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2008年7月10日 (木)

ベルリンフィル時代のチェリビダッケ(3)

10枚組セットの「ベルリンフィル時代のチェリビダッケ」(などという標題がこのセットについているわけではありませんが)、3枚目から4枚目にはブラームスの交響曲が2曲収録されています。
私の購入したものは、残念ながら不良品のようで、3枚目に収録された「第2番」の第3楽章・第4楽章、「第4番」の第2楽章がプレイヤーではじかれてしまうし(キズは無いのですけれど、ダメなんです)、iPodにも取り込めませんでしたので、<全体像>としての把握は断念せざるを得ませんでした。

で、3枚目、(こちらは正常に聴くことの出来た)4枚目を併せて。

収録曲は、
1)ブラームス:交響曲第2番
2)ブラームス:交響曲第4番(3枚目に前半2楽章、4枚目に後半2楽章)
3)ドヴォルジャーク:チェロ協奏曲(ライヴ。ソリストはフルニエ)

ブラームスについて全貌がつかめずじまいだったのは、前述した通りです。
しかも、後年、ブラームスについては徹底的に悪口を言ったチェリビダッケです。
「彼のブラームス演奏には、だから、期待出来ないんじゃないか?」
というのが、新録音の方のブラームスも聴いたことの無いチェリビダッケ・ファンの率直に感じる疑問なのではないかと思います。

あにはからんや。

1〜3までの演奏は1945年と9年(ブラームス2番)で、チェリビダッケとベルリフィルのものとしては最も早い時期に相当しますが、2枚目のメンデルスゾーンを待つまでもなく、チェリビダッケがロマン派の音楽に対する鋭敏な感覚を鮮明に示す、「深い」響きの創出に成功しています。

ブラームスについては、ほぼ同時期のベルリンフィルに、フルトヴェングラーの指揮で演奏したライヴがあります(4曲を組み合わせたCDは、ウィーンフィルとの共演もあり・・・いま手元に持ってくると収拾がつかなくなるので、何番をどっちと演奏したかまでは調べません)。
これが、私はやっぱり安値なんで飛びついて買ったCDでしたが、聴くにあたっては最初、寝床にひっくり返って、「お気ラク」にプレイのスイッチを入れたのです。・・・ところが、最初の一音がなったとたん、ビックリして跳ね起きてしまった! もう、あの悲惨な第二次世界大戦が終わってからの演奏であったはずなのに、今まで聴いたことの無い、<思い詰めた凄み>で耳を刺して来たからです。
これについては、同じものを聴いたよ、という、大好きな友人だった故Hさんと二人で話したことがあるのですが、Hさんが
「いやあ、僕も同じだったんですよぉ」
と、ニコニコ言ったのが、今となっては大切な思い出です。
で、チェリビダッケの初期録音のブラームスも、それはフルトヴェングラーの老成と同質なものはあるはずがないのですが、もしHさんに聴かせたら
「うーん、ある意味、フルヴェンと遜色ないですねぇ」
と言ってくれるに違いありません。このころのチェリビダッケには<若さ>という、これもうまく働いた場合には、かけがえがないほど大切な財産となり得るチカラがあります。ブラームスのオーケストレーションは、メンデルスゾーンをさらに突き詰めた繊細さを持ち合わせていますから、本来はチェリビダッケには相性がよかったのではないでしょうか?
では、なぜ悪口を言うようになったか?
・・・断言できませんが、相性が良すぎるが故に、指揮(演出)する際にブルックナーほどにはチェリビダッケ自身の出番がなかったせいではないのかな、と勘ぐっております。すなわち、ホントはいっぱいお喋りしたい彼も、ブラームスについては、ひとことで楽員に本質を伝えられてしまう。ブルックナーをやる時にはたくさん伝えなければいけないからいっぱい喋れる。その結果、ブラームスをやると、なんだか自分の楽しみが奪われてしまう気がして・・・チェリビダッケは欲求不満に陥っていた・・・どんなもんでしょうか?

ドヴォルジャークのほうについても同じことしか言えませんので、私のおしゃべりもあとちょっとにします。このライヴ、後年のフルニエに比べると、フルニエもやっぱり若さに任せていた時期なんだなあ、と、つくづく思わせてくれるものです。まだ「丸く」なっていないのが、いい。このときのチェリビダッケの状態との相性は、これ以上を望んではいけない、という圧迫感さえおぼえてしまうほど、強い緊張感に支えられた名演になっています。

お次はチャイコフスキーが待っているのですが。
さて、こちらでは「若きチェリビダッケ」はどんな顔を見せてくれるでしょう?

ワクワク。

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