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2009年3月11日 (水)

メンデルスゾーン:初期の弦楽交響曲群(1)

心臓移植への応援の願いサイト「大樹君を救う会」
http://savedm.web.fc2.com/
・・・是非、お目通し下さい。


大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演しています!


齋藤友美賀ヴァイオリンリサイタル(2009年4月28日、市ヶ谷にて)、是非お出掛け下さい。


9544e075aaa0c2a4今年はフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディの生誕200年でしたね!

書籍の方は、残念ながら日本語のものはまだあまり店頭に並んでいませんが、これはモーツァルト生誕250年であった2006年も書籍が出そろったのはその年の後半からでしたから、期待したいと思います。
他の店舗は覗くチャンスがないので、ヤマハ池袋店だけ確認したのですが、2階の楽譜コーナーで、珍しい作品のスコアを含め、メンデルスゾーンコーナーが設けられていました。
また、日本語で読める伝記としては、「作曲家○人と作品」シリーズでの刊行が間に合っていない音楽之友社が、以前の「大作曲家・人と作品」シリーズと新シリーズのつなぎとして販売していた「<大作曲家>シリーズ」(著者はすべて海外の人、取り上げた作曲者は18人)の中の「メンデルスゾーン」を一時的に復刊でもしたのでしょうか、ヤマハ池袋店の店頭には置いてありました。

CDでは、確認出来たショップでは特設コーナーはありませんでした(Tower Records新宿店、HMV池袋店他数店)。が、商品としては以前ご紹介しました通り、SONY Musicから、SONY、RCA、ARTE NOVA、eurodiscの合同企画で、30枚セットの"THE COMPLETE MASTERPIECES"が発売されています。。
「全作品」ではないのですが、彼の主要な作品は、日本では馴染みの薄いものも含まれています。
なおかつ、どれも演奏者が魅力的であることは、特筆に値すると思います。

その他、書籍・楽譜やCD・DVDの検索には、いつもリンクを貼らさせて頂いている「Look4Wieck.com」が便利です(タイトルだけでなく、内容に検索ワードが含まれているものまで探し出してくれます)。
お世話になりっぱなしですので、クラシック関係の商品検索では類を見ない便利なこのサイトについて、今回から、少しずつ、使い方をご紹介して行きたいとも思っております。


さて、私もせっかく"MENDELSSOHN THE COMPLETE MASTERPIECES"を入手しましたので、その収録曲について、ちょっとはきちんと見ていきたいと考えておりました。

今回は、最初期の名作である「弦楽交響曲」群(序奏付きの単一楽章だけが残っている第10番、第13番を含め13作)のうちの、前半6曲について、簡単に述べます。

この弦楽交響曲群はCD1からCD3にかけて収録されていますが、作品の性質は、まず1-6番と7-13番で明確に二分されています。

前者が3楽章構成であるのに対し、後者は(第10番と第13番、再び3楽章構成をとる第12番を除き)4楽章構成を基本としています。


前半グループはCD1にすべておさまっており、これもまた1-4番と5-6番の2グループに分け得ることが容易に耳にできます。

すなわち、第1番から第4番までは、両端にAllegro楽章を、中間にAndante楽章を置いており、中間楽章は平行調(たとえば第1楽章と第3楽章がハ長調ならばイ短調)で書かれています。
これが、第5番と第6番は第1楽章Allegro vivace、第2楽章Andane、第3楽章Prestoという構成になり、第2楽章については第5番では下属調、第6番では3つの楽章とも同じ調、というつくりに変化しています。

また、伝記類では大バッハの他にハイドン、モーツァルトの影響が見られる、としているのですけれど、私の耳にはむしろ、ハイドンやモーツァルトではなく、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハと同じ系統の書法がとられているように感じられます。すなわち、速い楽章では、主題がまずユニゾンまたはそれに近いかたちで呈示されること(これだけならハイドンやモーツァルトにも作例がないわけではありませんが、次の点で決定的に異なります)、その主題が「細かくて活発に動く」分散和音を基調にしていること(この点がエマヌエル・バッハに似ています)、呈示の後、即座に対位法的に展開すること・・・そこで用いられている対位法が、ハイドンやモーツァルトのフックス(=パレストリ−ナ)的なものではなく、北ドイツ系統のものであることにより、「前古典派」と呼ばれるものにより近い雰囲気を醸し出しているのです。

・第1番ハ長調 第1楽章の例

ハノーヴァー・バンド、1992-1993収録、オリジナル楽器使用(以下、引用例は同じ演奏による。全てモノラル化)

また、1-4番を通して、短調への指向が強いのも、同様に、音楽のベースが北ドイツ系であることを示しています。
第1番ハ長調の第2楽章はイ短調であり、第2番ニ長調の第2楽章はロ短調です。第3番はホ短調の、第4番はハ短調の作品で、中間楽章に平行調の長調を置いています。

・第4番第1楽章は、Graveの序奏をもつ点で、この群の中では特徴的です。

このあと序奏を持つものは、後半の群である第8番以降のすべての作品となります。
第4番は、大バッハを意識したと思われる最初の作品です。

前半群の第2グループに、後年のメンデルスゾーンらしい特徴がやっと現れますが、代表的なのはこのAndanteでしょう。

・第5番 第2楽章

ざっとした把握で恐縮ですが、以上のことから、メンデルスゾーンの作曲のスタートはウィーン古典派からではなく、ライプツィヒ-ベルリンといったプロイセン系の音楽から衣鉢を継いだことがうかがわれます。・・・これらを作ったときのメンデルスゾーンは12歳から14歳という年齢でしたが、同じく初期作品が判明・演奏されているモーツァルトとは傾向が異なっていることには留意しておかなければならないでしょう。第1-6番は3楽章であるとはいえ、モーツァルトほどには「イタリア風」ではないのです。

なお、弦楽のための交響曲(シンフォニア)は1950年にベルリン国立図書館で再発見されるまで忘却の彼方にあった作品であることは、ご存知の通りかと思います。
"MENDELSSOHN THE COMPLETE MASTERPIECES"に収録されたハノーヴァーバンドの演奏では、通奏低音にピアノフォルテを用いていますが、残念ながら楽譜を見ることが出来ずにいるため、この通奏低音がメンデルスゾーン自身の手によるものかどうかは、私は把握をしておりません。通奏低音があると、とくに3楽章の前半作品群は、シンフォニア、というよりはコンチェルト・グロッソ風に聞こえるのも、面白いところです。


さて、お世話になっている「Look4Wieck.com」ですが、今回はいちばんシンプルな使い方(ただし、箱の中に単純に検索語を入れる、というのとは違う方法)をご紹介致します。

メンデルスゾーンの書籍(洋書)を探したい場合は、下図のようにします。(図があまり鮮明でなくてすみません。)

1)検索対象から「洋書」を選び、検索用語リストをクリックする。
Seek1

2)現れたリストの「作曲家名を探す」で、「ま」をクリックする。
Seek2

3)「メンデルスゾーン、フェリックス」を見つけ、原語の方のみにチェックを入れ、「検索ワードに追加」をクリックする。
Seek3

4)リストを右下の「閉じる」で閉じると、検索ワードに「Mendelssohn」と入力されている(綴りを調べたり間違えたりしないので便利)。この状態で「検索する」ボタンをクリックすると、検索結果が表示されると共に、その合計数、結果表示ページ数が画面左上に現れるので、分かり易い
Seek4

という感じです。

より便利に使う方法は、また徐々にご紹介します。

・・・ということで、上のリンクで実際にお試し頂ければ幸いです。

(私とこの検索サイトには特段の利害関係はございませんので、念のため申し添えておきます。)


L4WBanner20080616a.jpg

クラシックCD検索に便利!バナーをクリックして下さい!

sergjOさんの記事の便利なインデックスも是非ご活用下さい。

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コメント

メンデルスゾーンのエントリー面白うございました。あまり掘ってないので、「ヘンデルっぽいのかな・・・」と見当違いのことを考えていた自分であります。

&サイトの作成者よりも、わかりやすい説明ありがとうございます・・・←我ながら情けないっ!

投稿: sergejO | 2009年3月12日 (木) 13時58分

sergejOさん

とんでもございません! お世話になりっぱなしなので。
・・・もっと便利な使い方、を順次ご紹介出来ればと思っております。

メンデルスゾーンのこの作品群がヘンデルに似て聞こえるのは、不自然なことではないでしょう。
でも、確言できなかったのは、私がヘンデルの器楽作品の全貌をよく知らないからです。
ですが、ヘンデルは若い時にブクステフーデの演奏から強烈な印象を受けており、ずっと後の「メサイア」の中にもブクステフーデのテーマが顔を出しているくらいだそうです(メサイア大好きで、演奏も何度もやっているのですが、該当する箇所を未だに知りません。
ヘンデルはとにかく多様な作風の人で、この「メサイア」の序曲なんかは内容的にも立派なフランス音楽ですし、作品6のほうなんかは、もうイギリス人になっているのに、リヒターたちの演奏を聴くまでもなく、完全にドイツ音楽です。でもってオペラはイタリア人も叶わないほどイタリア音楽になっている。驚いちゃいます。・・・ですから、ヘンデルの影響を受けた作曲家は数多いはずなんですが、限定できないんですよね。。。恐ろしい才能です。

投稿: ken | 2009年3月12日 (木) 19時43分

>ヘンデルはとにかく多様な作風の人
なるほど!
・・・と、感心しながら、半知半解(半壊!?)の聴くだけ人間なのでした!
最近時間がなくて、kenさんに教えて頂いた本の勉強も進んでいないです、情けなや・・・

投稿: sergejO | 2009年3月13日 (金) 00時54分

第一番の第一楽章、ホントにエマヌエル・バッハ風ですね。
あの「騒がしさ」は正に、という感じです。
第四番の第4番第1楽章も作曲年代からすると
びっくりするくらい後期バロック風ですよね。
彼の修行の様子を垣間見られるようで興味深いです。

確か、メンデルスゾーンってエマヌエル・バッハと
何らかの繋がりがあったように記憶しているのですが、
う~ん、思い出せない…。
「マタイ」絡みだったでしょうか?

投稿: Bunchou | 2009年3月13日 (金) 12時54分

sergejOさん

そんなそんな、おハズかしい。「聞くだけ人間」、ホントは、理想の境地です!


Bunchousん

こうしてあらためて捉え直してみると、ちょっとビックリでしょう?
私、素直にビックリしてます!
メンデルスゾーンは、おばあさんがエマヌエルの弟子だったか、弟子の弟子だったかで、そのおばあさんから、14歳のときに大バッハの「マタイ受難曲」の楽譜をクリスマスプレゼントに貰っています。そんな縁で、彼自身だったか父親だったかはうろ覚えですが、たしか、エマヌエルの遺族に財政的援助をしていたのではなかったかと思います。・・・調べます。(Wikipediaに載っているのは確認したのですが、エマヌエルもしくはメンデルスゾーンの伝記と照らし合わせないと。Wikiには完璧な情報は、あまりないですから。)

投稿: ken | 2009年3月14日 (土) 00時47分

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