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2009年3月30日 (月)

わたしたちは一様ではない


心臓移植への応援の願いサイト「大樹君を救う会」
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・・・是非、お目通し下さい。



齋藤友美賀ヴァイオリンリサイタル(2009年4月28日、市ヶ谷にて)、是非お出掛け下さい。

書籍「金沢城のヒキガエル」、記事をお読みになってお気が向くようでしたら、どうぞご一読下さい。

(わたしたちは一様ではない)

・・・だから、
「足ることを知る」
のが必要なのかも知れません。

集団の中で、個々人をどのように評価するか、ということは難しいことですが、とにかく、
「個の存在は認めなければならない」
という大前提は、一般的に学校の対生徒、企業の対従業員、などに向けて掲げる旗としては落とせない。

実情は永遠の矛盾でして、学校は世間の価値観の多様性を受け入れるのは手に余りますし、企業は適材適所などということを考えていては生産性が上がらないから、<個別評価>といっても、一様な「ものさし」を設け、その「ものさし」に忠誠を誓えるような<部品>を使って<個>を評価せざるをえない。・・・言葉はきついですが、このことを批判しても始まらないし、そうせざるを得ない苦しみ、というのも理解できるつもりですから、
「そういうもんなんだ」
というお話です。
そして、わたしたちは、これを充分な評価として、喜んで「客観的に」受け入れて初めて、日々の幸せの糧を得ることが出来る、というわけです。

生活するためには、ベートーヴェンの言葉にありますように、
「忍従しなければならない」。



ですが、自己を「表現」する、という手段においてまで、この一様さを押し付けられたら、息が詰まります。

ベートーヴェンの、交響曲に付したメトロノーム記号は、ベートーヴェン自身を苦しめましたが、いまなお演奏者を苦しめています。
指揮者さんはさほどお困りではないかもしれませんが、演奏不能な速さを強いられるプレイヤーはどんなふうに思っているでしょう?
オーケストラは、ある意味では、一般の組織よりも没個性を強いられるところがあります。その団の方針にそぐう技量と表現が出来なければ「手伝い」もさせてもらえませんし、まして、定位置を確保するとなると、艱難辛苦、ポストの空きを待ちつづけることにもなります。(日本のアマチュアでも、弦楽器についてはゆるゆるですが、管楽器はそうも行きません。)

とはいえ、これから上げる演奏4例は、いずれも非常に訓練されたメンバーによってなされていることがはっきり分かるものばかりです。これは、矛盾するようですが、各人が
「この団の中で揃える」
ことに主体的でなければ実現できない演奏なのだ、ということだけは、すべての例に当てはまります。

2拍子になってしまいやすい音楽を、きちんと6拍子で奏でている技量は、並大抵のものではありません。

ですので、あえて、それぞれを評価することは致しません。

ただ、ヴァーグナーが
「舞踏の聖化」
と称して踊ったというエピソードにおふさわしい演奏はどれだとお感じになるか・・・お聴き下さるそれぞれのかたで、かなり異なる感想をお持ちになると思います。

そう、聴き手もまた、多様なのです。

ベートーヴェン:交響曲第7番 第1楽章呈示部から。

・インマゼール/アニマ・エテルナ(2006)
インマゼール
Zig-Zag ZZT 080405.5

・アーノンクール/ヨーロッパ室内管(2003)
アーノンクール
Teldec 0927 49768-2

・ジンマン/チューリヒ・トンハレ(1997)
ジンマン
ARTE NOVA 74321 56341 2

・クリュイタンス/ベルリンフィル(1960)
クリュイタンス
EMI CC25-3746

時を隔てても、大体同じ時期であっても、「指揮」というもので統率された演奏のひとつひとつであっても、かようにみな、異なります。

そんな演奏を、一様のものだ、と受け止める無神経さも、私たちは持ってはならないし、
「これだけが決定版だ」
という見方もまた、人生の楽しみを百分の一にも万分の一にも減らしてしまう。

どの時代にも、その状況に応じて確立されていた
「個」
を認めない発言をするような似非権威に迎合してはいけないし、私たち自身がそうならないように気をつけなければなりません。
せめて、次の世代がまた人生を楽しんでくれるためにも、その牙城だけは、わたしたちは守るべきでしょう。

・・・などと偉そうに言いつつ、
「でも、クリュイタンス/ベルリンフィルの演奏がいちばん好き」
と思っている私なのでした。。。 m(_ _)m


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