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2009年5月20日 (水)

手に入り易くなっています、「音楽は対話である」

蓮見岳人・阿部千春デュオリサイタル(リュート&バロックヴァイオリン)、是非お出掛け下さい。
最新情報は追加でお知らせします。



Taiwaニコラウス・アーノンンクール著「音楽は対話である」(アカデミアミュージック、改訂2版 2006)

・・・翻訳の初版を探しても品切れ、改訂版もなかなか見つからない、と右往左往しているあいだに家内の急死がありまして、入手を断念したままになっていました。

が、いま、入手し易くなっています。
大きい楽器屋さんや書店で見かけることも増えていますし、アマゾンHMVでも取り寄せがききます。
もしお手元に無ければ、ご一読をお勧め致します。

副題が「モンテヴェルディ バッハ モーツァルトを巡る考察」となっており、モ−ツァルトの部分は、礒山雅氏著「モーツァルト=翼を得た時間 」(講談社学術文庫)のネタにもなっています。

二部からなる本文の第一部は、この三人の作曲家に話題を限るのではなく、中世以降モーツァルトの時代までの楽器や演奏法の話が、古い楽器の修復に積極的に取り組んできたこの人の豊かな経験から、非常なリアリティをもって語られており、同じ著者の「(邦題)古楽とは何か」よりも叙述が具体的ですので、印象も鮮明です。バッハの管楽器の用いかたについての記述、バッハ時代の楽器である<オーボエ・ダ・カッチャ>の復元についてのレポート、第一部最終章で開陳されるモーツァルト時代の演奏習慣についての注意(モーツァルトにおける演奏解釈への指示----楽譜に書かれていない演奏習慣について)など、1989年当時には著者によってこの書に記されているのに、いまだにその意義が認識されていないことどもが豊富に語られています。

第二部は、それぞれの作曲家の作品についての考察ですが、学究に閉じこもらず実践を重んじるアーノンクールらしい叙述となっています。採り上げている作品を列挙しますと、

・モンテヴェルディ:「オルフェオ」、「ウリッセの帰還」、「ポッペアの戴冠」、「聖母マリアの夕べの祈り」

・J.S.バッハ:「ブランデンブルク協奏曲」、「ヨハネ受難曲」、「マタイ受難曲」、「ミサ曲ロ短調」

・モーツァルト」「イドメネオ」、「レクイエム」

となっています。どの作品についても、CDもしくはDVDで、アーノンクールの指揮による演奏を、本書の叙述と照合しながらきくことが出来ます。
私がとくに興味を引かれたのは、「オルフェオ」冒頭の有名なトッカータではトランペットはミュートを付けて演奏されるべきであることの考証と、モーツァルト「レクイエム」については(録音では彼は最初バイヤー版を使っていたのですけれど)ジュースマイヤー版が一概に否定的に捉えられないという感触の叙述、でした。もちろん、他の作品についても興味深い話が語られています。

巻末に45種の参考文献が掲載されていますが、そのうち5種は日本語訳が出ていますので、本書をお読みになったら是非併せて目を通してみて下さい。邦訳タイトルと出版社は記憶に基づくもので、恐縮ですが不正確ですので、検索してみて下さい。(私はエマヌエル・バッハは未読、ジェミニアーニは英語版、W.A.モーツァルト書簡集は原文の全集【読めないくせに!】で読んだか、積ん読しているかしていますので。)

※ カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ「クラヴィア奏法」(全音楽譜出版社)
※ フランチェスコ・ジェミニアーニ「ヴァイオリンの技術」(シンフォニア社)
※ レオポルト・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」(全音楽譜出版社)
※ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト「書簡全集」(白水社)
※ ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ「フルート奏法」(全音楽譜出版社)


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