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2008年11月20日 (木)

まずは"Beat"〜ブラームス「第4」:聴き手のための楽典001

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・・・是非、お目通し下さい。



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「おお、いい感じのビートだねえ!」
・・・ジャズなら、ノリノリの音楽に感じるリズム(*1)を、そんなふうに聴き取ることでしょう。ロックなんかでも同じですね。
「ビート」は、音楽の上では<拍子を取る>という意味で使われます。拍子は、英語ではtime;またはそのままrhythm、ドイツ語ではTakt(中性名詞)です。フランス語にもrythme(男性名詞)という語彙がありますが、「拍子」を表わす場合にはmesure(女性名詞)かtemps(男性名詞)を使います。イタリア語ならritmoかtempo(いずれも男性名詞)です。

日本の伝統音楽でいう「拍子」には、洋楽とは違う、あるいは洋楽よりも複合的な意味があるのですが、それを言っちゃうと面倒だから、避けておきます。

・・・で、ブラームス「交響曲第4番」のCDに付いた解説パンフレットの、最初のページを開いて見て下さい。
一番詳しいものですと、次のように書かれているのではないかと思います。

交響曲第4番 ホ短調 作品98
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ソナタ形式 ホ短調 2/2拍子
第2楽章 アンダンテ・モデラート 二部形式 ホ長調 6/8拍子
第3楽章 アレグロ・ジョコーソ ソナタ形式 ハ長調 2/4拍子
第4楽章 アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート パッサカリア ホ短調 3/4拍子

・・・いろいろ書かれてあるうちで、「楽章」とその次の得体のしれないカタカナ語はだいたい載っているかと思いますが、そのあとの「形式」、「調」、「拍子」までは載っていないことも多いので、まあ、載っていなくても気にしないで下さい。

で、今日採り上げておこうと思うのは、「載っていないかも知れない」拍子、というやつです。



クラシックのリズム(*1)はジャズやロックのような躍動感があるものばかりではありませんが、リズムを決める基本的な約束事が、この「拍子」です。

「拍子」は、具体的には、上に示しました通り、算数の分数と同じ書き方をされています。
ですが、算数とは、ちょっと違います。

たとえば、第1楽章の「2/2」は約分して「1」とすることが出来ません。第4楽章の「3/4」は、算数でいう「1(=4/4)」の4分の3を表わしたものではありません。
ですが、面倒なことに、それぞれ、読み方は「2分の2拍子」であり、「4分の3拍子」です。

まいっちゃいます?

いや、序の口です。

今日はまだ音をお聴かせしませんが、「拍子」を聴いて理解する時には、拍子を表わす「分数」の「分子」の方にだけ目を付ければいい。
ですから、「2分の2拍子」は、まずは単純に2拍子だと思ってしまう。2拍子は行進曲に多いですね。
同じように、「4分の3拍子」も、3拍子だと思ってしまう。ワルツなんかで使われる拍子(リズム)です。

そうすると、2拍子は、「1、2|1、2|〜」と数えていけばいいだけですし、3拍子は「1、2、3|1、2、3|〜」と数えただけでいい。何拍子の「何」の部分の数字が、その曲のリズムの単位になるわけです。とりあえず、分母は無視しても、さしつかえない。



「・・・いや、どうしても分母が気になる!」

そうですか。

仕方ありません。ちょっと、音符の話が入って来ちゃいますが、それでよろしければ、ごくかいつまんでご説明します。・・・これでアタマが混乱するようでしたら、以下の中身は一旦忘れて下さい。

分母は、楽譜の書き方に関係があります。音符の種類のことは、とりあえず考えすぎないで下さいね。

たとえば、「2/2拍子」は、「この音楽の楽譜は2分音符1個を単位にした2拍子です」ということを表わしています。で、この拍子はひとかたまり当たり(幾つも続く「1、2|1、2|〜」のうちの、どれかひとつの「1、2」だけ・・・どのひとつの「1、2」でもいいんですが)を、なんでもいい、「X、Y」とでも置き換えてみましょう。XもYも二分音符です。「2/2」だから算数なら「1」になるところ、音楽の「2/2」は「2分音符が2個でひとつ」、すなわち、単位であるはずの2分音符が、単位の中に「2個」入っている、という、「???」の世界に私たちを連れ込んでしまいます。

もうひとつ、「3/4拍子」は、音楽の「ひとかたまり」のなかに「4分音符が3つ」しか入っていません。
つまり、分母が4だからって、音楽の「ひとかたまり」が4になることは無い。4分音符ってヤツが3つ集まれば、
「はい、次の単位に行きますよ!」
って・・・算数ならあるはずの「4つ目」は全然無視して、メロディが流れていきます。

これは、実際に音符に書いてみた方が分かり易いのですが、今日のところは意地悪をして、こんな書き方でお茶を濁しておきます。



音符について、プラスαを。

2分音符、とか4分音符の、「分」の字そのものは算数と同じで、あるひとつの音符を「分ける(分割する)」ことを意味しています。

その、ある一つの音符のことを、「全音符」と言います。白丸1個で表わします。

これを2つに分けたのが「2分音符」。2つに分けたのだから、長さは全音符の半分です。白丸に1本の縦棒を付けて表わします。

4つに分けたのが「4分音符」です。長さは「全音符」の4分の1、「2分音符」の半分です。2分音符の白丸部分を黒く塗りつぶして表わします。

とりあえず音符を読むことを目的にしないで<楽典>を追いかけていってみますので、そこは、楽譜に縁のないかたはイメージを膨らませておいてみて下さい。

何事も、初めから「絵」としてみてしまうより、想像してみておくことで、あとから実物を見たときに「理解できる」までの時間が相当に短縮されます。
「あ、想像した通りだった!」
という場合もあるでしょうし、
「ありゃ、全然違うじゃん!」
という場合もあるでしょうが、どっちにしても、想像していた分、初めて見たときの印象が鮮烈ですから、心に残り易い。
「山本権兵衛」という名前の人を、名前だけで「どんな顔立ちで、どんな体つきだろう?」と想像を膨らませておいて、「なんか、どんくさい名前だからどんくさい風貌なんだろう」と思っていて、いざ写真を見たら、若い時には美男子だっただろうというくらいにスマートな、しかも凛とした気骨を感じさせる風貌だったりした・・・だから、忘れがたくなった、というのと同じようなものです。

・・・違うかなあ?



聴く人のための楽典1=拍子が分数みたいな記号で書かれているときは、分子にだけ注目。それがその曲のリズムの基本単位」

つまり、「2/2拍子」とあろうが、「2/4拍子」とあろうが、この「分子無視法則」により、、きくだけだったらどっちも同じ「2拍子」、というわけです。(くどいですが、<分母は無視>です。)

・・・途中、難しかったかもしれません。
・・・ですから、まずは、これだけを覚えておきましょう。

応用問題としては、触れなかった「第2楽章」、「第3楽章」というやつの「拍子」はどんな拍子か、を考えてみて下さい。
答えは、載せません!



*リズム〜今回は厳密な意味では使っていません。これには「拍子」のほかに「決まったかたちの音の流れ」や「音楽の速さ(スピード)」のような、複数のニュアンスがこめられて使われることが多いですから、そのままの複数のニュアンスを区別しないでおいてあります。


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