« モーツァルト:ミサ・ブレヴィス変ロ長調K.275 | トップページ | 救いの影 »

2008年7月21日 (月)

シューマンの「訓戒」

L4WBanner20080616a.jpg

クラシックCD検索に便利!バナーをクリックして下さい!

私の所属します東京ムジークフローの第45回定期演奏会の演奏をアップしました。忌憚なくご批評頂き、少しでもよい演奏をするヒントを頂ければ幸いに存じます。

バドゥラ=スコダが、分厚い「バッハ 演奏法と解釈」で述べたことの要点は、音楽を愛する人(たとえクラシックではなくても)みんなに通用する重要性を持っていると思いましたので、先日、その目次の要約と、私なりの簡単な解説を加えた記事を掲載しました。

で、バドゥラ=スコダより遥かに単純明快に、同趣旨の要諦をシューマンが述べている文章の存在に、初めて気が付きました。
この文章、1848年前後に雑誌「新音楽時報」で発表し、その後彼が自分の子供たちのために作曲した平易な曲集である<ユーゲントアルバム>第2版にも添えられたものだそうで、同作品の全音から出版された楽譜の解説で、門馬直美さんが全訳を掲載しています。

非常に大切な文章ですので、当時の社会情勢や価値観から書かれた部分を中心にだいぶ省略しますが、ぜひご紹介したく、以下に、特に重要と思われる項目を引用させて頂きます。(全音楽譜出版社 ISBN4-11-111020-7、945円)



以下、引用。一部、文言(助詞や、より汎用的になるための名詞など)を変更しました。


きく耳をつくりあげることが一番大切である。(中略)鐘、窓ガラス、かっこう----そういったものが、どんな音をだしているか調べてみること。

・音階やその他の運指法は熱心に練習しなければならない。しかし、それですべてがうまくゆくと思って、大きくなるまで毎日何時間も機械的な練習をしている人がたくさんいるが、それは、まさに、ABCを出来るだけ速く発音しようと骨折っているのとそっくり同じだ。時間をもっと有効に使いなさい。

・拍子どおりに演奏すること。多くの名人たちの演奏は、酔っぱらって歩いているようなもので、そんなものはお手本にはならない。

・(前略)和声の基礎的なことを勉強しておきなさい。

やさしい曲を立派に美しく演奏するように努力すること。これは、むずかしいものを平凡に演奏するよりもずっといいことだ。

・扱っている曲は、ただ手先口先で演奏できるということだけでなく、楽器がなくても、口でハミングできるようでなければならない。想像力をうんと強くして、曲の旋律ばかりでなく、それについている和声も、しっかりおぼえてしまうようにならなければいけない。

・(注:これは西欧音楽とその流儀で書かれた音楽について限定的にあてはまることですが、重要性は高いものです)音楽を楽譜から理解できるようにまでなりなさい。(中略)誰かが初見の曲を出してきて、演奏しなさいといったら、まずそれを最後まで読んでみることだ。

・(前略)技巧はより高い目標に使うときだけ価値がある。

・もしみなが第1ヴァイオリンばかりを弾きたがったら、オーケストラは、まとまらない。従って、そのパートにいるどの音楽家も、尊敬しなければいけない。

・自分の楽器を愛しなさい。だが、自分の楽器が唯一無比のものと考えるのは愚かなことだ。ほかにも同じように美しい楽器があることを忘れてはならない。(後略)

・山のかなたにも人が住んでいる。謙虚でなければいけない。自分より以前にすでに他の人が考えたり、くふうしたこと以外には、自分は実はまだ何も考えたりくふうしたりしてはいないのだ。そして、もし考えたりみつけたりしたなら、それを天からの贈りものとして、ほかの人にもわけあたえなければいけない。

・(注:日本の現状ではおすすめしませんが)合唱団にはいって熱心に歌うこと。(注:以下が重要です)特に中声部を歌うのがいい。これは、音楽的な人になるのに役立つ。

・ところで、音楽的とは何のことだろうか?目を心配そうに楽譜に向けて、自分の曲を苦労して終わりまで演奏するというのは、音楽的ということではない。また(誰かがたとえば一度に2ページ楽譜をめくってしまったとき)、とまってしまって先にゆけないというのも、音楽的ではない。しかし、新しい曲で、どういうkものがでてくるか大体予想できるとか、すでに知っている曲で、おぼえてしまっているというのなら、----ひと言でいうと、手先口先だけでなくて頭と心ももっているのならば----音楽的だということになる。

ほかの芸術や学問と並んで周囲の生活にもしっかりと目を向けよ。

・芸術は、財産をうるためにあるものではない。ただ、ますます立派な芸術家だけになりなさい。そのほかのことは、自然に自分のものとなる。

形式がわかってはじめて、精神もはっきりと知られてくるだろう。



省略した部分にも考えなければならないこと、大切なヒントが豊富にあります。
ぜひ、いちど全文をお読みになることをおすすめいたします。

 シューマン ユーゲントアルバム シューマン ユーゲントアルバム
販売元:セブンアンドワイ
セブンアンドワイで詳細を確認する

|

« モーツァルト:ミサ・ブレヴィス変ロ長調K.275 | トップページ | 救いの影 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: シューマンの「訓戒」:

« モーツァルト:ミサ・ブレヴィス変ロ長調K.275 | トップページ | 救いの影 »