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2008年12月13日 (土)

コレルリ「クリスマス協奏曲」:好きな曲015

心臓移植への応援の願いサイト「大樹君を救う会」
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・・・是非、お目通し下さい。



大宮光陵高校管弦楽部がSONYのウォークマン"Play You"のCMに12月13日から出演します!

その大宮光陵高等学校第23回定期演奏会(12月14日)のご案内を掲載しております。

180pxcorelli「仙台ユースシンフォニーオーケストラ」に入団して、高2までに演奏を経験した作品は、思い出す限りでは次のとおりです。
・J.シュトラウス「こうもり」序曲
・ヘンデル「水上の音楽」ハーティ版
・ベートーヴェン「エロイカ」
・同上「エグモント」序曲(これは記憶に自信がありません)
・ビゼー「アルルの女」第1・第2組曲
夏1回の演奏会なので、あと1曲だけはあったはずですが、忘れてしまいました。
指導して下さったのは、合唱曲に名作を残している、仙台在住の岡崎光治先生でした。先生の代理で頑張っていたのは、市の清掃課で働きながらフルートを勉強していたKさんでした。
高2の演奏会が終わったあと・・・団の運営については全く知らなかったので事情はいまだに分からないのですが、急に岡崎先生の指導が仰げなくなり、Kさんも団から姿を消しました。コンサートミストレスを務めていたEさんも、同時にやめたのではなかったかな。練習場所も変わりました。それがきっかけだったのか、それとも高3の夏は参加の案内が来なかったのか、私は高3の演奏会には出ず、一聴衆として会場に坐っていたことだけを覚えています。
翌年、一浪していた僕はオーケストラへの思いを捨てきれず、変更になった練習場で団が活動しているのを聞きつけて再度参加することになったのですが、同時に、わけもわからずコンサートマスターというものにされてしまいました。腕にも自信がなく、コンサートマスターというのがどんな役割を持つのかも知らないままでした。
結果的に、これで私は仙台で過ごした残りの学生時代の音楽活動にはたくさん悲しい思い出を持つことになったのですが、それはまた次に記します。・・・ついでながら、そうではあっても、当時のことについて、今はただ懐かしい、という以上の感慨はなく、利害がどうだったか、などということに執着はありません。もし仙台の方がお読み下さっていても、その点は、ですから、あらかじめご了解頂ければと存じます(とはいえ、このブログ、仙台のかたが読んでいるなんてことは稀なようです)。

時間は少し戻って、
「大きなオーケストラの曲もいいけれど」
と、Eさんが紹介して下さって、センプリーチェ、という、ユースオーケストラよりは少し年長の人たちがやっていた室内楽の団体にも数回参加をさせて頂きました。ただ、練習が平日、かつ時間と体がキツいために、私は結局そちらの団体には正式参加しませんでした。
それでも、たった数回の参加で、この団体には素敵な室内楽・バロック初体験をさせてもらえました。
バッハのブランデンブルク協商曲を数曲、モーツァルトの、今の通称で「ザルツブルクシンフォニー」と呼ばれているK.136、K.137、K.138との出会い(とくにK.137は私の心を打つ音楽でした)、ヘンデルの合奏協奏曲1曲(2集ありますがどちらに入っていたものだったかは記憶していません)及び12曲あるコレルリの合奏協奏曲から3・4作は、少なくとも練習した記憶があります。
そうした中で出会った1曲が、今回掲載するコレルリの「クリスマス協奏曲」でした。

・コレルリ:合奏協奏曲第8番(クリスマスの真夜中のミサのために)第6楽章
パストラール
マリナー/アカデミー室内管 LONDON POCL-2857

この演奏は私の好みや、当時自分たちが弾いていたテンポよりはずいぶん速いのですが。

クリスマスには、誰でもいろいろな思い出をお持ちでしょう。
私が初めて弾いた時も、たぶん、「もうすぐクリスマスだから」という練習の時ではなかったのかな。でも、練習場所がお寺さんなので(やはり仙台の素晴らしい作曲家、片岡良和さんがお寺の住職さんで、この団体の援助をしていたからではなかったかと思うのですが、定かではありません)、なんだか妙に可笑しかった、でも敬虔な気持ちにもなったように記憶しています。

その他の私のクリスマスの思い出は、移行前のブログに綴り、そのまま残してあります。その翌々日に家内を亡くしたことが、新しい思い出に加わったからです。

いま、つくづく思うに、「神」や「仏」という言葉で呼ぶのが妥当であろうがそうでなかろうが、宗教の違いを超えて、「神」と捉えてよい「なにか」は、有形か無形かは分かりませんが、存在するのではないのでしょうか。この宇宙が誕生した契機が・・・別にビッグバン説が正しかろうと正しくなかろうと・・・あったからには、様々な事象を生み出し、かたちとして固定し、再び解体してはまた再創造する、そのようなエネルギーがあることを、誰も否定できないはずです。ただし、人間というものは、それを「神」という言葉で固定したがってきた。だから、有神論だの無神論だのという「理論」を築かずにはいられなかった。いずれにせよ、少なくとも物理学の世界観でも「本当に全てを語り尽くせる」法則は人間には未だ発見できていないにもかかわらず、私たちの前には厳然として、日々誕生があり、死があり、生がある。それに固定化した呼び名をを与えること自体に、おそらくは無理があるのではないか、と感じます。
そうした固定的なものではないが故に、人間ごときには永久に発見できない「法」とでも言うべきものが、個々人の意志を超えて「ある」のではないか、ということに・・・私も半世紀も生きてしまったからでしょう・・・深く思いを致すようになりました。
コレルリのこの作品は、そんな私が最初に出会った、「宇宙の前に跪(ひざまず)く」音楽でした。



アルカンジェロ・コレルリ(1653-1713)のヴァイオリン音楽は、全部に接してはいないので確言は出来ませんが、第3ポジションと呼ばれる手の位置よりも高い音を弾くことは求められていなかったかと思います。それでもヴァイオリンの第1人者として人々に高く評価されていた晩年の彼の前に、新進気鋭のヘンデルが現れ、コレルリの旧弊な作風を揶揄したエピソードは有名です。
「コレルリさん、第7ポジションまで使えば、音楽はもっと輝かしくなるのに!」
「ヘンデル君・・・わたしには、もうこれ以上出来ないんだよ。(あとはまかせた。)」
みたいなかんじの話です。
これには、重要な時代背景、表現の欲求のエントロピー増大が背景としてありました。
西欧クラシック音楽では、器楽が声楽よりも上、というのが今日の聴き手には価値観としてあるようですが、実際にそうなったのは17世紀後半、すなわちコレルリの活躍した時代になってからのことで、器楽の地位を高める上で最も大きな功績があったのが、ほかでもない、コレルリ自身でした。それをコケにしたヘンデルも、なんだかんだ言って、合奏協奏曲の作曲にあたってはコレルリの影響を色濃く受けています。
器楽が重視されるようになった事情については音楽史を辿っているカテゴリで見ていこうと考えております(まだその一時代手前までしか至っていませんし、これからしばらくヨーロッパからまた離れるはずです)ので、よろしければそちらもお読み下さい。

一足早いクリスマス音楽の掲載ですが、もしお信じの宗教がおありでしたらそれを感じつつでも結構です、もし「無神論者」でいらっしゃるなら創造の神秘ということには是非思いを致して頂き、宇宙・世界に向かって「敬虔な」お気持ちを抱いて頂けるようでしたら幸いです。


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コメント

「仙台ユースシンフォニーオーケストラ」なつかしいですね。現在は「仙台市民交響楽団」と名前を変えて、今年創立40周年記念コンサートを開催したと聞いております。「仙台ユースシンフォニー」にちょっとした騒動があったことはなんとなく覚えております。私も岡崎光治先生とは、合唱の世界で40年来の付き合いがあるのですが、いろいろありました。先生はつい先日74歳になり、私も来年は還暦。今年、「東北大学ホームカミングデイコンサート」というイベントで久しぶりに一緒に仕事をさせていただきます。
片岡良和先生とも古い付き合いで、若い頃東北放送のラジオで対談したことがあります。お二人ともまだまだ現役でがんばっておられます。

投稿: だてけん管理人 | 2009年7月15日 (水) 04時14分

だてけん管理人さま

ありがとうございます、ブログを拝見し、小躍りして喜んでしまいました!
岡崎先生も片岡先生もお元気とうかがって、これも大変に嬉しいことです。

そうですか・・・私が仙台で右も左も分からないでいた頃から30年経ったのか、と思うと、こちらも感慨ひとしおです。
だてけん管理人さんのいまのご年齢になる頃には、里帰りして暮らす可能性もあります(親の面倒の関係なのですが)。その節は宜しくお願い申し上げます。

ブログ、楽しみに拝見させて頂いて参りたいと存じます。

投稿: ken | 2009年7月15日 (水) 07時51分

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