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2008年11月11日 (火)

涙の(?)「スラヴ舞曲」(ドヴォルジャーク):好きな曲006

心臓移植への応援の願いサイト「大樹君を救う会」
http://savedm.web.fc2.com/
・・・是非、お目通し下さい。



ファジル・サイのつくば公演もお聴き逃しなく!
http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/in-808f.html


現在の精神上、かつ、手をつけてしまった教材の難しさから、なかなかメドが立ちませんが、従来の話題も復帰すべく怠らず勉強しておりますので、そちらはしばしご猶予下さい。


日本人からまた女性宇宙飛行士が誕生するニュースが流れていましたね。私がオーケストラっていいな、と思いはじめていた頃は、私にとっては同時に天の星々へのあこがれも強い頃でした。アポロ11号の乗組員2人が月面に着陸したのを、まだ珍しかったカラーテレビを持っていたお金持ちの農家の友達の家へ大勢集まって見せてもらい、感激しました。それが引き金になって、市街の公園にあった天文台のプラネタリウムにひとりでバスで通うようになりました。宇宙飛行士とか天文学者になるのもいいな、なんて妄想を抱きながら出掛けていったものでした。
そのプラネタリウムを操っていたのは、後年、木星の地道な観測を続けた功績で、日本の天文学会で有名になったかたでした。が、当然まだお若くて、プラネタリウムの上映にいろいろ工夫を凝らし、子供だけでなく大人も楽しめる、当時としては最高の演出をなさっていました。星座には中世の星図(星の位置の背景にその星座が表わす人物や動物、ものの絵が描いてあります)の画像の輪郭を重ね合わせて見せ、まず神話のエピソードを紹介し、それから具体的に「この星までの距離は光のスピードで何年」とか「赤い星ほど大きいか、年寄りなんだ」とか、分かり易く説明してくれるのです。そのあいだ、当時の流行曲で星空に合いそうなもの(たとえばサイモンとガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」とか)を流すのです。
あるとき、音楽と暮れていく空がピッタリくるオーケストラ曲を流されたのが、「宇宙飛行士」・「天文学者」なんて妄想を私から押し流し、代わりに「オーケストラ、やりたい」妄想に私を埋めてしまったのです。
1937963746ドヴォルジャーク(ドヴォルザーク、と表記されるのがつい最近まで一般的でしたが、私が初めて図鑑でこの人にであった時にはドヴォルジャック、でしたし、現地の発音では「ジャ」が近いそうです。リンク先のKlaviermusikを綴っていらっしゃるDさんがお詳しいです)の交響曲第9番「新世界から」の第2楽章でした。
導入部は、まだ夕焼けです。有名なメロディが続くあいだにドームの中が徐々に暗くなり、だんだんに盛り上がって金管楽器の壮大な和音がなる瞬間に、満天の星をドーンと映し出したのです。

この曲は、幸い、人から貰ったレコードが家にありました。プラネタリウム・ショックを受けた日から、懲りずに絶えず聴き続けました。

で、私を今も続く「妄想」に決定的に引きずり込んだのはこの曲なのですから、これをお聴かせすればいいのですが、この作品、いろんないい録音が出ている上に、人によって好みも違う。CDショップでも見つけやすいですから、もしも聴いたことの無い方は、まずお手に取ってみて頂いて、全曲(4楽章あります)聴いて下さるのが一番いいと思います。

代わりに、オーケストラに引きずり込まれた後で出会った同じ作曲者の曲のなかで、最も好きなものを聴いて頂きます。「好きな曲」のなかでは、初めてのオーケストラ曲です。

・スラヴ舞曲第10番(第2集第2番)ホ短調(ドヴォルジャーク)

クーベリック/バイエルン放送響 Deutsch Gramophone UCCG-3322

・・・これは、たまたま持ち合わせていたCDです。クーベリックは亡命中でしたのでバイエルンのオーケストラと録音していますが、指揮者は違って構いません、できればチェコフィルの演奏でお聴き頂くことをお勧めします。可能なら,、すぐに手に入るノイマン指揮のものではなく、もう少し古いターリヒかアンチェルが指揮したものを、より強くお奨めします。ノイマンが嫌いだから、ではありませんで、チェコフィルの音を育てたのがターリヒ、アンチェルだからです。この指揮者たちによる録音の方が、チェコが本来持っていた魅力がよく伝わって来ます。



ドヴォルジャークは優れたメロディメーカーでしたから、歌曲でも「母の教え給いし歌」、器楽曲でも「ユモレスク」、弦楽四重奏では「アメリカ」、協奏曲もチェロを筆頭にヴァイオリン、ピアノも聴きやすい作品を残しました。「スタバート・マーテル」のような素晴らしい宗教曲もある一方、交響詩や標題序曲を筆頭に、小規模な管弦楽曲や弦楽セレナーデなど、19世紀チェコではもっとも親しみやすい作品を多くものにした人であることは・・・とっくにご存知ですね。
「スラヴ舞曲集」は、その中で最も「短い」作品の集合で、個性に溢れた民族舞曲集です。2集ありますが、第1集はブラームスの紹介で彼の作品を出版することになったジムロックが、ブラームスの「ハンガリー舞曲集」を真似て創作するようドヴォルジャークに依頼したものでした。今日掲載した曲を含む第2集は、ためらうドヴォルジャークを急かし続けたジムロックに根負けして、それでも第1集の8年後に作曲・出版したものです。オリジナルは4手のピアノ用です。・・・曲そのもののムードについて、あえて駄弁を弄するのは避けておきましょう。ただ、私がこの曲を初めて弾いたのは大学生のときだったこと、以来、他のスラヴ舞曲は演奏する機会があっても、この曲の美しさを実現するのはあまりに難しいためか(オーケストレーションは第8交響曲に近いのですが、ディナミーク【強弱感】の違いがこちらの舞曲により高いデリカシーを要求するのです)、そう何度も弾けず、残念に思っていることのみ、付け加えておきます。それでも、大学時代には3回弾けました。どのときも、ヴァイオリンなんてたくさん人数がいるにも関わらず、まわりの先輩が「おまえの弾き方、いいねえ!」と誉めてくれたのが、先輩たちとは葛藤を感じさせられた辛い思い出の方がたくさんある私にとっては、珍しくいつも喜びをもって回想できることに、いまは感謝をしております。


話は変わって、「新世界より」は4つあるどの楽章も、非常に魅力的です。実は、私は自筆譜のファクシミリも持っているくらい好きなので、出来ればファクシミリも見て下さい、と言いたいところですが、なにぶん高価です。
CDで一般に評判がいいのは、指揮者で言うとケルテス、セルあたりのようですが、私の最も好きな演奏はフィレンツェ・フリッチャイによるものです。最近のかたの演奏は、知りません。・・・周りの方のご感想も参考に、ご自身のお気に入りそうなものを見つけて下さればよろしいかと思います。

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