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2009年1月 9日 (金)

シューマン「交響曲第4番」:東京ムジークフロー12月27日演奏会の音2

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・・・是非、お目通し下さい。



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昨年12月27日(土)に行なわれましたTOKIO MUSIK FROH特別演奏会の演奏。

昨日の反省点を列挙しておいた上で、今日は、先にシューマンの交響曲第4番の音を掲載します。
(ハイドンをあとにもっていきます。)

1)「和音・響き」での演奏が出来ていない
2)カウントが甘い
3)「決め」の勘所と方法が理解できていない

この3つに付いては、前日のワーグナーの演奏で聴き取ったことを参考に、どこがどうなっているかを、出来ましたら時分なりにメモを取ってみて下さい。

具体的なことはたくさん述べても仕方がありませんので、他の曲をやる場合にも改善可能であり、かつ改善が急務でもある点の方法を、各楽章で1例ずつ例示するに留めます。・・・「思い」が一人でも多くの「読んで下さるかた」に伝わることを切に祈ります。ただし、方法は全て、主観的にではなく、客観的に(物理的に)考え直せば良いものばかりになるはずです。

・第1楽章(音程問題:弦楽器はポジション、管楽器は息の量)0分17秒箇所を中心に

冒頭部の音程がまず一本に集約できていないのは、情けないですね。また、この楽章はファーストヴァイオリンが安易にポジションをファーストからサードに代え易いA音で曲が始まるのですが、ファーストの連中は最初ファーストポジションでこの音をとっていたのですね。これが17秒のところでは上のC音をとるためにセカンドないしサードポジションにシフトしなければならない。サードポジションはポジション移動のうちで最も最初に、安直に教えられるケースが多いので、往々にしてこのシフトは音程の狂いを伴います。・・・案の定、非常にみっともないことになっている。・・・上に上がり過ぎている人が、おそらくたった一人か二人いるだけなのです。実は、ニュアンスとしてどのように入るべきかの思考も併せて欠けているので事態がいっそう惨めになっているのですが、そのことはハイドンの演奏について述べるときに記します。
チェロ、コントラバスはまた楽器が大型になる分別の難しさが伴う(チェロは、調弦の違いから一概には言えないのですが、ギターをお弾きになるのでしたら、半音に対するフィンガリングがギターとヴァイオリンの折衷型である、と言っておけばいいでしょうか?)のですけれど、日本の一般的な弦楽器教育が、指の「大まかな」位置だけでポジション移動を指導しているのは嘆かわしく思います。
まず、ファーストポジションで、いわゆる普通の(西欧)音階に沿って4つの指が作る音程の組み合わせ(「全ー全ー半(ドレミファ、ソラシド)」、「全ー半ー全(レミファソ)」、「半ー全ー全(ミファソラ)」、「全ー全ー全(ファソラシ)」・・・移動ドでの例示です。数学的にはもっと多くありますが、実用上はこの4つだけです)の、ある韻律での正しい音程での手の形をしっかり覚えたら、それを第2、第3・・・第7くらいまで、まず固定して作り上げておく。移動の練習はそのあとで行なうべきなのですが、それがなされていない欠陥が、今回の演奏では17秒での、本来神秘的であるべき新動機の入りを、とても恥ずかしい惨めな音にしている。
楽器で曲を弾く前に、音階を固定したポジションで、ファースト、セカンド、サード、フォース、フィフス・・・可能ならセヴンスまで・・・と1回ずつでいいから弾く習慣を付ければ、それだけでだいぶ改善されます。時間も10分程度で出来ることですから、まずそこへ帰って見てもらえたら嬉しいな、と思います。(曲中の難しい音程の部分は、やむを得ないとしておきましょう。)
この改善の必要を感じてもらえる(感じてもらえなければ困る)場所は全曲、全プログラムにあります。
管楽器の音程作りも基本的には音階練習ですが、ポジションの問題は(トロンボーンの「ポジション」は倍音列に対するものであって、他の金管楽器のバルブないしピストンの使用の最も基本的な形であり、弦楽器で言うポジションとは違いますね。木管楽器にも弦楽器のポジションに相当する概念・技法はありません)弦楽器固有のものです。
管楽器では、むしろ「おなじフィンガリングが基本はまずいつも同じ音程で鳴らし続けられる」安定性の獲得が重要で、そのための音階練習、アルペジョ練習が欠かせないでしょう。
ディナミークに変化が付くと音程も変わってしまう(息を強く吹き込むと音程が下がります・・・すなわち、フォルテは意識しなければ音程は低くなります)ので、一定のディナミークでのロングトーンを数種のディナミ−クで行ない、音程の安定を確認出来たら、ロングトーンの中でディナミークに変化をつける練習が有効かと思います。これは実は楽器をもたなければ練習できないことではなく、吐く息の量が一定するようになればいいのですから、事務所でパソコンに向かっていても、ご家庭でキッチンに立っていても、「一定の息の量」を意識した呼吸を、思いついた時に試み続ければ、それが自ずと「安定した音程作り」に役に立ちます。もっとも、シューマンでは、管楽器の方は耳をよく凝らさないと音程問題は露骨に目立つ箇所は少ないようですが、「マイスタージンガー」ではシューマンより分かり易く「欠陥」が露呈されていますので、もう一度聴き直してみて下さい。


・第2楽章(音量バランス問題)3分00秒後を中心に

中間部のヴァイオリンのソロは、実は非常に周りに埋もれ易い音域で書いてあり、本番前はずっと、「埋もれちゃえば隠れられていいや!」と思って記譜通りの長いスラーで弾いていたのですが、本番だけ変えました。シューマンの頃のスラーはもはやボウイングに対する指示ではないからです。
で、結果的に録音でも聞こえるくらいの音量が出るような変更を加えたのですが・・・本来は、逆に、周りが、こんな小猾い発想の私に
「よし、恥をかかせてやれ!」
ということで音量を押えられるようだと
「あ、このオーケストラは力量があるんだな」
と、分かる人には分かってもらえる。(しかも、音は決して「小さく」は聞こえないのです。)
ボウイングを変えたのは、この問題を明確化する上では失策でした!
ただ、この中間部は、あまり一生懸命に演奏しなくても豊かな響きがするように「書かれて」います。で、ヴァイオリンのソロがあろうがなかろうが、トゥッティはもっとディナミークを落とした方が美しく響いたはずです。ヴァイオリンのソロの最終部分(オーケストラのメロディが浮き出て聞こえる箇所・・・2回目の、3分以降あたりは、管楽器はハーモニーさえ合っていれば、醜いヴァイオリンのソロを晒し首にして、自分たちの絹のような手触りの響きを聞かせられるのです。・・・そもそも、管弦共に、ハーモニーは合っていないのですが!
・・・タイミング問題、というのもありますが、これもハイドンの演奏についての記述時にしようかと思います。


・第3楽章・第4楽章(安定性の課題)第3楽章から第4楽章の以降部を中心に。6分06秒以降

これは、6分06秒以降のところに、とくに「管のまとまり」と「弦のまとまり」のコミュニケーションが順調でないための、非音楽的な時間のズレが発生してしまっています(私自身が6分06秒からのトロンボーンが2つの音をどういうテンポで吹きたいかについて読み誤りをしているため、ファーストヴァイオリンは結果的にホルンの入りより先にフレーズが終わってしまっているという失敗を犯しています)。ここ以降のアチェランド、ある意味で微妙な問題なのですが、音楽上、管楽器は弦の担当が終わってから入るまでの時間が遅すぎ、弦は・・・これも私がいけないんだろうな・・・管の担当が終わってから入るまでが早すぎます。
これは、この移行部が難しい(実際、しつこく練習しましたよね)から目立つことなのですが、前のスケルツォ部でも、この移行部が終わったあとのフィナーレでも随所に聞けますから、この箇所をヒントに、タイミングのズレによって音楽的な安定性が欠けていたり、ズラさないためにトップが強調することで(これについては私がしでかしたことでの失敗が、特にスケルツォで何ヶ所でも聞けますから、他山の石として下さい)、やはり保たれるべきバランスが崩れてしまっている箇所を洗い出してみて下さい。
弦のかたには事前に「シューマンの歌曲を何でもいいから聴き込んでみて下さい」とお話する機会があったのですが、その点はとりあえず第2主題部では功を奏したのかな、と思っております。歌作りに失敗している部分は奏法上の個々人の技術的な問題の累積が音として出てしまっているのであって・・・いまは「そういうことでも音楽は不安定になるのだ」と念頭において頂くことで良しとしておこうかと思います。

項目を絞ったのですが、それでもこんなに綴ってしまいました。


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