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2008年9月14日 (日)

「マイスタージンガー」ですよ!:付)9月14日練習記録

なんだか練習記録の方が後になってしまいますが・・・

「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲の、ちょっと珍しい、いや、骨董品的な録音を、まずはお聴き頂きましょう。

カール・ムック指揮/ベルリン国立歌劇場管弦楽団(1927年12月)
MeistersingerPrelude-Act 1
APR APR-5521

ムックは日本ではあまり知られていないのかもしれず、Wikipedia上には記事がありませんでした。名前にリンクを貼ったサイトに記されている通り、ドイツ20世紀初頭の最重要指揮者です。ワーグナーの実子ジークフリートよりも一層、ワーグナーそのもののバイロイトを墨守した指揮者ですが、いってみればバイロイトの有名人嗜好により、トスカニーニの登場と共にバイロイトを体よく追い出された、不幸な履歴の持ち主です。

全般にまだノンヴィブラートが徹底しているのがお分かり頂けるでしょうか?
前に聞いて頂いた、7年後の録音であるワルターのブラームス第4(1934)では実際にはヴィブラートが容認されていますから、そちらもご興味に応じてお聴きなおしなさってみて下さい。
この時期、ではノンヴィブラートが当然だったのか、というと、リヒャルト・ワーグナーの息子ジークフリートが残した父の作品集の録音では1925年の演奏でもヴィブラートをかけさせているものがあったりしますから、演奏様式の変遷を辿るのは本当に難しいです。


以下、練習記録です。

9月14日は、団内で、前半に上記「マイスタージンガー」を、後半に(予定を変更して)シューマン第4の3、4楽章を練習しました。
本日は団員有志の参加する室内楽演奏会が夜にあったため、人数は少なめの練習でしたが、Mさんの適切な指摘で、いい内容だったと思っております。

<マイスタージンガー>
全般的なことだけ。かつ、細目は除き、今後もこれで充分だと思います。
・表面に聞こえなくとも、各声部の、各旋律が大事。拍を正しく守って演奏すること
・実質はバロックの作法。各自の独立を重んじ、しかし、接点は揃えて
・基本は無限旋律。切れないように。
・類似音型でも記譜上の相違点は明確に意識して。
・とはいえ、音は(これはMさんの言葉そのままではありませんが)鐘のように消える
・ただし、保つべき長さは保つ。(粘っこい、ということとイコールではない)
・迷った時には誰かが同じことをやっている。他のパートにそれを発見しておくこと!

<シューマン「第4」>
練習で述べられた点と前後が入れ替わりますが、なるべく分かり易いようにしたいと思います。

第3楽章
・基本的に2小節が1単位。二小節ごとにアタマに「入り」があり、二小節かけて音は「出て」いく。そういう「入りと出」を常にきちんと意識して。(これもMさんの言葉通りではないですが、主旨はずれていないと思います)
・9小節初出の八分音符で跳ねて二分音符になる音型、八分音符の勢いを大切に。そのあとの八分休符が詰まって走って行ってしまわないように
・弦楽器が「刻み」のメロディーになっても、ニュアンスは四分音符のときと変わってはならない。刻みになると「ベタ」になり、「入りと出」がない、重い音ばかりになるので、充分に注意し続けること
・(トリオはゆっくりから徐々にテンポを上げて練習しました。1stVn.は合理的なフィンガリングを各自考えておいて下さい。)
・トリオの1stVn.(旋律)以外のパートは、旋律にそぐう響きを柔らかに生成する

第4楽章
・序奏部、金管、ムラのない響きで、ディナミーク(初めはpp)を遵守して、荘重に。
・Stringendo(12小節から)で慌てない。そんなに早くなるわけではない。冷静に拍を数えて
・Lebhaft(=Vivace)に頻出する付点八分音符は「ぶっちぎれ」になってはいけない。響きを持った音で、充分に長く。
・Uの3小節目(27小節)初出の、オクターヴ上がるメロディは、上の音の方にアクセントがついているが、その前の「下の音」の方をはっきりしっかり演奏しておかないとメロディ本来の形が壊れる
・Vの8小節目(67小節)からの上昇音型は、「調」を見定めてから演奏すると難しくはない。
  ちなみに、67小節のチェロ・バス・ファゴット=イ長調、ヴィオラ・クラリネット=ホ長調
  (クラリネットはB管記譜ですのでト長調)
  68小節の2ndVn.・オーボエ=ホ長調、1stVn.・フルート=ロ短調(和声的短音階)
  69小節のチェロ・バス・ファゴット=ロ短調、ヴィオラ=嬰ハ長調(クラリネット記譜上ホ長調)
  70小節の2ndVn.・オーボエ=嬰ヘ長調、1stVn.・フルート=嬰ハ短調
  71小節のチェロ・バス・ファゴット=嬰ハ短調、ヴィオラ=ニ長調(クラリネット記譜上へ長調)
  72小節の2ndVn.・オーボエ・1stVn.・フルート=ニ長調
  73小節以降はイ長調です。
  ※157小節以降は各位で読譜なさってみて下さい。)
・Schnellerからのテンポは指揮者による。
・Prestoは八分音符を慌てずきちんと演奏しておくこと

本日は以上です。

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コメント

おっ 次回はマイスタージンガーを演奏するんですね。この曲は大好きで、朝の目覚ましの曲としているんです。なになにハイドン「めんどり」も。かの調性「ト短調」の曲ではないか。いいぞいいぞ!

投稿: ランスロット | 2008年9月15日 (月) 11時08分

ランスロットさん・・・そうなんです!
ハイドンは幾つか短調作品を候補に呈示してみせたら、「めんどり」がいちばん前評判が良かった。幸い、楽譜調達してくれる人も「貸出し譜がすぐに見つかったよ」ということで、ラッキーでした。
マジンガーZ、じゃないや、マイスタージンガーはもう何回やったかな?
どんな団体でも、プログラムに困ると、すぐ出てくる曲のような気がしないでもありません。・・・まあ、しかし、いい曲ですから。

投稿: ken | 2008年9月15日 (月) 20時59分

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