽町線 護国寺駅下車 (6番出口) 徒歩5分]



関連記事:ブルーノ・カニーノ&大井浩明ピアノデュオ


Ooipiano写真は、大井浩明氏。CDのリーフレットからのものです。

以下の記述は、チケットを扱わせて頂くことになったどなたのお考えでもなく、私の「井の中の蛙」ばなし、であることを、予めお断り申し上げます。

そもそも、音楽を色分けすることは、正しいのでしょうか?

世界中を回って歩くと、その土地その土地に、独自の楽器の音色(ねいろ)があり、独自の歌い方があり、独自のメロディ、独自の息づかいがあります。
・・・などと大きなことを言いながら、私は単にヴァーチャルにそれを経験したに過ぎません。

ただ、それらを聴いていると、私には、それぞれは「方言」に過ぎないのであって、心に潤いを与える、という意味ではみんな同じ水平線の上に立って耳を傾けるべきものなのだ、と、強く感じます。

学生時代、まわりにいた「クラシック」キチガイはみんな、演歌だのロックだのジャズだのシャンソンだのを軽侮しました。
ですが、そうした我々に諭して下さった方がいらっしゃいます。

「カラオケも歌えないヤツが、いっぱしな口を利くモンじゃあねえ!」

・・・あ、これ、諭された、って言うより、怒鳴られた、ってほうが正しそうですね。

昨日訃報を掲載した黒田恭一氏は、「クラシック」キチガイたちが何故かべつの方言の音楽を軽侮したのと同様に軽侮していた「現代音楽」を積極的に解説し、認知させる努力をしたハシリの人でした。

黒田氏の亡くなった今、「現代音楽」とされているもののほうの状況が改善したわけではありません。
さらに、もう一方の過去のクラシック音楽のほうにも、異変が生じています。
「古楽」
という呼称による、過去の演奏や楽器の再現を試みる人たちへの、また似たような軽侮の目の誕生です。

もともとは、「古楽」と呼ばれていたのは、だいたいルネサンス期からバロック期のヨーロッパ・クラシック音楽だったのですが、その「古楽」界で活躍していた人たちが、だんだんに取り組みを古典派・ロマン派に広げるようになってから、「古楽」軽侮の芽は種から生え始めたようです。
それでいて、最近では「古楽」ではないと自負するかたのほうは「モダン」と称しつつ、
「古楽の成果も取り入れました」
と澄ましている。なにかと思えば、「はい、みんな、ヴィブラート、かけてません」
・・・
ここまでのことは、何回か、へりくつとして綴ったことがあります。

へりくつは、やめました。

すなおに、みてみましょう。

「モダン」は、なぜ、「古楽」の要素を取り入れた、と称しながらなお、自らを「古楽」と区別する必要があるのでしょう?

などと言っても、だいたい、世の中に、そんな区別があるのか、ということすら、お読みになる方にはわからないかもしれません。
それだけ、「古楽」という呼称で抽象された世界は、まだまだクローズだからです。
携わっている人が望んでそうしているのではない、ということだけを、申し上げておきたく思いました。
ただ、今までの演奏方法や楽譜の書き方を「守って来た」と称する一部の人(全て、でもなく、大部分、でもありません・・・かつ、そうした「大部分」のかたは、ご自分たちを「モダン」だなどと定義することもありません)が、「古楽」という方法で演奏する、非正統な、別の音楽家たちが存在する・・・彼らは正統ではない、と主張したいが為に、わざわざ大きな声で、自分たちとは違う「古楽」奏者なる幻影を、あたかも実体があるように仕立てあげたのではないか、というのが、私の勘ぐりです。

で、本当にそうだとすれば、その物差しで測れば、私もチケットを扱わせて頂く4種の演奏会のうち、2つが「モダン」で2つが「古楽」ということになります。

本当に?

・・・そんな区別、やめましょう。

音楽を創った人には、音楽でなければ語れないことがあるから音楽を創りました。
音楽を奏でる人は、その言葉を読み取り、共感し、自らがそれを声にするためにこそ語らなければなりません。
音楽を聴く人は、その音楽の中に込められた・・・歌ならば、その歌詞のさらに奥にある言葉としての・・・メッセージに身を託すことができて初めて、ほんとうの音楽の聴き手としての喜びを持てるのです。

演奏する為にいろいろと研究を重ね、従来と違った方法もあることを再発見することは、「古楽」などという苔まみれの石碑を、そのまま苔まみれにすることではありませんよね。
美術の世界なら、奈良の興福寺の四天王像や宇治の平等院の内陣の彩色を復元することに感嘆の声をあげない人はいない。ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」やミケランジェロの「最後の審判」の彩色の再現に対しても同じです。
それは、古びて失われたものを再生する試みだ、と、誰もが認めています。

音楽だって、同じではないのでしょうか?

なまじっか「古楽」などという言葉があるから、よろしくない。

やめましょう。

誰もが、ほんとうは、音楽のおおもとにあるのが何であるかを、素直に見つめたいと思っているのでしょう?

「モダン」という言葉も、「現代音楽」という言葉も、やめましょう。

すくなくとも、まず「クラシック」の括りの中では、そんな小部屋を造ることから、私たちにもたらされるメリットはなにもないはずです。

いろいろな音を、あるがままに聴きましょう。

阿部さん・大井さんのトライアルが、そういう新たな、いえ、ほんとうにあたりまえであるはずの、虚心な音楽の言葉を、私たち聴き手に伝えてくれることを、私は信じております。

阿部さんや大井さん、併せて蓮見さんのご使用になる楽器については、また勉強してご紹介します。
素人ゆえ間違いがあって、演奏者のかたから叱られることがあるかもしれませんが。(^^;


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コメント

NHKラジオで、よく拝聴しておりました。

古い言葉で、【ながら族】の受験生時代から
お世話になっておりました。

音楽の博識ぶり・思い入れに随分と
勉強させて頂きました。

若い頃は、文学一筋でしたが、ラジヲつっけぱなし状態で
世間との、つながりは、ラジオだけという日々もありました。

【お疲れ様・有難う御座いました・安眠祈願!!!】です。

・・・【6月7日の涙】・・です。

投稿: 楽・酒・楕円 | 2009年6月 7日 (日) 06時30分

楕円さん

ありがとうございました。

たとえ電波の上だけで、一方通行でしかお会いできなかったかたでも、心に残ることを私たちに教えてくださったかたって、それだけで他人じゃない気がしますから、不思議ですね。。。

主義主張、じゃなくって、へりくだった素直な気持ちから、草の根の名もない私たちが、先輩から教えてもらった「いいもの・いいこころ」を、「いい」ということにふさわしく、心優しく、こらからのひとたちにも伝えて行ける、あげられる、しなければならない・・・そんなことを思うようになっております。

立派にお仕事をなさって逝かれた人には、楕円さんのお言葉がふさわしいんだなあ、と、強く感じている次第です。

投稿: ken | 2009年6月 7日 (日) 22時14分

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