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2009年5月15日 (金)

クラシックCD:売られかたへのふとした疑問

雑談ばかりで恐縮ですが、今日もふと疑問を抱きましたので。

書店についても感じるところはあるのですが、CDショップの方が極端かと思いますから、そちらに話を絞ります。

また、伝統音楽についても考えることはありますが、話が錯綜するので触れません。


大型ではないながら、総合するといろんな種類のものを置いているCDショップの品揃え・・・
ポップ系でも演歌でもジャズでも、「最新または最近の」録音が、どんな小さな店でも普通においていますのに、なぜクラシックだけは、いつまでたっても古い演奏の録音しか置かないのでしょう?

「クラシックは採算が取れないから」?

もしそんな理由だとしたら、やってもみていないのに、あまりに「売り手側の思い込み」だけで流通を制限してしまってはいやしないのでしょうか?

ポップだって新曲ばかりの時代ではなくなりました。
リヴァイバルがいっぱいあります。
でも、歌い手さんさえ新しければ、リヴァイバル盤は「あたりまえ」に売り場の棚に並んでいます。

クラシックだって、
「昔からのヨーロッパの曲だから」
という理由だけで、演奏も「昔から」のものしか置かない、という理屈は成り立たないように思うのですが、これはおかしな発想でしょうか?


最近は「Jクラシック」と称する括りもありますが、この括りで並べられた商品は種々雑多でして、曲はそれこそフルにヨーロピアンクラシックのものから、単に「日本人クラシック演奏家が演奏した」というだけのポップスのアレンジまで、雑然かつ混然とした状態で並んでいます。
実に摩訶不思議な光景です。

もうひとつは、大型店でない場合、「クラシック」は、1950ー1970年代までの有名演奏家(指揮者が中心なのもなんだかミョウ)のものであるか、あるいは千円台の廉価盤です。曲も知名度の高いものばかりです。

ポップほどの回転はないかもしれませんが、クラシック市場にもたくさんの演奏家がいます。
ジャズには及ばないかも知れませんが、発掘すれば面白い曲・才能も豊かにあります。

ポップは、昔のもののリヴァイバル(オリジナルの復活を含めて)でも2,000円代以上のCDが当たり前に出ていて、当たり前に買い手が付きます。
新しい歌手のものだって、まだあたるかどうか分からない人から、もうヒットしている人まで、一律3,000円を超える値段で売り出され、自然に「売れる・売れない」を競争しています。
ジャズもまた、ポップよりマニアックであるにも関わらず、また、ポップより市場は狭いかもしれないにも関わらず、ポップと同じ路線で売られていて、別段、衰えを感じさせることもありません。


クラシックだけが、なぜ違うのでしょう?

ベテランから若手まで、一律に並べたっていいじゃないですか?
私みたいに財政難だと、値段が上がるのは苦しくはありますが、ポップと同じように、有名無名の演奏家が、あるいは作品が、もっと豊富に、ごくあたりまえに、小さな店ででも売り込まれたって良いのではないのでしょうか?

「資産」などというものの価値を正当に評価してこなかったこの国の人々、とくに売り手側が、「クラシック音源」だけは、どうも「資産」扱いしていて、古いものを値段やパッケージを変えて(一度安くなったものがまた値段を上げて再発売されることも、統計はとっていませんが、結構な頻度で見られる気がします)何度も何度も登場するだけなのには、さすがに辟易します。

CDという商品において、クラシックの音楽家だけが、なぜ別扱いを受けるのでしょうか?


コンサートのチケット価格にしたって、演歌ショーもミュージカルもクラシック(オペラ)でも、別に差はありませんのに。

メーカーは、クラシックのマーケティング担当者にポップや演歌で敏腕をふるった人物を起用した方がよろしいのではないでしょうか?

・・・クラシックだって、もっともっと面白いのです。
・・・演奏のフェイズが変化している今だからこそ、面白いのです。
・・・そういうものを現在進行形で市場に乗せてみなければ、変化の中で世間が「おお、これなら!」と認めるものと「やっぱり変だよ」と感じるものの違いも分からないまま、日本における「クラシック」は、明治以来の「教養主義」の中で「ツンとお澄まし」した存在にとどまったままになってしまうのではないでしょうか?

「クラシック音楽」なるものが、本当に別の音楽ジャンルに比べて特別なものなのだったら、「クラシック音楽」の享受人口(演奏者も聴き手もひっくるめて)は、現在推定されるものよりは本来ずっと少ないはずなのではないかと思うのですが、そういう統計は、マーケティング上、キチンととられているのでしょうか?

クラシックのCD事情は、ふ・し・ぎ・で・ヘンテコ!

なんて言ったら、言い過ぎですか?

僕だったら、若い人たちの演奏を、ポップと同じくらい、豊富に聴いて刺激を受けたいのですけれど。

いかが?


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コメント

こんばんは。良く分かんないけど、杉並公会堂の隣に新星堂の本社がありますね。
あそこは今は本部機能だけでテンポはないけど、昔はそれはそれは広いCD売り場でした。
時々異動があるけど、何を聴いても打てば響くという感じで即答出来る根っからのクラシック
好きの担当者がいました。今、そういう人がいるCD屋さんてないみたいですね。
高田馬場のムトウのクラシック売り場に行くと山ほどNaxosがあって、それこそ全然知らない
内外の若手から、昔ながらの有名なのまでズラリとありますけど。確かに滅多にそういう店はない
タワーレコードとかHMVから送られてくるお薦めにむしろかつての「クラシックならまかせとけ」
見たいな人が書いているな、という意気込みを感じます。Am I missing your point?

投稿: JIRO | 2009年5月19日 (火) 03時00分

JIROさん、だいぶ遅くなってすみません。
多用になって、綴るだけで精一杯になって、いろんなかたにいろんなところで失礼をしてしまっています。あっちこっちでしかられっぱなしです。(^^;

杉並の新星堂さん、そんなにすばらしい売り場だったとは知りませんでした。
私が見た時には、すでにJIROさんのおっしゃる状態の場所でした。

ヨーロッパ在住の、尊敬する音楽関係のかたに窺ったら、向こうでもクラシックのCD事情はかなり苦しい、とのことでして、それがこの記事を綴るきっかけになりました。
そういう意味では、JIROさんの読み取ったことは全く正しいです。

もうひとつだけあるとすると、これは日本在住ですけれどヨーロッパでの経験も豊富な別の方のお話だと、ヨーロッパの人たちにとっての「クラシック」は、いまでは日本人にととっての「浪花節」状態なんだそうで、若いお客さんがつかないのに加えて、若手演奏家もなかなか育たない状態なのだそうです。ファン層も薄くなっている、ということなのでしょうかね。
ただ、あちらでも日本でも、たとえばバッハの音楽は信仰生活のなかに根づいていて、教会で繰り返し演奏されているようです。そういう場でのバッハは、CDで聴くものとは違う・・・教会という場所だからこそ意味を持ち続けられる、という生き残りかたをしているのですね。

ただ、日本のことを振り返りなおすと、歌舞伎は若いファンも新たについていますし、文楽や能も根強い理解者を持ち続けていますから、まず本場のヨーロッパでも「伝統音楽としての」クラシックに傾倒する若いファンが再生してくれたら嬉しいな、と思っています。日本は、それに比べると、やっぱり伝統というのも好きな人たちが絶えないから、まだ幸せなのかも知れませんね。

難しい問題かも知れませんね。

ありがとうございました。

投稿: ken | 2009年5月30日 (土) 23時19分

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